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News Item 20011125kopa
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政権の危機、それでも超国的資本のための金融世界化はびくともしない?

――金大中政権の年内、韓日投資協定締結の試みに反対する

韓日投資協定が12月に締結される

 韓日両国は年内に韓日投資協定の締結を合意するといっている。さる11月 14日には、韓国で韓日投資協定のための第8回本会議が開かれ、12月に日 本で開かれる第9回本会議で協定を締結することを決定した。韓日投資協定と 自由貿易協定に対する反対闘争を活発に繰り広げている日本の日韓民衆連帯全 国ネットワーク〔※訳注・同ネットは、「日韓投資協定NO!緊急キャンペー ン」の呼びかけ団体です〕によれば、すでにさる10月に行なわれた韓日首脳 会談と11月のAPEC首脳会談で、韓日投資協定の年内締結が決定されたという。  まず我々は、非常に重要な経済懸案のうちの一つである韓日投資協定を、非 公開的に急いで推進しようとする政府の態度を問題提起せざるを得ない。この 2年間、国内では韓日投資協定による無制限的な投資自由化の危険性と反民衆 性に対して多くの問題提起が行なわれてきて、政府の立場に対する対応も進め られてきた。それにもかかわらず、政府は日本との教科書問題や水産業問題だ けを世論化する中で、水面下では韓日投資協定締結の試みを継続して進め、つ いに来たる12月に急いで韓日投資協定を締結しようとしている。  こうした政府の態度は形式的な手続き上の問題にだけ局限されるものではな く、金大中政権が残る任期期間中にどんなやり方で政局を運営し、新自由主義 世界経済に従属的に編入していくのかを示している。少し前、金大中大統領は 与党民主党の分裂と危機に直面して党総裁職を辞退し、残る任期期間中、不振 な経済の改革を仕上げることに総力を傾けるとを宣言し、政策企画首席に新自 由主義市場万能主義者である韓悳洙(ハン・ドクス)前OECD大使〔※訳注・ この人物は、韓国外交通商部の前・通商交渉本部長で日韓投資協定の交渉も担 当し、同協定がMAIよりもはるかに高い水準のものになると豪語していた〕 を任命している。金大中政権がいう不振な経済の改革とは、一方では構造調整 をもっと加速させるために公企業の民営化をさらに徹底して推し進め、金融市 場の自由化をさらに進展させることを意味し、もう一方では多国間および2国 間の投資と自由貿易協定締結を成し遂げるということだ。つまり、国内経済を 私有化し開放して、貿易と投資を自由化することで、超国的資本と国内の独占 資本の利潤を保障してやることが、まさに終わっていない経済改革の完成とい うわけだ。そしてそのために、新自由主義政策立案者たちを主要ポストに配置 して、韓日投資協定のような懸案を急いで推進している。

超国的資本の無制限の利益保障のための集大成版であるMAIを原型とする韓日投資協定

 韓日投資協定は、政府も言っているように多国間投資協定(MAI)を原型 にしている。MAIは、投資における内国民待遇と最恵国待遇を保障する中 で、投資自由化のためのものならば、国内生産品調達政策、現地人雇用義務な どの国内経済政策、労働権、人権、環境など、そのいかなるものも障害物と規 定して、規制の緩和および撤廃を主張する、それこそ超国的資本の利益保障の ための集大成版といえる。また、MAIで規定する投資の概念はすこぶる曖昧 で広範囲であり、短期投機資本までも投資として認定しようとしており、超国 的資本が国家を提訴することができる権利まで与えているほどで、歴史的に類 例のない多国間投資協定といえる。結局、このような反民衆的で危険なMAI は、さる98年、全世界民衆の広範な抵抗にぶつかって失敗してしまった。し かしMAIは、2国間投資協定とNAFTAのような地域自由貿易ブロック、 そしてWTOという多国間貿易体制をつうじて、その核心的な内容が現実に現 われている状況であり、韓日投資協定はこのような機構の一つだといえる。

韓日投資協定の危険性はいたるところに広がっている

 すでに公開された韓日投資協定の主要内容だけをみても、協定が韓国経済に 与える危険性と反民衆性は容易に把握できる。まず、投資自由化をつうじた韓 国経済の成長と雇用の創出ということがウソであることが判る。むしろ経済が 恒常的に危機にさらされる状況に直面するようになり、雇用はさらに不安定に なって、労働権は深刻に侵されるだろう。韓日投資協定によれば、海外投資に 対して国内資本と同等の待遇を与える内国民待遇と、海外投資のうちもっとも 優れた待遇をその他の海外投資にも適用する最恵国待遇を保障するのと同時 に、海外投資の元金および利潤の自由な送金を保障する一方、海外投資者に一 定比率以上の国内財貨やサービスを使用するようにする義務、技術・生産工程 などの国内移転義務などを禁止している。つまり、投資自由化は国内の経済成 長よりは超国的資本の自由な移動保障をつうじた利潤の追求を保障するものだ といえ、海外資本の自由な輸出入が可能な条件で、海外資本の国内経済の蚕食 (さんしょく)が拡大されればされるほど、国内経済の不安定性はますます深 まらざるを得ないことを意味する。  一方、投資の自由化が雇用および労働権におよぼす影響影響については、二 つの条項を調べてみれば判る。一つは現地人雇用義務の禁止であり、もう一つ はいわゆる真摯条項である。海外資本が国内に工場を設立するのであれ、企業 を吸収するのであれ、あるいは株式をつうじて経営権を掌握するのであれ、雇 用を創出するよりは、現地人雇用義務の禁止条項を独鈷(とっこ)にとって雇 用を抑制する中で、構造調整をつうじて人員を削減したり、非正規職化のよう な労働の不安定化を推し進めることになるだろう。また、真摯条項というの は、日本企業が韓国に進出した時、発生する労働争議など各種の労使紛糾を真 摯に取り扱うことを要求する条項で、これは国内の労働運動が日本企業におよ ぼす波及力を憂慮した日本当局から持ち出されてきた要求事項だ。ここで、労 使紛糾を真摯に取り扱うという意味は、国家が介入して労使紛糾を封鎖してく れということと、はなはだしくは労働組合の設立さえも許可しないようにして くれというもので、労働権に対する深刻な侵害を引き起こさざるを得ない危険 な条項だ。  韓日投資協定の危険性と反民衆性はこれに止まらない。さる8月に開かれた 韓国の全経連と日本の経団連のような保守的な経済人団体の集まりである韓日 ビジネス・フォーラムでは、日本の鉄道会社であるJRが韓国の鉄道を売却し てほしいという立場を開陳したと言われており、韓日投資協定によって通信・ 鉄道・金融など主要な国家の基幹産業の自由化制限措置が緩和ないし撤廃さ れ、私有化をつうじた海外売却が加速化する見通しだ。  また、海外投資者と政府間の紛争において、海外投資者が国内法を経ずに、 世界銀行などの国際的な紛争解決機関に提訴できるようにすることで、メキシ コの州政府がアメリカの超国的企業であるメタルクラッド社に対して環境汚染 問題による制裁を加えた当時、メタルクラッド社が投資の自由を妨げていると いうことを根拠に、メキシコの州政府を提訴したように、投資の自由化の前に は環境・人権・労働権が完全に侵されても、適切な制裁を加えることができな いようになるという点も非常に大きな問題といえる。

韓日投資協定の締結に反対する

 97年の経済危機以降、IMFとこれに便乗した金大中政権の新自由主義構 造改革は経済危機を克服するどころか、韓国経済全般を縮小させる中で、恒常 的な経済危機状況をもたらし、労働の柔軟化戦略をつうじた整理解雇と非正規 職化などで、労働者民衆に経済危機の苦痛と費用が転嫁されてきた。こうした 状況下において投資の全面的な自由化は、結局、国内経済をかえって不安定に し、恒常的な危機にさらされるほかないようにする短期投機資本に自由の翼を 与えるものであり、国内経済の超国的資本による蚕食をつうじて、雇用と物質 的成長のない資本の流出を深めることになるだろう。また生存権をはじめとし た労働者民衆の基本的権利を脅かし、環境・人権・民主主義が投資の自由化の ための生贄(いけにえ)として犠牲になる立場に置かれることになった。  したがって、韓日投資協定締結の試みは即刻撤回されねばならず、生存権的 要求を飛び越える新自由主義グローバリズムに立ち向かう労働者民衆の闘争で 新自由主義に鉄槌を下さなければならない。(以上)


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