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韓国:農村振興庁、中央部署で初の退出制を施行
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農村振興庁、中央部署で初の退出制を施行

公務員労組農村振興庁支部、「罪のない下位職だけが犠牲」と反発

イ・コンマム記者 iliberty@jinbo.net / 2008年04月29日16時53分

農村振興庁、廃止対象に上がり下位職『退出』を選択?

公共機関の人員削減構造調整が続く中、農村振興庁が中央部署で初めて退出制 を始める。

農村振興庁は昨日(4月28日)、全職員の5%にあたる107人を退出候補者に選び、 5月6日から6か月間『農業現場技術支援団』を運営すると発表した。農業現場技 術支援団に所属する107人の一部が農村体験と奉仕活動で評価され、最終的に退 出する予定だ。これはソウル市が進めている『現場是正支援団』、都市鉄道公 社が進めている『創意業務支援センター』、『サービス支援団』と同じだ。

農村振興庁は今回の退出制について「組織のぜい肉を落し、健全な競争の雰囲 気をつくり、仕事ができる組織として生まれかわるため、全職員評価を実施し、 評価の結果によって果敢な人的刷新を断行する」と広報した。農村振興庁は、 行政安全部の管理指針の前に独自に退出制を準備してきたという。これは1月、 大統領職引継ぎ委員会が農村振興庁の廃止、および研究機関の民営化計画を出 すなどの圧力を加え、刷新の一環として自ら『退出制』を選択したと見られる。

しかし農村振興庁で働く公務員労働者たちは、「罪のない下位職だけを犠牲に するもの」と反発している。全国公務員労働組合農村振興庁支部は「庁の首脳 部は、『骨を削る革新』という美名の下で、反倫理的で非客観的な職員評価を 強行した」とし「結局、罪のない職員に無能力者の汚名をかぶせ、『退出制』 に利用するなど、職員を欺瞞している」と批判した。

農村振興庁支部、「農村振興庁の廃止が議論されると職員を罪人扱い」

農村振興庁支部は、農村振興庁が行った『全職員評価』そのものの問題提起を している。農村振興庁支部によれば、4月8日に発表された『職員評価計画』は、 これまでの寄与や力量とは無関係に同僚が退出する同僚を決める形で進められ た。同僚に選ばれなかった下位20%から退出候補が決定された。これに対して農 村振興庁支部は「庁は農村振興庁の廃止が議論されたことで、職員を罪人扱い し、反倫理的な同僚失脚評価を押し切った」と指摘した。

また農村振興庁支部は今回の退出が「下位職失脚」だと指摘している。実際、 退出候補に指定された5級以上の44人は、ほとんどが定年を控えているが、6級 以下の63人は40才以下が31人に達する。これについて農村振興庁支部は「退出 制により若く働き盛りの職員が人権を蹂躙され、無惨に犠牲になっている」と 批判した。

農村振興庁支部は「3月8日にイ・スファ庁長が赴任して以来、労組は粘り強く 農村振興庁の真の改革を要求してきた」とし「数十年間積み重ねた古い制度と 慣行を打破し、研究指導事業に専念できる人事システム改善、職務経歴者の前 官礼遇廃止および高位行政職をはじめとする幹部の官僚化とただ乗りを防止す る組織システムの改善こそ真の改革」と明らかにした。

公務員労組、「退出ショーを直ちにやめろ」

一方、全国公務員労働組合も「農村振興庁は『退出ショー』を直ちに中断しろ」 と声明を出した。

全国公務員労働組合は、「OECD先進国のほとんどが、100%を越える食糧支給率 を維持しているのと違い、韓国はやっと27%という状況で、国家研究機関を拡大 しないまでも退出制を導入して機能を縮小することは食糧主権を放棄する行為」 とし「農村振興庁は時代錯誤的な退出制を即刻中断しろ」と要求した。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳)に従います。


Created byStaff. Created on 2008-05-05 18:58:13 / Last modified on 2008-05-05 18:58:14 Copyright: Default

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