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韓国:ソウル市退出対象公務員死亡衝撃
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ソウル市退出対象公務員死亡衝撃

「結局は人を死なせた」公務員労働者たちの怒り

イ・コンマム記者 iliberty@jinbo.net / 2008年08月26日14時47分

4月に退出対象に指定され、再教育を受けていた公務員労働者が8月22日に突然 死亡し、衝撃を抱かせている。

ソウル市上水道南部水道事業所で働いていたアン某氏(49才)が死亡した。アン 某氏は4月にソウル市の公務員退出制の一環である『現場是正支援団』に選ばれ、 4か月間再教育を受けていた。腎臓ガンの病歴を持つアン某氏は、8月18日から 「体調が悪い」として年休を出して休んでいたが、22日午前、突然自宅で亡く なったという。

全国公務員労働組合(公務員労組)ソウル市庁支部によれば、アン某氏は再教育 の過程で電算教育評価の結果が悪く気にしていたという。またアン某氏は幼い 二人の子供があり、切実に復帰を望んでいた。そのため同僚たちは「現場是正 支援団の教育によるストレスで死んだのだろう。結局は人を死なせてしまった」 と鬱憤を晴らしたという。

特にアン某氏は腎臓ガンの病歴があるが、今年の再教育プログラムで導入され た『護国現場体験全国縦断徒歩巡礼』にも参加したという。これについてソウ ル市庁支部は「8月13日、現場是正支援団団長との面談で、国土巡礼では若い大 学生も暑さで突然命を落す事故の情報があることを喚起し、不祥事が発生しな いように細心な配慮を要請した」とし「しかし過重なストレスと体力の限界を 試す国土巡礼、そして復帰しなければならないという過度な競争で、休息が必 要なのに年休もきちんととれない状態で、アン某氏はこの世を去った」と説明 した。

公務員労組も「故人はすでに腎臓ガンで手術を受けた経歴があったのに、国土 徒歩巡礼などの克己訓練に参加させたことに驚かざるをえない」と怒った。ソ ウル市は4月に『現場是正支援団』で88人の公務員労働者が指定されたとし、教 育内容として産業体勤労体験、農村助け合いなどを提示、「『護国現場体験全 国縦断徒歩巡礼』で、態度の変化と克己力を同時に体得するプログラムを新し く導入する」と自慢げに明らかにしたことがある。

▲チャムセサン資料写真

そのため公務員労組はソウル市の呉世勲(オ・セフン)市長に、△遺族への謝罪、 △故人の名誉回復と、遺族への精神的、経済的支援措置を要求し、「故人が語る 現場是正支援団の弊害を直視し、即刻現場是正支援団の解体としもに教育生全 員を原状復帰させなければならない」と発表した。

一方、現場是正支援団は導入時から公務員労働者の強い反対を呼んでいた。今 年4月に発表されたソウル市の現場是正支援団は、昨年4月に続き2回目で、1次 現場是正支援団では44人の公務員労働者が退出した。そのため公務員労働者は 「首都ソウルで古代ローマ時代の奴隷制度が復活した」とし「コネ作り、顔色 伺い、上司の命令に服従の権威主義秩序の強化などで、能動的に働く雰囲気に 逆行する結果だけが残った」と反発していた。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳)に従います。


Created byStaff. Created on 2008-08-28 22:23:04 / Last modified on 2008-08-28 22:23:04 Copyright: Default

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