人権委、「派遣勤労者正規職と同一・類似業務時は賃金も同じに」

該当道路交通事業所に賃金差額などの支給を勧告

国家人権委員会は8月19日、派遣勤労者の賃金支給において、同一または類似の 業務を担当する正規職と差別することは差別だと判断した。これに伴い人権委 は、使用者に同一・類似業務を担当する正規職との賃金差別が発生しないよう に勤務期間中に支払われなかった運転手当を支払い、勤続研修などを考慮して、 基本給を算定し直して支給されていない賃金を支給するよう勧告した。

陳情人の崔某(男、59歳)氏は、2007年3月から2年間、道路交通事業所で運行制 限機動取り締まり車両運転員として派遣勤務をしたが、「正規職公務員と同じ 業務を遂行したのに低い賃金を受けた」とし、2009年7月国家人権委員会に陳情 を提起した。

道路交通事業所は、△陳情人と直接の雇用関係はなく、その代価も派遣業者に 一括支給していていかなる関与もせず、△陳情人は単純に運転業務だけを遂行 していたが、正規職公務員は過剰積載車両摘発業務を共に遂行したので賃金を 差別支給する理由があると典型的な元請事業主の立場を見せた。

これに対して国家人権委員会は「摘発班業務に対する現場調査を実施した結果、 過剰積載の疑いがある車両の停止誘導、軸中継移動および過剰積載確認、車両 交通整理、自認書発給および摘発報告書作成などの業務を2人1組の摘発班班長 (公務員)が陳情人の補助なく一人で遂行するのは事実上難しい状況だった」と し「陳情人と比較対象者である正規職公務員の賃金差は基本給で月最大70万ウォ ンほどの違いがあり、陳情人の過去の運転経歴も号俸に含まれないなど、運転 業務を担当する公務員の賃金規定などを総合的に考慮しても、過度に大きな差 がある」と明らかにした。また「公務員に支給されるさまざまな手当ての中で、 運転に対する代価の性格の運転手当も陳情人には支払わなかった」とし「これ は陳情人が公務員と同種または類似の業務に従事していたと見るのが妥当で、 したがって派遣勤労者保護などに関する法律などで規定された通りに差別的な 処遇を受けてはいけないと判断した」と明らかにした。

人権委は、差別是正の責任にも「道路交通事業所側は陳情人と直接の雇用関係 はないと言うが、派遣業者は道路交通事業所が配分する予算に基づいて賃金を 算定するという点で、道路交通事業所にも差別是正の責任があると判断した」 と明らかにした。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
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