韓国:6.10、ソウルでは70万が集まる | |
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21年後、キャンドルでよみがえった610の叫び[10日総合]コンテナでふさがれたコミュニケーション、「これが2MB式疎通?」
特別取材チーム/ 2008年06月10日18時08分
87年に民主化を要求して路上に出た610抗争。21年後、市民はまた『さらに多く の民主主義』と『李明博政権退陣』、『米国産牛肉輸入開放反対』を叫んで また610抗争を作った。 ソウルの光化門と市庁一帯には、狂牛病国民対策会議推測70万人の市民が集まっ た。先月2日にキャンドル集会が始まってから最大規模だ。狂牛病国民対策会議 は全国的に100万を越える市民が集まったと発表した。忠清地域だけでも2万人 を越える市民が集まり、釜山地域で2万、蔚山地域は8千人が集まるなど、全国的 にも最大規模の市民が集まった。 市民は40日を越えるキャンドル集会と半月を越えたデモ行進で、李明博政権の 一方通行に制約を加えてきた。そして市民は李明博政権に『民心を聞け』と叫 んだ。しかし李明博政権は、市民の声をコンテナで防いだ。農林水産食品部の チョン・ウンチョン長官が少しの間、キャンドル集会に登場するというハプニ ングがおきたが、市民はこれを疎通とは思わなかった。 市民は「これが2MB式コミュニケーションなのか」と李明博大統領に問いかけた。 そして市民はコンテナの前で「抵抗しなければならない」と話した。市民は 「暴力を使わないことは、抵抗しないことではない」ということをはっきりさ せた。だが、キャンドルは今日も世宗路ロータリーから出られない残念さを抱 いて終わった。 李明博大統領は6月10日を基点としてキャンドル集会が消えると展望した。しか し市民は「できるまで集まる」と話した。国民の声を聞かない政府とキャンド ルの勝負は続く。 警察、世宗路の市民を強制的に引き出す 午前8時30分頃、市民が世宗路ロータリーで離れず、警察は強制的に交通させ始 めた。警察は市民がまだ道路にいるにもかかわらず鍾路から西大門方向への上 下1車線で車両を通行させた。 この過程である市民がSM5に轢かれる交通事故がおきるなど、大小の事故が発生 している。対しては警察が目撃者を同行して発生した交通事故について、現場 の状況を調査している。市民たちは無理に車両を通行させるなと、丸腰で車両 を防いで立っている。 ひとまず警察は兵力を外に撤収した状況だが、市民に「不法に車道を占拠して いるので現行犯」とし「強制連行措置する」という警告放送をした。 警告放送直後の午前9時20分頃、警察は道路にいた市民を強制的に引き出し始め た。市民は特に抵抗せず警察に引かれて出て、歩道上の市民は「暴力警察退け」 と叫んで警察の対応に強く抗議している。 光化門一帯で警察鎮圧作戦が迫る
鍾路警察署長はコンテナ後方に設置された大型スピーカーから「皆さんの不法 集会で多くの市民が不便を味わっている。もうすぐ市民が出勤しなければなら ず、地下鉄の運行も再開したので、迅速に解散しなさい」という内容の警告放 送を3回行った。警告放送を聞いた市民は「交通の不便を言うならまずコンテナ をどかせ」と野次を送っている。 午前6時頃、コンテナ障壁の双方で鎮圧を準備する戦闘警察の号令が聞こえてき た。大韓教育保険生命ビル歩道付近と反対側の路地から少しずつ戦闘警察が姿 を見せている。市民たちは戦闘警察の付近に駆けより「非暴力!非暴力!」を連 呼している。 午前6時20分現在、西大門警察庁方面から戦闘警察が大挙してこっちに向かって いる。警察は技術者を動員してコンテナ解体作業を始めようとしているらしく、 鍾路側の道路はすでに交通警官が車両を通行させている。コンテナ撤去に時間 がかかるので強制解散が始まれば市庁方向に市民を押し出す可能性がある。 残っている市民は演壇に使われたコンテナ障壁右側のスチロールで戦闘警察が 出てくる空間をふさぐために全力を尽くしている。大韓教育保険生命反対側の 路地でも戦闘警察と市民が対峙している。 ▲市民は世宗路コンテナの上で「疎通の政府、これがMB式疎通か」というプラカードを上げた。 「明博山城」を征服したキャンドルの旗 百万キャンドル大行進の日が明ける11日午前5時頃、土地に根を張ったかのよう にどっしりしたコンテナボックスの上で、キャンドル集会参加団体の旗がひる がえった。 コンテナボックス前のスチロール演壇問題をめぐり熱い論争を繰り広げたキャ ンドル集会の参加市民は「もう我慢できない、コンテナに上がろう」とし、前 に出てきた旗手が一人二人と集まり、いつのまにか一心になって「李明博は退陣 しろ」というスローガンを叫んだ。 市民は太極旗を含む20-30本の旗がコンテナ上でいっせいにひるがえる光景を見 ると席を立って拍手と歓呼を送り「気を付けろ!気を付けろ!」と叫んだ。 「疎通の政府、これがMB式疎通なのか」という文が書かれた大型横断幕がコン テナの上でうまく広がらず「逆だ!逆だ!」と叫ぶこともした。市民に向かって 広げられた大型横断幕は、暫くして大統領府の反対側に広げられた。これを見 た市民はいっせいに「李明博退け」と叫んで「憲法第1条」を大声で合唱した。 警察は旗を掲げた市民がコンテナに上がるとすぐ「コンテナは警察の統制線で、 コンテナに上る行動は落ちる慮れと事故の危険があるので早く降りて下さい」 という警告を繰り返して放送した。また「キャンドル集会に参加した市民の皆 さん、夜が明けました。他の市民の不便を考慮して解散し、帰宅して下さい」 と知らせた。 市民たちは警察の警告放送に例の「歌え!歌え!」で応じ、旗を見守った。午前 5時25分現在、市民団体の旗はコンテナの上から降りて最後に太極旗を持ってい た市民が残り、旗を振った。その後、市民たちはスチロール一個をコンテナに 上げて太極旗をたてた。大統領府をながめて立った大型横断幕は、コンテナに かけられている。 日が完全に明くなり、残っていた参加者は周辺のゴミを拾い、整理する姿が見 られる。コンテナの前に置かれたスチロールの演壇も市民が片づけている。警 察は「交通のためにコンテナを解体する予定ですのですぐ解散してください」 という放送をした。 ▲コンテナの上に旗が上がり、市民は「李明博退陣」で応えた。 コンテナ障壁を越えるべきか 一時間余りの討論、また一時間の演壇積載以後も非暴力の論争は続いた。光化 門一帯のキャンドル集会参加者のうち、コンテナ障壁の前に集まった5千人の市 民はスチロールを重ねた自由発言台から出る声に集中している。 市民たちは討論の末、コンテナ障壁の前にスチロールの演壇を積むことを決め た後も「コンテナを乗り超えろ」、「演壇をもっと安全に積もう」、「障壁の 前に演壇を積むこと自体が暴力だ」などの意見があふれ、しばらく論争があっ たが、深夜2時30分現在、ひとまずスチロール演壇を使った自由発言が続いてい る。 スチロールの演壇は、コンテナ二台の高さの障壁とほとんど同じ高さだ。演壇 作りに賛同した市民は「私たちの民主主義への熱望を演壇で表出する」とし、 一種の「共同パフォーマンス」に共感した。 ▲市民が討論の末にコンテナ障壁前に設置したスチロール演壇 ▲キャンドル集会参加者が自由発言と論争を真剣に聴いている。 自由発言をした26歳のある青年は「この演壇は、私たちの民主主義の象徴であ り、キャンドルの象徴で、コンテナは不正腐敗の温床の李明博の象徴だ」とし 「われわれは非暴力無抵抗にきたのでない。抵抗デモをすべきだ」と主張した。 この市民は「私たちがこのコンテナをどかすことが果たして暴力か」と問い、 「(コンテナを越えることは)李明博大統領と会おうとする私たちの熱意を示す もので、これ以上座っている「祭り」を拒否しなければならない」と意見を出 した。 「私は扇動しにきた」というもう一人の大学生は「もうこれ以上『投票』行為 で政界を評価せず、今すぐ大統領府に行って李明博を懲らしめろ」と話した。 この大学生は「盧武鉉政権の時も、ハ・ジュングンという労働者が警察に殴り 殺されたが、何も変わっていない」とし「コンテナを越えるかどうか」の投票 を「ダウム・アゴラ」に付すと提案した。 「平凡な会社員」と名乗る市民は「毛沢東が大長征で国民党を追い出したよう に、私たちも今から大長征を始めるべきだ」と話した。「われわれは今日で終 えるのではなく、最後まで行動し、李明博を引き下ろさなければならない」と 主張した。 自ら作った演壇で自発的に発言している市民の周辺には、5千人ほどの市民が集 まって耳を傾けている。特に「平和集会」、「非暴力」に対する意見と「祭り よりも抵抗を」という基調の発言と論争が続いている。 コンテナ障壁の前の直接民主主義を実践 安国洞と西大門方面にデモ行進を始めた行列は、所々で戦闘警察のバスとコン テナに阻止され、現在は光化門の世宗路交差点にまた戻っている状態だ。あま りにも多くの人波が集まり、大規模なため、デモ行進に出られずに世宗路交差 点に残っていた市民は、デモ行進から戻った人々と合流して自由発言をして歌 を歌うなど、集会を続けている。 深夜12時頃からは李舜臣将軍の銅像前のコンテナ障壁付近で時ならぬ激しい討 論が発生した。一部の市民がスチロールでコンテナの前に演壇を作り、自由発 言台にしようとしたため、予備軍服を着た市民が追い出されてスクラムを組ん で彼らを阻止した。 ▲世宗路交差点に警察が設置したコンテナ障壁の前で「非暴力阻止線」を打って接近を防いでいる予備軍服姿の市民 ▲市民はコンテナ障壁の前にスチロール演壇を作る問題をめぐり、座って一時間ほど討論を繰り広げた。 スチロールを積んで演壇を作ろうとしていた市民の間では「なぜ私たちの政治 的意思表現を防ぐのか」という抗議があった。これを見ていたもう一人の市民 は「暴力はだめだ」と激しい討論が展開された。演壇を積もうという側は「コ ンテナ障壁を乗り越えようとしているのではない」と抗弁したが、「無条件非 暴力」などのプラカードを持った人々はコンテナ障壁の前を「非暴力阻止線」 で守るべきだとして接近を防いだ。 市民たちはここで即席の大激論をした末、スチロール演壇を作ることに合意し、 12時50分頃から演壇を積み始めた。周辺のキャンドル集会の参加者が駆けつけ たため、市民300人ほどが自発的にスクラムを組んで演壇設置作業空間を確保し た。多くの市民による共同作業なので、速度は遅かったが市民は互いに創意的 なアイディアを出して作業を進めている。 午前1時30分現在、スチロール演壇はコンテナ一台の高さまで完成し、すぐに これを利用した市民の自由発言が始まるものと見られる。 コンテナ前の演壇めぐる市民討論紙上中継 スチロールをコンテナ前に移動して積もうとしていた市民と「非暴力阻止線」 を張れという市民のあいだには、深夜12時頃から一時間ほどの「討論」が行わ れた。 ▲コンテナ前のスチロール演壇設置をめぐり賛否が交錯したキャンドル参加者 およそ20代女性は「私も鉄パイプは恐い。前のような事態が起きないことを望 む。しかしそんなことが発生したのは、私たちの発言が封鎖されたため」と話 した。また「『非暴力』で私たちが話そうとすることを防ぐ人々のほうが暴力 的だと思う」とし「民主主義は固定されたものではない、出てきて正面対決し たくなければ、道路に座って話を続けなければならない」と憂慮した。この女 性は「どうにか私たちの想像力か一歩、さらに一歩踏み出さなければならない」 と主張した。 もうひとりの市民は「誰も市民の自発的な政治的意思表現を遮ってはいけない」 とし「非暴力を主張して人々の政治的意思表現を防ぐのは、もうひとつの暴力」 と加勢した。 「非暴力を叫ぶ市民」と名乗る40代女性は「大多数の国民が私たちに共感する 理由は、これまで私たちが非暴力を主張して実践してきたため」とし「一部の 少数が車の壁に上り、暴力状況になることは望まない」と訴えた。 これに対してもうひとりの自由発言者は「われわれはコンテナに上がって暴力 状況を作ろうとしているのではない」とし「予備軍たちが政治的な意思表現を 阻止していることに問題提起したい」と反論した。 ある10代の青少年は「放水をうけ、警察に殴られるという暴力にあったが、コ ンテナに上らなくてももっと積極的にわれわれの意思表現をして李明博大統領 に伝えたい」という希望を明らかにした。 ある男性発言者は「李明博退陣を本当に望むのか」と一座に問い、市民が口を そろえて共感すると「では明け方まで道路で酒を飲んで警察に追われ、家に帰 るのではなく、私たちの意志を表現しなければならない」と話した。また「ど うせ朝鮮、中央、東亜日報は私たちがどう行動しようが、私たちを暴徒と罵倒 して不法だというだろう」とし「李明博退陣に集まり、意思を表明する権利が あるのだから、最低限、非暴力阻止線はなくそう」と主張した。 「水原からきた」というもうひとりの市民は「軍服たちに言いたい」と予備軍 服を着てきた市民に注目した。この市民は「他人が表現しようとする行為を彼 らが防いでいること自体が暴力」、「李明博が私たちの言いたいことを防ぐこ と自体が暴力であるように、予備軍たちはそんな行動は止めてほしい」と話した。 「49歳のソウル市民」だという男性は「私たちは、祭りか、闘争かを論じる時 は過ぎた」と一蹴した。「初めからわれわれは暴徒だった、李明博が私たちを 平和市民だと思っているのなら、コンテナを積むような幼稚なことをするか」 と主張した。この市民は「彼らは組織的で、われわれは非組織的なのに、私た ちが闘争か祭りかとさまよっている時ではない」、「足は痛いが、すべての市 民がコンテナを一回ずつ蹴飛ばしさえすれば良い」と話した。 続いて出た30代の男性は「(コンテナを越えて大統領府に行こうとする)私たち の意向を表現すれば、翌日の朝鮮、中央、東亜日報は『キャンドルデモ隊が暴 徒に変わった』と書くだろう」とし「それを望む人は他でもなく李明博」と指 摘した。「皆さんがコンテナを押せば、しばらくは力を感じるだろうが、家で 見ている多くの市民は力を失うだろう」とし「熱い心を持っても、冷たい理性 を失うな」と付け加えた。 「アンチ朝鮮運動」をした40代の男性もこれに同意して「私たちが再び暴力を 行使すれば、沈黙している潜在的な支持者も背を向けるだろう。私たちの戦い がさらに困難になる」と話した。また「こんな実効性のない行動をして、朝鮮、 中央、東亜日報に口実を与えてはいけない」と強調した。 「大統領府のすぐ近くに住む」という市民は「初めての街頭デモに出てきた時、 とても充実していたが、土曜日の暴力デモが新聞にも出て、デモ隊の数も減っ た」、「朝鮮、中央、東亜日報に口実を与えるな」という意見に同意した。 これに対してある中年男性は「朝鮮、中央、東亜日報に口実を与えることより、 もっと問題なのは、ここに集まった市民が何もできずに無力感を持って帰るこ と」とし「構造的暴力はまさにこのコンテナであり、私たちの抵抗方式は民主 的な議論で正当に私たちの意志を表現することでなければならない」と話した。 「朝鮮、中央、東亜日報口実」という主張に対して「ウジが恐くてキムチが漬 けられないような主張だ」と話したこの市民は、「むしろ私たち自ら民主的な 合意でやり遂げられるということを示さなければならない、なぜ自らを信られ ないのか」と問い、「このコンテナの前で崩れ落ちる無力感を克服したい。私 は今日このスチロールを積んで、私たちの話をしたい」と熱弁を吐いた。 「スチロールを準備した」と告白したある市民は、狂牛病国民対策会議への不 満を話した。この市民は対策会議がキャンドル文化祭の末に「李明博はすでに 国民から審判された」と言ったことについて「李明博はそのままなのに、何が 審判で退陣なのか」とし、「今日、百万のキャンドルを作ろうと言っていたの に、なぜ勝手に戦いが終わったかのように宣言するのか」と糾弾した。これま での討論で「実効性」の話が出たことについては、「戦闘警察に頭を踏みつけ られて怪我をした女子学生が、初めて清渓川キャンドルデモを提案した高校生 が、実効性を考えていたか」と反問した。 ある20代の青年は「一週間ごとにキャンドルデモで夜を明かすのは大変で無力 感を感じる」とし「スチロールを一段一段積み上げ、朝鮮、中央、東亜日報が 罵倒しても、われわれ市民は大韓民国が本当に成熟したと話すだろう」と話した。 三十歳のもうひとりの市民は「無力感を感じると言うな」とし「初心を失わな ければ無力感は感じない」と反発した。 長い論争の末、市民はコンテナ障壁の前にスチロール演壇を積んで自由発言を することに合意した。非暴力阻止線と、これを自任した予備軍服姿の市民への 問題提起、国民対策会議の公式発言に対する多少の不満、非暴力でいいのかへ の意見など、敏感な討論主題が「広場」で市民の討論であふれ出た。 多くの市民が発言を希望し、時間は遅れたが、参加者たちの誰一人、意見提示 を防いだり追いだすことなく、他の意見にもおちついて開かれた態度を堅持し た。キャンドル集会に参加した世宗路交差点一帯の周辺市民も彼らの熱い討論 に真剣に耳を傾け、知人と再び意見を交わすなど、最初からすでに成熟した 「アテネ直接民主主義」の姿が光化門で再現されるような光景だった。 安国洞ロータリーにも警察コンテナの壁 ▲世宗路交差点と同じようにコンテナの壁でふさがれた安国洞交差点でプラカードを持った少女たち ▲安国洞交差点を防いだ戦闘警察バスに市民がスローガンと太極旗をさした。 ▲安国洞交差点でも自由発言が続いた。 キャンドル文化祭を終えて安国洞方向へとデモ行進を始めた市民たちは、午後 9時50分頃に安国洞交差点に到着したが、ここでも警察が設置した大型コンテナ にぶつかった。 警察は8車線道路全体に光化門交差点と同じように双方5台、高さ2段のコンテナ を積んだ。クレーンを動員した大型スピーカーも見える。コンテナの壁に遮ら れたデモ行進参加者たちは、ここでシュプレヒコールをあげながら後からくる 隊伍を待っている。 西大門方向に行進した隊伍は、社稷トンネル前に到着している。ここで賛同し た5万人の市民は、世宗路交差点から西大門を通り、独立門で右折、社稷トンネ ル側に方向を定めた。しかし社稷トンネルへの坂道は、警察が10数台の戦闘警 察バスで完全に遮断し、市民たちは「告示撤回交渉無効」のシュプレヒコール をあげて「憲法第1条」を歌いながら、座りこみをしている。 彼らは行進のあいまに風物遊びなどをしながらまるで祭りのような雰囲気を演 出した。世宗路交差点から出ると、地面にキャンドルを一列にならべて、キャ ンドルが200メートル程の長さにつながる光景も作られた。デモ行進参加者は、 西大門駅付近のチョンイル学院前を通ると「浪人生も参加しよう」というシュ プレヒコールをあげた。ちょうど予備校から出てきた学生がこれを聞いて行列 に参加した。路上の車両も「李明博は退け」のスローガンに合わせて警笛を鳴 らし、キャンドルデモ行進に支持を送った。 ▲キャンドル大行進参加者が朝鮮日報前を通り、建物玄関にピケを付けた。 ▲セムナン教会付近の戦闘警察バスにもプラカードがつけられた。「李明博をのせて行くバスです。破損はちょっと... 民主警察も参加します」 ▲行進した市民が道にキャンドルの列を作った。 一方、統合民主党のソン・ハッキュ代表とチョン・セギュン、ソン・ヨンギル 議員、党員約200人はこの日、民主党の旗を掲げて「あなたのための行進曲」を 歌いながら、デモ行進に参加する異色の風景を演出した。 現在、社稷トンネルで警察バスに遮られたデモ行進の参加者の一部はバスの前 で警察に抗議している。もうひとつの市民千人あまりは一時独立門交差点を占 拠して「李明博は退け、退け、退け〜」歌と一緒に「狂牛はお前が食え」とい うシュプレヒコールをあげた。これ以外の市民は鴻恩交差点方向に降りてきて、 デモ行進を続けた。 まだ社稷トンネル方面は、まだここに到着していない行列が後から続いている が、ほとんどの市民は戦闘警察のバスで塞がれた社稷トンネルを後にしてまた 光化門側に行進し始めた。 数十万のキャンドルの行列で、まだ光化門の世宗路交差点から出られない市民 たちは、相変らずキャンドル文化祭場所周辺でキャンドルを灯している。 「21年前のあの日のように、歴史は今日を記憶する」 キャンドル文化祭に参加した市民は光化門交差点を中心に三方向にのびている。 崇礼門付近商工会議所前、鍾閣駅方向、清渓広場、西大門方向すべてがキャン ドルの海だ。主催側はキャンドル文化祭参加者は40万を越えたと発表した。 ▲キャンドル文化祭舞台とキャンドル ▲キャンドルに包囲(?)された朝鮮日報 ▲キャンドル文化祭を終えてデモ行進をする市民 キャンドル文化祭の舞台には映画俳優のムン・ソリ氏も上がってきた。ムン・ ソリ氏は「狂牛だけでなく、狂った運河、狂った教育、狂った医療保険など、 あまりにも多くが私たちの前にある」とし「自ら正確に意志を表現する国民の 素敵な姿で今後も戦い続けよう」と話し、大きな歓声を受けた。 今日の午後5時から故李韓烈烈士21周期追慕祭を行い、遺影と柩デモ行進で光化 門に到着した行列も舞台に上がった。故李韓烈烈士のお母さんペ・ウンシム氏 は「韓烈が死ぬ時の最後の言葉は、他でもなく『明日また市庁に行かなければ ならない』という言葉でした」とし「私たちもこのキャンドルが燃え上がるよ うに、李明博政権を燃やしつくすまで、最後まで戦おう」と話した。 姜基甲民主労働党議員は政府が「自主規制」を理由に米国産牛肉輸入が安全だ と話したことを批判した。姜基甲議員は「自主規制や、そんな声で国民の要求 を欺瞞的に解決するとすれば、これこそが全国民の怒りを買うもの」とし 「いっそ猫に魚屋を任せろ」と声を高めた。 ▲キャンドル文化祭の途中に高校生が市庁広場で繰り広げたパフォーマンス キャンドル文化祭の最後のプログラムは、今年のキャンドル抗争の主役である 「キャンドル少女」と21年前の民主抗争の主役だった「ネクタイ部隊」の市民 が共に演壇に上がり、「李明博審判のための百万キャンドル大行進対国民要請 文」を発表した。「87年6月10日、まさにこの市庁広場にいた」というこの40代 の男性は「軍事独裁政権が大統領直選制を受け入れされるをえなかったその日 の勝負が、私の小さな自負心」とし「ここに集まった皆さんを歴史は記憶する」 と話した。 二人がかわるがわる朗読したこの要請文は「これまでの民主主義の歴史は、い かなる権力も国民の意思に逆らえないという真実を確認させた。今日、キャン ドルを持った国民は、またこれを証明している」、「軍事独裁をはね除けた87 年の民主抗争がそうだったように、今日、権力の傲慢と独善を破り、この国の すべての権力は国民にあるという憲法第1条が実現される民主主義の時代、国民 主権の時代に共に進みましょう」という内容だ。 要請文の朗読が終わった後、拍手と叫び声でキャンドル文化祭を終えた参加者 は、現在周辺を整理してデモ行進を準備している。参加者は安国洞と西大門な ど、各方面に分れてデモ行進を始める予定だ。 警察コンテナボックスあれこれ ▲コンテナを乗り越えるために空輸(?)されるスチロール ▲暴力デモを自ら監視する市民 キャンドル文化祭が進められていた午後8時30分頃、一群の市民が李舜臣将軍の 銅像の前に警察が設置したコンテナボックスの近くに接近し、壇を作り始めた。 固い材質の発泡スチロールを準備してきたこれらの市民は、これをきちんと積 んで階段のようにし、コンテナボックスを乗り越える準備をした。 しかしこれを目撃した他の市民十数人が近寄ってきて、これを引き止めたため、 「スチロール階段」は撤収された。これらの市民は「非暴力は私たちの力」、 「非暴力3歩後退」と書かれたプラカードを持ってコンテナボックスの近くに積 み上げたスチロールを片づけながら「暴力を使うな」と主張し、しばらく論争 になった。 スチロール階段を準備した側は「われわれは大統領府に行こうとする意志を示 すだけで、暴力を行使しようとしているのではない」と話したが、彼らを止め た側は「どうせ上がっても大統領府には行けないのだから、暴力性があると見 られる行動をする必要があるのか」と反論した。結局コンテナボックスw@ 乗l 越えようとしていた市民の計画(?)は失敗に終わった。 一方、警察はコンテナボックスの向い側で大型クレーンを動員した。クレーン には野外公演会場で使われそうな大型スピーカーが吊り下げられていたことか ら見て、警告放送をもっと効果的(?)にするための警察の窮余の策のようだ。警 察は、キャンドル集会の間にもこのスピーカーから試験放送をして、参加者の 揶揄を受けた。 鍾路警察署長はこのスピーカーから「ここはソウルの中心地で、多くの市民が 交通の不便を味わっている」、「秩序を考える市民なら早く解散することを望 む」と放送した。 キャンドル集会の現場にチョン・ウンチョン農食品副長官が登場 米国産牛肉全面輸入開放に反対する市民の叫びがソウル光化門一帯を覆ってい る。保守団体の集会が開かれているソウル市庁前広場を避け、光化門の世宗路 交差点に用意された舞台を中心に、一番後は南大門まで続いた。 東和免税店前の歩道にも、キャンドルを持った市民でぎっしり埋まり、道路に 入れない市民は清渓広場に座った。市庁側では、国家人権委員会前の道路と西 小門方面の路地でもキャンドルが灯され、午後8時現在、主催側推測で40万人の 人波が集まったと集計されている。 今日のキャンドル文化祭は、昨日の午前ついに亡くなった故イ・ビョンニョル 烈士への黙祷で始まった。狂牛病全北対策会議執行委員長は故イ・ビョンニョ ル烈士の焼身現場で収拾した遺品をイ・ビョンニョル烈士が普段集会に参加す る時に担いでいたカバンに入れて担いできた。 執行委員長は「全北でも道民1万人がキャンドル集会を開いている」と伝え、追 悼発言で「烈士が話したことは、もっと多く集まり、できるまで戦えというこ と」と述べた。また「イ・ビョンニョル烈士を死に推しやったのは、この国の 主人の言葉に暴力で応えた李明博大統領とハンナラ党、そして朝鮮、中央、東 亜日報だ」と糾弾した。 一方、キャンドル文化祭が行なわれている午後7時40分頃、チョン・ウンチョン 農林水産食品部長官が現場に現れて、騒動になった。キャンドル文化祭主催側 の狂牛病国民対策会議は、集会の冒頭に「チョン・ウンチョン長官がキャンド ル集会に参加して国民と対話したいという意を知らせてきた」とし「対策会議 は『あなたを長官と認めない』と断った」と伝えていた。 ▲チョン・ウンチョン長官を発見したキャンドル集会参加市民がいっせいに駆けつけて抗議、秘書官たちがチョン長官を護衛するために全力をつくしている。 農食品部の関係者は「チョン長官が今日デモの壇上に上り、市民と対話をする 予定」とマスコミに発表したとし、実際にチョン・ウンチョン長官が光化門の キャンドル集会現場に現れた。 キャンドル文化祭の進行途中にチョン・ウンチョン長官がイベント会場舞台付 近に接近するのを見た市民と記者数百人が押し寄せ、あっという間に大混乱に なった。チョン・ウンチョン長官は舞台近くの狂牛病国民対策会議関係者を訪 ねて舞台に上がる問題を話そうとしたようだが、チョン長官を発見した市民が 彼を取り囲んで抗議したため意(?)を成し遂げられなかった。 市民たちはチョン・ウンチョン長官に「売国奴!売国奴!」と叫んで「なぜここ に現れるのか、退け」と抗議した。駆けつけた市民に押されたチョン・ウンチョ ン長官は、ますます後に押し出されてすぐ西大門方向の路地に消えた。 百万キャンドル集会、光化門から南大門まで人だかり ▲曹渓寺からキャンドル集会現場まで三歩一拜をした仏教界の代表者 百万キャンドル文化祭の本舞台は、現在光化門世宗路交差点から清渓広場方向 に用意されている。午後7時現在、キャンドル文化祭の参加者らは清渓広場前の 道路はもちろん、一民美術館前と市庁前の徳寿宮大漢門までぎっしり埋めつく し、ますます増えている。 キャンドル文化祭の開始を待つ光化門の近くでは、民教協に所属する教授たち が再協議を要求してデモ行進を行った。天主教修道女と司祭団も「イエス様の 名で平和のキャンドルを加えます」という横断幕を上げた。仏教界の代表者た ちも、曹渓寺前からこのキャンドル文化祭の場所まで「牛肉輸入、公企業民営 化、韓半島大運河の中断を願う」として三歩一拜を繰り広げている。 ▲延世大学校正門を出る故李韓烈烈士の遺影 ▲李韓烈烈士の遺影と柩御輿はキャンドル文化祭場所に向かっている。 一方、今日午後5時から延世大学校で「故李韓烈烈士21周期追慕、BSE牛肉輸入 反対のための共同行動」のイベントを行った参加者は、午後6時30分頃追慕祭を 終えて延世大を出発した。 彼らは故李韓烈烈士の遺影と柩御輿を持ってキャンドル文化祭場所に向かって いる。午後7時現在、地下鉄2号線の新村駅を通り、梨花大入口駅をすぎて、ア ヒョン洞方向に進行中だ。彼らは「烈士精神を継承しよう」、「告示撤回交渉 無効」等のスローガンをかわるがわる叫んでいる。 警察、コンテナボックスに太極旗をかけて油を塗る ▲今日の昼、光化門の世宗路交差点のようす。現在は双方にコンテナが追加され、横5段縦2段、計10個のコンテナがある。 警察が設置した巨大なコンテナで遮られているソウルの光化門世宗路交差点に 市民が集まっている。 警察は李舜臣将軍の銅像前にコンテナボックス5つを2段に積み、あとの空間は 戦闘警察バスでふさいだ。コンテナの両側は大型の太極旗二枚がかけられた。 コンテナの裏はワイヤーにつながれ、アスファルトにしっかり固定されており、 ボックスとボックスは溶接工が鉄板を当てて溶接をしている。 特に警察はコンテナと戦闘警察バスにグリスを塗った。グリスは一番タイプの 工業用潤滑剤で、キャンドル集会参加者がコンテナによじ登るのを防ぐための 措置と推定される。 ▲コンテナはワイヤーでアスファルトの地面にしっかり固定されている。 ▲コンテナのスキ間は鉄板溶接でしっかり固定された。 ▲グリスが塗られたコンテナボックスに市民が横断幕を付けた。 キャンドル集会に参加するために光化門一帯に集まった市民は、この光景を見 て野次を飛ばしている。市民たちはグリスが塗られたコンテナにプラカードや 横断幕をかけている。「慶祝、08年ソウルのランドマーク明博山城」と書かれ た横断幕も眼につく。 現在、世宗路交差点では公共運輸労働者総決起大会が開かれており、清渓広場 方向の道路にはキャンドル文化祭の本舞台が準備されている。 翻訳/文責:安田(ゆ)
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