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韓国:クォン・スンボク、「突破点を提示しなければならなかった」
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クォン・スンボク、「突破点を提示しなければならなかった」

[インタビュー]クォン・スンボク公務員労組委員長はなぜ特別宣言を明らかにしたか

イ・コンマム記者 iliberty@jinbo.net / 2007年03月23日21時04分

政府の弾圧、内紛持続... 「突破点が必要」

クォン・スンボク全国公務員労組委員長は「この一か月間、とても苦しかった」 と心境を述べた。

クォン・スンボク委員長はこの2月、定期代議員大会が公務員労組特別法拒否、 受け入れをめぐって論争を繰り広げて流会した後、1ヶ月の内部論争を整理す るために、するどく対抗する双方と会う努力をしたが、結局現実的な選択をし た。クォン・スンボク委員長は「反対する人もこの程度なら連帯できると言っ た」とし、「組織が特別法拒否、受け入れをめぐって埋没し、何も出来ずにい ることが最大の問題だった。委員長が主導して、突破点を提示しなければなら なかった」と話した。

実際、2月の代議員大会以後、全国公務員労組支部の脱退の動きが見られたし、 行政自治部の事務室閉鎖の2次指針と公務員退出制など、政府の弾圧が露骨に なっているが、全国公務員労組は組合員の力を集めて対応できなくなっていた。

条件付き受け入れ?「条件が重要だ」

チャムセサン資料写真

特別宣言で明らかにした内容を「条件付き受け入れ」としてもいいかという記 者の質問に、クォン・スンボク委員長は「政府に画期的な案を提示した」とし 「われわれはたった一度も政府と向かい合って座り、対話したことがない。公 務員労組がこれだけ努力しているのだから、政府が直接対話に出ろということ だ」と説明し、「条件付き受け入れと言うと、受け入れが注目されるが、私が 重要だと思うのは『条件』だ」とし「スト権争奪まで長期的課題に回したので、 現法案の悪素条項への前向きな議論と解雇者問題を解決しろということだ」と 話した。

だがクォン・スンボク委員長の提案は、これまでの全国公務員労組が原則とし て持っていた「一般法に基づく労働三権争奪」から後退したという批判を避け ることはできないだろう。これに対してクォン・スンボク委員長は「私たちが 要求しているのは、最小限公社水準の労働基本権だったが、組織の現実を考え るとこれで消耗的な論争が続き、組織の展望も明確にならない」とし「全教組 の事例もあり、公共部門労働組合の労働三権も、職権仲裁、必須共益事業場へ の代替人材投入などで破壊されている状況で、あまり理想を高く持つと現場の 組合員から遠くなるばかりという状況」と、現実的な判断をせざるを得なかっ た理由を説明した。

結局、盧武鉉政府の強力な労働者弾圧が基層組合員の世論を揺さぶり、それで クォン・スンボク委員長は組合員と共に行くために現実的な判断をしたのだ。

クォン・スンボク、「消耗的な論争を払拭させなければならなかった」

全国公務員労組内部の特別法受け入れ側の圧力も作用した。クォン・スンボク 委員長は2月、定期代議員大会の流会後、意見調整の時まで代議員大会留保の 立場で厳格な態度を維持し、特別法を受け入れた支部を懲戒することもした。 これに対して特別法受け入れ側は、連署声明を出すなどでクォン・スンボク 委員長の立場を強く批判することもした。

これに対してクォン・スンボク委員長は「遠回しに表現すれば、作用しなかっ たというわけではない」とし「組織の半分程度が特別法受け入れに悩んでいて、 悩むことなく無条件に特別法を受け入れようという支部もあった。こうした状 況で消耗的な論争を払拭しなければ、もっと混乱すると判断した」と話した。

クォン・スンボク委員長の決断は、組織に追随する現実的な決定といえる。こ れについてクォン・スンボク委員長は「任期を短縮しても内部の結束を固める」 という立場だ。クォン・スンボク委員長は「大統領選挙の時期に公務員労組の 要求を社会化させるために、11月選挙を行うということ」とし「あるいは今回 の宣言が次の選挙出馬を念頭に置いているのではないかという誤解を払拭する ために不出馬を宣言した」と伝えた。

今ボールは政府にある。全国公務員労組の前向きな提案に、弾圧で一貫してき た政府の立場が、今回のクォン・スンボク委員長の前向きな提案でどう変わる かに関心が集まるだろう。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンス:営利利用不可・改変許容仮訳)に従います。


Created byStaff. Created on 2007-05-29 04:35:46 / Last modified on 2007-05-29 04:35:47 Copyright: Default

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