「不法滞留労働者に対する無差別な取り締まりを中断しろ」
釜慶共同対策委員会、釜山出入国管理事務所前で集会、抗議書簡を伝達
チョンヨヌ(adsjyw)記者
▲釜慶共同対策委員会が釜山出入国管理事務所前で集会を開いた(C)2004チョンヨヌ
「実效性のない強制取り締まり、強制追放政策を即刻中断しろ!」
「未登録労働者問題の解決ない新規移住労働者の導入は全面的に再検討しろ!」
「強制追放反対及び未登録移住労働者全面合法化のための
釜山慶尚南道共同対策委員会(以下釜慶共同対策委員会)」に所属する20人の会員が
「政府の未登録外国人労働者(不法滞留外国人)に対する無分別な取り締まりの中断」
を要求する集会を開いた。
また釜慶共同対策委員会は、集会が終わった後、
出入国管理事務所に抗議書簡を渡した。
7月29日午後3時、釜山中区中央洞の釜山出入国管理事務所での集会で、
釜慶共同対策委員会は「7月15日、不法滞留外国人に対する
汎政府次元での強力な対処を計画するという
法務部長官と労働部長官の共同談話文は、
根本的な対処方案でないばかりか、
あらゆる未登録労働者を暫定的な法律違反者と見做す等、
移住労働者に対する偏見と人権侵害を助長している」と
無差別的な取り締まりの中断を要求した。
釜慶共同対策委員会は
「国民の申告を督励する等、国民の基本的権利を侵害する愚を冒しており、
深刻な問題だと指摘せざるをえない」と述べた。
▲キムソンハム伝導師が政府の未登録労働者政策の問題点に対して発言している(C)2004チョンヨヌ
集会での発言でキムミンジョン事務処長(釜山外国人人権のための会合)は、
「先週からの出入国管理事務所職員による未登録労働者の取り締まりは、
身分を明らかにしないまま無差別に取り締まりが行われており、
ミランダ原則も告知しないケースもあった」とし、
「はなはだしくは外国人を雇用する事業体に対しても令状なく侵入して取り締まる等、
不法な取り締まりが行われている」と伝えた。
金氏は「お祈りのために訪れたイスラム寺院や教会の周辺でまで
取り締まりが行われており、宗教の自由に対する深刻な侵害が行われている」とし、
「実際にイスラム寺院を訪れた某大学のエジプト出身教授も取り締まりによる
不審検問にあうということが発生した」と主張した。
キムソンハム伝導師(金海ハンウリ宣教会)も
「昨年9月に実施された未登録労働者に対する選別合法化措置
(韓国在住4年未満の未登録労働者に対する一時的な合法化措置)
から排除された未登録労働者に対して、自主出国をすれば再入国規制をせずに
政府が再就職を保障するということだったが、
これに相応する具体的で信頼できる手続きがなく、
未登録労働者の信頼を失う結果だけを招いた」と主張した。
▲チョングィスン代表(中)を含む釜慶共同対策委員会が釜山出入国管理事務所調査課長に抗議書簡を伝えて面談をしている(C)2004チョンヨヌ
続いて釜慶共同対策委員会のチョングィスン氏
(釜山外国人人権のための会合代表)は、声明書の朗読のなかで
「根本的な問題解決がない移住労働者と零細業者の首締め式取り締まりは
中断されるべき」とし、
「送出不正による不法滞留者を量産する産業研修生制度は廃止されるべきだ」と話した。
チョン氏は声明で「政府の共同談話文の内容は、
あらゆる未登録労働者を暫定的な法律違反者と見做し、
国内労働者の雇用を蚕食する不健全な勢力と表現している」とし、
「これは政府自ら人権侵害と差別を恣行する行為」だと伝えた。
一方、集会が終わり釜慶共同対策委員会は、
「未登録移住労働者強制取り締まりに対する抗議書簡」を
釜山出入国事務所に伝える場で、
出入国管理事務所残せ調査課長に強制取り締まりの中断と取り締まり過程で発生する
各種の移住労働者の人権侵害を中断することを要求した。
以下は釜慶共同対策委員会が釜山出入国管理事務所に伝えた抗議書簡全文。
釜山出入国管理事務所は不法な未登録移住労働者強制取り締まりを即刻中断しろ!去る15日、法務部と労働部は共同談話文を発表して
未登録滞留者を大々的に取り締まることを闡明し、
今、それを実行に移している。今回の取り締まりは、
現在16万6千人にまた増加した未登録移住労働者の数字が、
年末には20万人に達するという憂慮と危機感に端を発する。
未登録移住労働者に対する全国的な取り締まり追放政策において、
釜山も例外ではない。
先週から釜山出入国管理事務所を筆頭に始まった
釜山と慶尚南道地域の未登録滞留者に対する取り締まりは、
不法、かつ無差別に強行されている。これによる問題点は以下の通り。
まず、出入国公務員が自分たちの身分も明らかにせず取り締まりを行っており、
ミランダ原則は全く無視され、作業場の取り締まりでも令状無く無断で侵入して
取り締まりを行う等、不法な取り締まりが行なわれている。
次に、金海等で実施された釜山出入国の取り締まり過程で、
バスからおりるアジア系出身のあらゆる外国人に対して
全員不審検問したものと把握された。
現在、出入国の取り締まりは合法の身分も未登録も関係なく無作為に行なわれていて、
その対象は皮膚の色が違うアジア出身の移住者であり、
これはあらゆる移住労働者をすべて不法を行った人、
監視と取り締まりの対象と見なす、明白な人権侵害であり、皮膚の色による差別だ。
三つ目に、無差別にうさぎ狩り式の取り締まりをする過程は
事故の危険を内在しており、移住労働者の大型惨事までも招きかねない。
また、強制取り締まりは未登録労働者を死地に追い込んで、
結局自暴自棄の心情で自殺に至りかねない。
これは社会的他殺であり、出入国管理事務所はこれをあおっている。
四つ目に、祈祷のために訪れるイスラム寺院と教会の周辺でまで取り締まりを実施し、
移住労働者の宗教の自由を深刻に侵害している。
実際に釜山大のエジプト出身の教授は、斗室のイスラム寺院でお祈りをして
出てきたところ、釜山出入国職員の取り締まりにかかり不審検問にあった。
移住者の宗教活動まで制約するものであり、あらゆるアジア系外国人を対象として
無分別に強圧的な取り締まりを実施することに対して、深刻に問題提起した。
五つ目に、大々的な取り締まりで保護所内には拘束された移住労働者が
狭い空間に過剰に収容されており、不法な長期拘禁が行われている。
また、取り締まりにより、未登録労働者が作業場内で問題があっても
黙って耐えなければならない実情であり、一層深刻なことは
苦しくても病院利用を出来ずにいるということだ。
これは未登録労働者の基本的な生存権と人権を抹殺するものだ。
六番目に、大々的な強制取り締まりと(人権侵害・差別助長)キャンペーンを
実施する過程で、未登録移住労働者を潜在的な犯罪者と描写し、
韓国人の雇用を蚕食する集団と言い募っている。
一層深刻なことは、市民にとって「不法滞留者」を索出・申告させ、
外国労働者政策失敗の責任までを一般市民になすりつけると同時に、
移住労働者に対する偏見と差別を助長・強化している。
未登録滞留者の増加は、制度的矛盾と非合理的なシステムによるものであり、
取り締まりと追放政策に実效性が無いことは周知の事実だ。
研修生制度の存続、事業場内の人権侵害と労働弾圧、事業場移動の制限と、
不良で無誠意な法的システムが移住労働者の合法的な地位を奪っており、
移住労働者が決して不法を好んでそのようになったわけではない。
むしろ不法を助長しているのは法務部とその傘下機関である出入国管理事務所だ。
不法な方法で未登録滞留者をつかまえることが、
どれほど自家撞着的で卑劣なことなのかを理解し、深く反省しなければならない。
したがって、本共同対策委員会は、
釜山出入国管理事務所が今からでも未登録滞留者に対する強制取り締まりと
追放を即刻中断することを厳重に要求し、
また未登録滞留者を削減するための合理的な方案を用意することを次の通り要求する。
釜山出入国管理事務所は、
- 無差別的で暴力的な強制取り締まり・強制追放を即刻中断しろ。
- 取り締まりを名分にした工場と家宅への無断侵入を即刻中断しろ。
- 移住労働者に対する人権侵害及び不法拘禁を中断しろ。
- 移住労働者の宗教の自由を保障しろ。
- 市民を監視人にする未登録滞留者申告制を即刻撤回しろ。
2004年7月29日
強制追放反対、及び未登録移住労働者全面合法化のための釜山慶尚南道共同対策委員会
民主労総釜山地域本部、民主労働党釜山市支部、韓国労総釜山地域本部、
釜山慶尚南道民主社会のための弁護士の集い、労働者のための連帯、
民主主義民族統一釜山連合、釜山民主抗争記念事業会、釜山人権センター、
釜山参加自治市民連帯、釜山環境運動連合、失職者総合支援釜山センター、
小さな彼らを考える人々、民衆医療連合釜山慶尚南道支部、
健康社会のための歯科医師会釜山慶尚南道支部、釜山経済正義実践市民連合、
キリスト教労働相談所、釜山キリスト教倫理実践運動、
釜山慶尚南道地域外国人勤労者宣教協議会、釜山民藝総、釜山性暴力相談所、
釜山女性の電話、量産外国人労働者の家、嶺南労働運動研究所、
清浄和合市民連帯、カトリック正義具現全国司祭団釜山教区、
釜山正義平和委員会、釜山経済育て方市民連帯、釜山仏教人権委員会、
釜山KNCC、統一時代若い友、釜山外国人労働者人権のための会、金海YMCA外国人シェルター
2004/07/29午後8:27(C)2004OhmyNews
原文
翻訳/文責:安田(ゆ)
Created byStaff.
Created on 2004-08-01 02:32:01 / Last modified on 2005-09-05 05:17:45 Copyright:
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