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社長でもないのに社長のふりをして、社長なのに違うという

[非正規職連続寄稿](5)本当の社長が雇用しろ!

シン・ヒョンチャン(GM大宇非正規職支会長) 2011.10.18 10:06

差異の認識

初めて某業者を通じ、GM大宇に足を入れた。大工場で服と靴も正規職が着るも のをそのまま受けた。服も靴も全く同じで、私がする仕事もついこの前まで、 正規職がしていた仕事だった。ご飯も同じ食堂で食べ、休み時間も同じだ。働 く装備も、場所も、作業マニュアルもすべて元請のものだ。差があるとすれば、 名札程度か? 正規職は白い名札で非正規職は藍色の名札だったから! 私がその 前に通っていた工場でも、正規職は白、非正規職は黄色だった。たかが色の差 が、少なくとも非正規職には妙な萎縮感を植え付ける。その色の差一つで全て に違いが生じるから。

破壊される人間関係

工場に入った後、私の人間関係は狭かった。友人の息子の誕生日も特別勤務で 帰れない。年末に友人に忘年会があるから必ず参加しろと言われても勤務日程 を調べなければならない。なぜならわれわれは工場が稼動する限り、抜けられ ないからだ。年次・月次は金で受け取るのが常識だ。低い賃金も理由の一つだ が、余裕人員がなく、月次や年次を使うには、まず同僚の表情を見なければな らない。正規職のように抜けた人数はライン速度を調整してくれれば良いが、 業者にはそんな権限がない。一度は夜間組の時、同僚の作業者が、お父さんの 法事で早退をするといった。お父さんの法事を子供がするのは当然だが、その 友人は管理者に頭を下げる。そして結局行けなかった。

泡が出ると同僚が少なくなる

ライン速度は毎年速くなるが、人員は毎年減る。新車を開発すると、工程数を 減らすためだ。二人がしていた仕事を1人がして、三人がしていた仕事を二人が するようになる。残業まですれば口から泡が出るほどだ。残っている人は泡を 吹き、やめた人は生計を心配する。前にも話したが余裕人員がない。それで、 ラインで仕事をする時、一番つらいのはトイレの問題だ。小便は我慢できても、 突然の下腹の雷の音はとても我慢できない。それで管理者を呼ぶが、管理者は どこに行ったのか見えない。ズボンに粗相は出来ないから、周辺の同僚に少し 仕事を頼んで行ってくる。そしてこんなことは一日に何度も起きる。ところが そんなことが人員を減らす理由になる。三人で仕事をしていたことが二人でで きると判断する根拠になるようだ。これを決める権限は業者にはない。

[出処:チャムセサン資料写真]

労働組合結成

労働組合を作った。仕事もつらく、いつも人が切られていくのも見るのがつら かった。有給休暇も使いたかったし、ライン作業中にトイレに行くにも顔色を 伺いたくなかった。組合を作って食堂の前で労働組合の結成を知らせた。する とまず最初に業者の管理者が取り囲み、人が見えないように視野を防ぐ。それ で後にいた元請労務チームの職員がきて、宣伝ビラと横断幕を奪い取る。その 過程で組合員を見えないように殴る。足でけるとか、腹部を攻撃する方式でだ。 業者の管理者は暴力を使うことはなかった。毎日一緒に泡を吹きながら働いた 同僚をとても殴ることはできなかったのだろう。綿密に下請業者の管理者を 統制し、暴力をふるうのは元請の労務チームだった。

解約

労働組合を作れば弾圧手順がある。まさに業者の解約だ。業者は組合員をなく したり活動を無力化させなければ解約される。そのためか、この時からは業者 の管理者も死活をかけて組合員を弾圧し始める。そうでなければ、自分たちの 雇用も守れないと思うからだ。しかしどこにもそんな見せしめに、1、2か所の 業者は解約される。その過程で非組合員は新しい業者に入社して仕事を続ける が、新しい業者は組合員の入社を拒否する方式で組合員を取り除く。ところが 業者を解約する権限も、新しい業者を選ぶ権限も、すべて元請にある。元請が その気になれば、業者を解約する方式でいくらでも組合員を弾圧できる。

われわれは幽霊だ

非正規職が増え、労働強度が強まれば、会社の収益は増大した。私たちが泡を 吹いて働く時間が増え、ライン作業中にズボンに粗相をしない程度に忍耐力が つき、うわさもなく同僚が解雇されると、それだけ会社は黒字の幅を広げた。 それにもかかわらず、私たちの存在は人として見られることは一度もなかった。 人は人だが、人として見えないから、われわれは幽霊だろう。2008年経済危機 の時、富平工場だけで千人を越える非正規職労働者が工場を出なければならな かった。いくつかの業者が解約され、いくつかの業者は部分的に解約された。 そしてわれわれは静かに消えた。誰も私たちを覚えていない。元請社に莫大な 利益を作ったのに、われわれは見えない幽霊でしかない。

本当に社長か?

業者の管理者は、作業者の不平不満を元請社に回す。余裕人員の不足も、労働 強度の強化も、労働強度が強まれば人が減るのも元請社がしないから仕方がな いというのが彼らの説明だ。下請業者の水準では何もできないという。だが、 それは事実だ。元請がしなければ何もできない。ライン速度から作業マニュアル まで、すべて元請が管理するのだから! 工具も技術も作業場もすべて元請のもの だから! 下請業者がすることは限られた場所での業務指示ではない業務指示と 月給明細書を配ることだけ。オマケとして、当然のことを言う作業者をこらしめ ることも追加しておこう。これが現実なのに、不思議にも社長でもないのが社長 のふりをして、社長が社長ではないように振舞う。

本当の社長は王さん!

芸は熊がして、金は王さんが持っていったとすれば、熊の社長は王さんだろう。 ここに業者社長を金さんとしよう。金さんは、本来、王さんが採用すべき熊と 勤労契約書を作成して中間手数料を持っていく。もちろん残りは王さんの持分 だ。熊の社長は王さんだろうか? 金さんだろうか? 相変らず芸は熊がして、金 は王さんが持っていくのだから、当然、王さんが社長だ。何の権限もない金さ んが手数料を持って行っても、彼を社長と思う人は誰もいない。

われわれは人になりたい

権限も能力もなく、人を揃えるだけの業者の社長が増えるほど、私たちの財布 は軽くなり、労働条件は悪くなる。すべての権限と能力を持つ本当の社長は、 私たちを幽霊扱いして、私たちの労働の実だけを持っていこうとするだけで、 何の責任も取らない。われわれは人になりたい。もう幽霊として暮らせない。 本当の社長が非正規職労働の実を食べたのだから、責任を取らなければならな い。それが常識だ。にせ物の社長は消えろ! 本当の社長が責任を取れ!

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2011-10-18 23:50:47 / Last modified on 2011-10-18 23:52:13 Copyright: Default

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