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新自由主義の強力な推進力になった世界経済フォーラム
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新自由主義の強力な推進力になった世界経済フォーラム(WEF)

イジョンム記者

13〜14日、ソウル新羅ホテルでは金大中前大統領、 ユンジョンヨン三星電子副会長、 マービン・デビッド、スタンダード・チャータード銀行最高経営者(CEO)等、 150人あまりの国内外の指導者の参加で「戦略的洞察のためのアジア円卓会議」 が開かれる。

世界経済フォーラム(WEF)アジア会議

これまで世界経済フォーラム(WEF)東アジア首脳会議という名前で 東南アジア等で開かれてきたこの会議は、今回から 「アジア円卓会議(Asia Strategic Insight Roundtable)」という名前で開かれる。 世界経済フォーラムアジア担当のリー・ハウェル局長は、 今回の会議について「基調発表と討論が行われる一般的会議形式でなく、 アジアに関する重要な事案をあらゆる参加者が同等な立場で真剣に討論する計画」だと話した。

これまでスイスの山岳都市であるダボスでフォーラムを開いてきたという理由で 「ダボスフォーラム」と呼ばれる世界経済フォーラムは、 民間の財団が主催する会議だが、 各国から総理、長官、大企業の最高経営者など有力な人々が大挙参加する。

ダボスフォーラムは、毎年2000人近い参加者が約1週間にわたって 政治・経済、及び文化に達する幅広い分野にわたり討論を行う。 主要人物の重大発言が出たり、極秘の首脳会談が開かれるなど、 国際的影響力を持つ「サロン」の役割をするわけだ。

「国家競争力」という単語を世界に広めたのも、まさに世界経済フォーラムだ。 世界経済フォーラムは、毎年競争力報告書を発刊して国家別競争力順位を発表する。 この順位は、新自由主義的経済理念の実現の程度によって決められる。 韓国政府の場合、世界経済フォーラムで選定した競争力順位が発表されると、 これを大々的に広報して新自由主義的経済改革の根拠とする。

アジア円卓会議は、盧武鉉大統領が主宰するレセプションと、 歌手ボアの祝賀公演で幕を上げた後、 アジアの次世代リーダ名簿の発表、朝鮮半島平和メッセージ、 東北アジアフォーラム、アジア戦略フォーラムなどの順序で進められ、 アジアの投資環境造成と朝鮮半島緊張緩和などが主な議題として扱われる予定だ。

世界化と一緒に行く反世界化大衆運動

世界経済フォーラムは、これまで世界の「米国化」と新自由主義経済理念を拡散する 主な場になってきた。 ブッシュ行政府発足以後、日常化した戦争もこのフォーラムでは批判の対象にならない。

このような性格によって、 世界経済フォーラムの行事が開かれる所は 国際的な反世界化デモ隊が集まる場所にもなる。 今年のはじめにフォーラムが開かれたスイスのダボスでも、 デモ隊とこれを防ごうとする警察との間でし烈な攻防があった。 当時、スイス当局はフォーラムが開かれるダボス上空を飛行禁止区域と宣言し、 行事場所周辺のデモを源泉封鎖した。

今回のアジア円卓会議を控え、韓国の主な民衆団体と外国の反世界化活動家は、 共にデモを行う予定だ。デモを準備している 「世界経済フォーラム東アジア首脳会議に反対する共同行動組織委員会(以下組織委)」は 12日の反対共同行動前夜祭を始め、4日間の反対行動に突入する。

13日には、民主労総、全貧連などが事前大会を開き、 午後3時からソウル市内で行事を行う新羅ホテル方向に街頭行進をする予定だ。 14日、15日の二日間、海外からの参加者百人あまり含む計300人余りが参加する 「アジア民衆-社会運動会議」が開かれる。 この会議では「新自由主義と戦争に対抗するアジア社会運動の課題」という テーマの下で、 ▲食糧主権、▲貧困、ホームレス問題▲戦争と女性▲非正規職労働者と労働権など、 各部門に対する討論が進められる。

しかし、反世界化運動が明確な代案を共有しているわけではない。 反世界化デモ隊は「反戦」、「反世界化」という価値には同感するものの、 その中の理念的スペクトラムは民族主義から生態主義、無政府主義、社会主義に 至るまで、非常に幅が広い。

「反帝国主義経済主権回復」または「対抗的世界化」

反世界化デモの指向は大きく2種類に分けてみることができる。

ひとつは伝統的な反帝国主義-民族自主の立場だ。

この立場の世界化は「米国式一体化」であり、 帝国主義的経済侵略の手段として新自由主義が利用される。 このような説明は、IMFなど国際機構を通して各国の経済政策を操縦し、 政府財政から労働法改正に至る総合的攻勢を見れば、説得力がある。

しかし、過去の植民地が「独立」を主な課題とした反面、 現在の反世界化運動が独立を目標にすることは難しい、ということが問題だ。 国際的投機資本の経済侵略には憤怒するものの、 世界から孤立して生存できるのかという疑問が生じざるをえない。

もう一つの立場は「対抗的世界化」を追求する。 対抗的世界化とは、既に世界化してしまった資本に対抗し、 国際的連帯を通して対抗力を育てようと主張する。 トービン税と共に、資本の国際的移動に対して関税をかける流れと、 国際機構の民主化を通して新しい秩序を作りだそうという努力がそれだ。

しかしこの立場もやはり実現可能なのかという質問に当面する。 既に各国政府の力を跳び越えて「フォーラム」、「会議」のように 緩い形態で自分たちだけの合意体系を構築した超国籍資本に比べ、 これを統制する政治的な力は国連の古い枠組から抜け出すことができないからだ。 例えば、ブッシュ大統領の再選の可否は、各国の民衆の暮らしに 大きな影響をおよぼすが、 彼らは米国大統領選挙で票を行使することはできない。

結局、反世界化運動の指向はまだ決まっていないものと見られる。 ただし、世界化が各国民衆の暮らしに致命的影響をおよぼすだけに、 これに対してとにかく「戦おう」という主張は充分な正当性を持つ。 ソウルで開かれる世界経済フォーラムアジア円卓会議でも、 上流層の高尚な笑いと真摯な討論、そして他方での熾烈な闘争は、 良い対照になるだろう。

2004年06月08日(C)民衆の声

"原文":http://www.voiceofpeople.org/new/news_view.html?serial=10701&category=type10

翻訳/文責:安田(ゆ)


Created byStaff. Created on 2004-06-08 16:33:47 / Last modified on 2005-09-05 05:18:18 Copyright: Default

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