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造船産業バブルの崩壊、下請労働者に責任

[非正規職連続寄稿](2)造船産業下請労働者の未払い賃金解決方案は?

オ・セイル(現代重工業社内下請支会) 2011.10.12 11:17

2005年から07年まで、好調だった造船産業は、政府と地方自治体そして資本家 が南海岸造船産業ベルトを作ると大騒ぎをした。ところが08年の米国発経済危機 は、造船産業に直撃弾を飛ばした。

経済危機を口実として現代重工業、STX海洋などは、下請業者支払を30%削減 したという話があった。こうした元請の支払削減を理由に現代重工業下請企業は 基本金10%削減、手当て削減、土曜4時間有給時間も0時間にした。現代重工業の 系列会社である現代尾浦造船と現代三湖重工業下請業者も大きく違わない。

また大型造船所はバルク船などを低価格で受注し、大型造船所の船も受注した。 結局、元請社の責任の押し付けは、下請業者へ、下請業者は下請労働者へと つながり、下請労働者に二重、三重の苦痛を抱かせた。こうした渦中で、さらに 現代重工業、大宇造船海洋などの下請企業は、支払金の持ち逃げどころではない。 大型造船所の下請業者では常時的な未払い賃金は発生しない。だが造船産業の ビッグ4に属するSTX造船海洋所属下請業者社長の支払金の持ち逃げが発生している。

また元請会社にブロックなどを製作して納品するオリエンタル精工、全南デブ ル工団にあるブロック工場は、元請との低価格の契約を強要された。これらの ブロック工場は社内下請業者に既成金削減を強要した。これらの下請業者の社長 は、下請労働者の賃金を踏み倒して逃げている。2009年の1年で、全南デブル工団 内での未払い賃金だけで50億ウォンに迫るほどであった。

[出処:蔚山労働ニュース]

造船産業の雇用構造

このように、造船事業場で賃金未払いが発生する理由は何か? それは元請社が 持つ力の優位のためだ。元請社は物量受注から人員管理まで、全てを指示し、 命令する。その一方で何の責任を取らないのが現実だ。

元請社は製造業に社内下請をおくことは法違反(不法派遣)だが、造船事業場の 生産職を社内下請労働者として雇用している。その割合が一番低いといわれる 現代重工業さえ、社内下請の規模はすでに正規職生産職の100%を越えた。特に STX造船海洋では、社内下請数が正規職の400%を越えている。大企業元請にブロック を供給する工場では、大企業の造船所より下請労働者の割合のほうがはるかに高く 生産職全体が下請労働者の事業場もある。

下請労働者が自分たちの境遇を改善するために労組を作り、団結しようとして も、元請は下請業者を廃業して組合員を解雇する。下請労働者は基本的な権利 を守るために立ち上がること自体が解雇を甘受する境遇に追いやられている。 こうした条件をよく知る造船産業元請は、不法な下請け制度を利用して、 天文学的な富を蓄積しているのだ。

こうした条件で、下請労働者は未払い賃金も解決できなず、雇用不安まで、 二重、三重の苦痛を味わっている。

あふれ出る元請の倉庫

世界経済危機の時に莫大な国家財政を投入した結果、2010年に大企業は史上最高 の純益を上げた。昨年10大グループ上場系列会社72社の社内留保率は何と1200%を 越えた。72社の自己資本金25兆ウォンと比較して、会社に積み上げられた金は 12倍、何と300兆ウォン台に達するということだ。

だが造船産業危機の時に削減された下請労働者の賃金は決して回復せず、賃金 未払いと夜逃げは今も続いている。同伴成長、利益共有制、言葉の羅列は沸き かえるが、社長たちはあざ笑う。昨年1人当りの国民総所得は2万ドル台に再進 入したが、労働所得分配率(国民所得で労働所得が占める割合)は59.2%で前年よ り1.7%ポイント下がり、37年ぶりに最低値を記録した。社長の持分だけが大きく なったのだ。

元請の倉庫はあふれているが、造船業種の下請労働者は建設と共に賃金未払い の規模は、労働部の公式集計だけでも数千億ウォン台で、学界では実際未払い 総額は年間数兆円台に達すると推定している。

「今回は勇気ある果敢な人がいるね」 -下請労働者たちの抵抗

その上、こうした賃金未払いに対して、労働部に陳情をしたり、STX造船海洋や オリエンタル精工で働いていた下請労働者は元請事務室を占拠するなどの方法 で、元請から未払い賃金を受け取ったり、労働部から代理支給金で賃金の一部 を受け取ることができた。先日、1億7千万ウォン台の労働者の賃金を持って、 下請業者の社長が夜逃げし、オリエンタル精工(昌原)の下請業者労働者たちが 元請の社長室で占拠座り込みをした。元請から賃金を受け取ったが未払い賃金 の100%は受け取れなかった。労働部を通じて受け取る代理支給金も賃金の100% ではない。また6か月以内は代理支給金も受け取ることができず、こうした制度 も改善されなければならないだろう。

オリエンタル精工の下請労働者が元請の社長室占拠座り込みをした時、会社前 の食堂のおばさんは「下請労働者たちが賃金を受け取れず離れる人が多かった が、今回は勇気のある果敢な人がいるね。賃金を受けれるようになったね」と いった。このように、造船産業下請労働者は未払いの賃金を受け取るために、 立ち上がることも知らず、また行動に出れば不利益が発生するかと思ってそれ も諦める下請労働者の数はかぞえきれない。

造船事業場下請労働者は、未払い賃金解決に動くのも難しい条件なので、すぐ 労組に団結し、製造業社内下請制度をなくす行動に出るのは難しいかもしれな い。だが未払い賃金と不当な下請労働者現実と戦う下請労働者がいる。

全南デブル工団では、賃金未払いが絶えず発生し、民主労働党と民主労総など が対策を立てるほど、賃金未払いが社会的な問題に台頭しているほどだ。造船 所の下請労働者に劣らず、未払い賃金が発生する建設労働者の闘争は、政策を 変える模範的な水準に成長した。もし民主労総と金属労組が先頭に立ち『下請 労働者賃金未払い解決』を掲げ、地域別の告発センター設立とキャンペーン、 常習未払い事業主拘束闘争を行えば、下請労働者も自信がつくのは間違いない。 このように民主労総や市民団体、進歩政党が共に努力すれば、さらに多くの 造船事業場の下請労働者が未払い賃金などの不利益と戦えるだろう。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2011-10-13 03:14:13 / Last modified on 2011-10-13 03:15:27 Copyright: Default

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