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韓国:資本の危機は武装した世界化につながっている
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資本の危機は武装した世界化につながっている

反世界化運動の展望と韓国運動の課題ワークショップ

国際連帯の成果を一般化すべきだ

キムサムグォン記者

22日午後4時から「アジア反世界化運動の展望と韓国運動の課題は何か」 を主題にワークショップが開かれた。 WTO反対国民行動が主催し、民主労働党大会議室で開かれたこの日の ワークショップでは、労働・環境などの各部門活動家10余名が参加し、 自由討論形式で3時間程進められた。

「新自由主義世界化反対闘争の展望と課題」を主題に発表した 李鐘會(イジョンフェ)WTO反対国民行動共同代表は、 新自由主義世界化攻勢の様相の変化を指摘して、 反対闘争の流れと展望に対する意見を述べた。

李鐘會(イジョンフェ)共同代表は、 「国家・地域ブロック間の資本誘致や商品交易の役割を担当するFTAが 普遍的水準での開放を強制するWTOの替わりとしての役割をしている」と指摘し、 「資本の危機は、ブロック間の緊張と噛み合って 武装した世界化につながっており、 主に中東地域がターゲットになっている」と 地球的次元で進められる現段階の新自由主義世界化の特性を要約した。

またこれに対応する世界運動の流れも 「世界化から地域化、地域化から反帝の問題に議題が移っていて、 反帝国主義運動はこれまで世界化に抱き込まれていた社会主義運動に代わる 新しい運動の流れとしての位置を占めている」と説明した。

李鐘會(イジョンフェ)共同代表は 「韓国での国際連帯の初期には少数の先進活動家たちによる 政治的・政策的交流水準にとどまっていたが、 昨年カンクンで韓国闘争団が見せた驚くべき闘争力は 次第に拡張されている国際連帯の幅をよく見せる事例」だと指摘した。 また今年のWEF反対闘争とアジア社会運動連帯会議に対して 「労働組合運動水準との対蹠点で進められる 資本の世界化・ブロック化にともなう社会運動のアジア地域連帯運動の 始発点として意味が付与されなければならない」と強調し、 「女性・環境・農民などの各部門での汎国民的連帯の秩序構築」を課題として提示した。

最後に「反世界化・反戦のシュプレヒコールから 反帝のシュプレヒコールに運動が移転していくはずで、 反世界化運動地形の変化とともに大衆運動から政治運動が分化する」 と運動地形の変化を予想した。

以後、参席者は各部門での反世界化闘争の評価と課題を中心に 自由討論を行った。

民主労総のチョジュノ反世界化対策班長は、 民主労総の下半期の反世界化反対闘争計画を概括した後、 「民主労総も反世界化闘争に対する確実な展望と理解がまだ確立できずにいる」 と指摘した。またチョ対策班長は 「BITをスクリーンクォーター問題として見るだけでは、 世界化攻勢の本質を歪曲しかねない」とし、 「反戦・反世界化運動が互いに分離してはならない」と話した。 続いてチョ対策班長は「外交通商部は、今年中に30〜40か国との FTA樹立を目標にしている」とし、 「運動陣営のより積極的な対応が必要だ」と主張した。

環境運動連合のキムチュニ国際部長は、 環境部門の国際連帯現況を説明した後、 「国際連帯も重要だが、国内闘争の内容性が担保されなければならない」と 国内闘争の重要性を強調した。

6月のWEF反対闘争で執行委員長を預かったチョジュノ対策班長は評価で 「闘争中心の企画だったが闘争に対する態勢が足りず、 多くの部分を学生達に依存した」とWEF反対闘争の限界点を指摘した。

汎国民教育連帯から来た参加者は 「BITは映画、FTAは金属といったように、各部門別に関心を持つ領域が違っている」 とし、「自分たちの固有な領域に対する関心を跳びこえなければならない」 と部門運動間の有機的な統合を強調した。

李鐘會(イジョンフェ)代表は 「通商協定が大部分密室で進められており、情報が足りない。 攻勢的な対応のためには、進行状況に対する情報を可能なかぎり多く 確保することが重要だ」と情報確保の重要性に言及した。 また「韓国民は、日本、米国との通商協定には反対しながら アジア内の他の国家との通商協定に対しては沈黙する傾向があるが、 このような傾向に対して運動陣営が立場を明確にするべき」だと話した。

WTO国民行動のチョンソフィ氏は 「国際連帯の大衆化に努力すべきだが、 一方ではそれ以前に私たちにとって国際連帯が持つ意味を評価する時」だと語った。 これに対してチョジュノ対策班長は 「国際連帯が持たらしたさまざまな成果が一般化できず、 主に交流中心で行わてきた」とし、 「カンクン闘争などを主導した主体勢力が直接評価をして、 そのなかで提起された議題を中心に議論が進められるべき」と 反世界化闘争の経験を蓄積した勢力等の役割を強調した。

この日のワークショップは、初歩段階の国際連帯と反世界化闘争を議論する席で、 基本的な問題をもう一度確認する席になった。 また、参加者は各部門の活動家等の役割を強調し、 この日提起された問題をそれぞれの活動家が属する領域に持ち帰って、 さらに議論を発展させることにしてワークショップを終えた。

2004年07月27日01:31:33

原文

翻訳/文責:安田(ゆ)


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