韓国:ベルトコンベアを使う製造業はすべて「不法派遣」 | |
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ベルトコンベアを使う製造業はすべて「不法派遣」[寄稿]双竜車非正規職、正規職訴訟勝訴の意味
パク・ジョンギュ(非正規職ない世の中作り) 2013.12.02 17:55
「私たち4人すべて勝ちました。マッコリ一杯飲まなければ」 受話器から聞こえてくる双竜自動車非正規職ソ・メンソプ支会長の声が震えて きた。11月29日午後3時頃だった。彼は双竜車社内下請労働者も不法派遣だから 正規職だという裁判所の判決を受けて、喜びが収まらないようだった。 3年前、金属労組で働いていた時を思い出した。2010年7月22日、大法院で現代車 社内下請労働者は不法派遣だから2年以上働けば正規職と見なされるという判決が 出た後、全国が沸きかえった。 マスコミの報道を見て慶南道の昌原から、ある女の人が電話をしてきた。夫が ボルボ建設機械コリアで7年以上社内下請として働いているが、正規職転換訴訟 をできるかと切実な声で聞いた。正規職労組があるが、あまり関心がないとし、 金属労組が助けてくれるかと言った。 ボルボは掘削機をはじめ、建設装備を作る会社で、自動車会社と同じようにベ ルトコンベアシステムで建設装備を組立てて生産するので、訴訟で勝つ可能性 は非常に高かった。2005年7月1日以前から働いていたので2年経てば自動で正規 職に転換されたと見なされるという勤労者派遣法の雇用擬制条項が適用される 労働者だった。 だが当事者が訴訟をしなければならず、会社に通知されるので解雇を覚悟しな ければならないという言葉に、彼女は悲しそうな声で受話器を下ろした。携帯 電話の番号を知らせたが、電話はかかってこなかった。 2010年の最高裁判決で期待が高まった社内下請労働者双竜車の4人の社内下請労働者たちは、2年経った2003~2005年から正規職と見 なされるという水原地方裁判所平沢支院民事1部(裁判長主審イ・イニョン)の 判決文は、2010年7月22日の大法院判決とほとんど同じだ。 裁判所は「社内協力業者の勤労者として、業者から指揮、監督を受けて働いた」 という会社側の主張に対し「ベルトコンベアを利用した自動流れ生産方式に合 わせて、ベルトコンベアで車体、艤装の一部公正で作業を行い、原告(社内下請 労働者)は被告(双竜車)の全体的な作業指揮により勤労に従事した」と判断した。 また裁判所は、下請企業が独立した経営をしていたという主張に対して「社内 協力業者は独自に、あるいは主導的に被告との契約による車体艤装の一部工程 で業務を進めたと見るほどの証拠はなく、社内協力業者は原告の作業に関して その勤怠管理程度をした」とし、合法請負ではなく不法派遣だと判決した。 裁判所は、双竜車が事務室を提供して下請企業の事業計画書を提出させ、双竜 車が所有する設備と機械、資材を使って双竜車が作成した標準作業要領、組立 仕様書、一日生産計画書によって作業を遂行した点など約10項目を不法派遣の 根拠と認定した。 平沢裁判所裁判所の判決文は2010年7月22日の現代車に対する大法院判決の趣旨 に従い、主な根拠も最高裁判決とほとんど同じだ。要約すればベルトコンベア を利用した自動流れ方式の自動車組み立て生産は、合法請負ではなく勤労者派遣 なので、2年以上働いた社内下請労働者は正規職ということだ。 「ベルトコンベア方式の自動車生産は合法請負ではない」双竜車社内下請労働者は不法派遣だという裁判所の判決には重要な意味がある。 まず不法派遣が現代車だけの問題ではなく、自動車製造業全般に該当するという 点だ。 2010年7月22日、大法院で現代車蔚山工場に対する不法派遣判決が出た後、11月 12日に現代車牙山工場も不法派遣だというソウル高等法院の判決があった。 続いて今年の2月28日に韓国GM(旧GM大宇)昌原工場労働者が大法院で不法派遣の 判決を受けた。 ▲双竜自動車非正規職ソ・メンソプ 支会長が2005年12月産業資源部が 主催した第31回国家品質競演大会で 大統領賞を受賞して記念撮影をした 現代車と韓国GMに続いて双竜車労働者の正規職訴訟勝訴は事実上、自動車を作る 完成車すべてが不法派遣だということを裁判所が認めたものだ。これは現代車 非正規職1600人の集団訴訟にも小さくない影響を与えるものと見られる。現代車 非正規職労働者は、12月3日と来年1月1月と9日にソウル中央地法で裁判が開かれ、 2月中には1審宣告がある予定だ。 不法派遣の代名詞になった現代車は、不法派遣を隠す新規採用をやめて正規職 転換を実施しなければならない。裁判所と労働委員会で不法派遣が確認された 艤装(組み立て)、車体、塗装、プレスなどのの工程で働く労働者を即座に正規職 に転換し、裁判所で議論になっている工程についても中断された特別交渉で 正規職転換計画を提示しなければならない。 雇用労働部は韓国GMに対して大法院判決から9か月後の12月2日から一週間、 「不法派遣特別点検」を行う。政府は「不法派遣事業場特別勤労監督実施、 元請直接雇用行政命令」の公約により、韓国GMだけでなく現代、起亜、双竜、 ルノー・サムスンの5つの自動車会社に対して今すぐ特別勤労監督を実施して、 直接雇用行政命令を出さなければならない。 完成車5社の特別勤労監督実施、直接雇用命令を二番目、不法派遣は自動車生産工場だけでなく、ベルトコンベア方式を利用して 生産する製造業全般に当たるということだ。 現代重工業、斗山インフラコア、ボルボ建設機械コリアは、掘削機、クレーン、 リフト車といった建設装備を作る。ロテムや大宇精密などは装甲車を、トンヘン 工業はトラクターと耕運機などの農機械を作る。すべて自動車会社と同じ生産方式だ。 現代モービス、現代ウィア、現代デイモス、ダースなどの自動車部品会社も、 ベルトコンベアを利用して自動車部品を生産するので不法派遣の可能性が非常 に高い。裁判所の判決がないという理由で政府が不法を放置すれば、地方政府 と議会、民主労総と労働団体が実態調査をして対策を用意する必要がある。 三つ目、社内下請労働者と正規職労組が始めなければ正規職転換ができないと いうことだ。 双竜車をはじめ、現在労働者が勤労者地位確認集団訴訟を進めている事業場は、 現代車、起亜車、韓国GM、現代ハイスコ、錦湖タイヤ、サムスン電子サービス などだ。これらの事業場はすべて民主労総金属労組の所属で、非正規職が労働 組合を作った。証拠資料を集めて法定訴訟を進めるのは、当事者が始めなければ ならないからだ。 ボルボ建設機械労働者の例のように、非正規職労働者が解雇を覚悟して訴訟を するのは非常に難しい。だから正規職労組の役割が重要だ。非正規職労働者と 会って、証拠資料を集め、訴訟に参加した労働者を会社が解雇できないように しなければならない。 しかし民主労総所属の正規職労組が動いて不法派遣の実態調査と訴訟をしてい るという知らせはほとんど聞こえてこない。正規職労組の模範的な事例を作り 出し、これを拡散させなければならない。 正規職労組が動いて不法派遣調査をした事例はどこに?双竜車不法派遣の判決でおもしろい部分がある。 「原告(社内下請労働者)は被告(双竜車)の正規職員と同じ事務室に机を置いて 会議に参加したりもしたし、被告の正規職員と共に同じ分任組に編成されて、 全国競進大会などに参加して受賞したりもした」。 2003年9月から双竜車平沢工場車体部で働いていた非正規職ソ・メンソプ支会長 は、2005年に車体2チーム代表として正規職と共に、産業資源部が主催する31回 国家品質競演大会に参加して京畿道から最優秀賞を受け、全国大会で大統領賞を 受けた。 当時、不法派遣問題を知らなかった双竜車は、受賞の知らせの記事を会社の新聞 にのせ、この事実が不法派遣の証拠になった。 ところで最近、偽装請負と不法派遣論議がおきているサムスン電子サービスが 自分たちとは無関係だというサービス技師に「プロサービスエンジニア認証書」、 「優秀エンジニア認証書」等を授けた証拠が続々と確認されている。 サムスンサービス労働者はサムスンの服を着て、サムスンの指示により、サムスン の部品で、サムスンの電子製品を10年以上直してきた。サムスンは彼らを「当社の プロサービスエンジニア」として認証した。サムスンと雇用労働部の返事が気になる。 翻訳/文責:安田(ゆ)
Created byStaff. Created on 2013-12-03 23:34:29 / Last modified on 2013-12-04 00:32:00 Copyright: Default このフォルダのファイル一覧 | 上の階層へ |