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米国の学生が団体行動で学資金負債廃止を始動
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米国の学生が団体行動で学資金負債廃止を始動

1300人が廃止、申請者は7500人に増加...学資金負債、米国大統領選挙の問題に浮上

チョン・ウニ記者 2016.01.25 17:44

[編集者の言葉]米国で火がついた大学学資金負債廃止運動が尋常でない。 米国教育部は昨年1300人の学資金負債を帳消しにし、自分の学資金負債を廃止してくれと申請した人の数も7500人に増えた。 今は閉鎖されているコリンシアン・カレッジの登録生15人が始めた学資金負債廃止運動の余波だ。 オキュパイウォールストリート運動の反響の中で広がったこの学資金負債廃止運動に火がついた過程を調べよう。

[出処:socialistalternative.org]

「私たちの未来を盗んで行った教育部、債権者、サービス機関と保証機関に嫌気がさします。 学生の負債をなくさなければなりません。」 - 2015年コリンシアン15』の学資金負債拒否宣言より

コリンシアン・カレッジ(Corinthian College)の学資金負債廃止運動を始めた15人のうちの1人、ナダン・ホンス。 彼は二十五回目の誕生日にもファーストフード店で働いているとは思わなかった。 歌手を夢見ていたナダンは高校を卒業した後、ミズーリからLAに引っ越してきた。 だが大学に入学した後の彼の人生は、むしろ夢から遠ざかって行った。 学資金の融資が禍根だった。 卒業した後、就職支援を受けられるという大学側の約束を信じて学資金の融資を受けたが、雇用を見つけるのは難しく、利子だけが膨らんでいった。 結局、その奈落の果てにナダンが選択したのが学資金負債廃止運動だ。 ナダンは他の学生と共に、いっせいに学資金負債の償還拒否を宣言し、廃止運動を行った。 そして結局、彼らは自分の学資金の負債の減免を受け、この運動の火種は米国全域に広がっている。

事件の発端になったコリンシアン・カレッジは米国の代表的な営利大学で、 本来は米国で最大の教育機関の一つであった。 最高だった時は米国とカナダで100箇所ほどでキャンパスを運営していたが、昨年5月にすべてを閉鎖した。 連邦教育部がこのカレッジに対し、誤った就職率で学生を誤って導いたとして支援を中断し、 3000万ドルの罰金を賦課したため、この大学は自主的に学校を閉鎖した。 これによりハワイ、オレゴン、アリゾナ、ニューヨーク州などにある約1万6000人の学生がこの学校から離れることになった。 最初にコリンシアン・カレッジが問題になったのは、2008年にこの機関に所属するプリメン・カレッジの保健職業教育プログラムの卒業生らが、 入学を誘導するために大学当局は就職率を糊塗していると集団訴訟を出してからだった。 その後、米国カリフォルニア州と連邦教育部は、この大学が就職率を水増しし、 学生を騙して略奪的な学資金融資事業を運営したという理由で財政監査とキャンパス売却の手続きを進めてきた。

コリンシアン・カレッジは入学生が連邦融資だけでなく、民間の融資まで受けなければ払えない登録金を策定し、二重の借金をさせた。 そして入学率を上げるために卒業生の100%が就職したという虚偽の広告を出した。 卒業生の初任給は他の学校より高いという広告も同じだった。 だが、当局が調査した結果、この学校の学位関連分野の就職率は0%だった。 コリンシアンはまた融資の割合を上げるために脆弱な低所得層の求職者と父母を集中的に攻略した。 コリンシアンの内部報告書によれば、大学側は彼らを「ほとんど面倒を見る人がおらず」、 「自負心が低い」、「孤立して焦っている」、 そして「金融概念の理解が非常に不足している」個人だと分類して扱った。 このように、コリンシアンに入学した学生の60%以上が3年以内に破産し、 卒業しても就職どころか途方もない負債を抱えて学校を辞めなければならなかった。

だが、こうした悪性の負債を米国政府もただ見てばかりはいなかった。 2015年2月3日、米国消費者金融保護局が交渉を行い、 コリンシアン・カレッジの登録生に対して彼らが負っている民間金融負債の40%に当たる約4億8000万ドルの負債帳消し案を発表し、 学生債務者は多少息がつけたかに見えた。 しかしまさに、もっと大規模の連邦政府学資金の負債は相変らず学生たちの首をしっかり締めていた。

学資金負債拒否宣言者、15人から100人、そして1300人に

コリンシアン・カレッジに通っていた15人は、ここで止めなかった。 彼らは「借金ストライキ(Debt Strike)」を宣言し、連邦学資金の負債も帳消しにすることを要求し、 この数は100人に、そしてまた1300人に増えた。 彼らは連邦政府に書簡を送り、また、多様な形態のキャンペーンを繰り広げた。

結局、昨年6月に米国連邦教育部はコリンシアン・カレッジ登録生の債務者に対し、 連邦直接融資プログラム、連邦家族教育融資プログラムなど、 連邦次元の100%負債帳消し計画を発表し、学生たちの主張を認めた。 続いて昨年12月3日、教育部は学資金負債帳消しプログラムを申請したコリンシアカレッジの登録生全員の1300人に対して2800万ドルの帳消し案を発表した。

事実、米国連邦政府がこのように大規模な学資金負債を帳消しした事例は史上初だ。 しかし、学資金負債の帳消し受けるには、個別に申請が必要で、 すでに破産した大学の書類も提出しなければならず、さまざまな条件を備えなければならない。 学生たちはこのような条件付きの帳消しではなく、すべての学資金負債を帳消しにしろと主張している。 さらに高等教育は大学の利益ではなく、学生の権利であり、保障されなければならないという声もさらに高まっている。

昨年11月12日には110箇所ほどの大学の学生が大学登録金と学生負債を問題としてデモを行った。 「百万学生デモ行進(the Million Student March)」が主導したこのデモに参加した人々は、 すべての学生の負債廃止、15ドルで全国最低賃金引き上げ、無償公教育を要求した。 大学生だけでなく、高校生、卒業生、教職員と保護者もこのデモに参加して、 大学無償教育の問題は今年の米国大統領選挙の中心的な問題の一つに浮上した。 最近、米国で人気を得ているドラマ「グッドワイフ」のあるエピソードでも、 学生が学校を起訴しようとする場面でコリンシアン・カレッジ学生の借金ストライキに言及され、 学資金負債問題はさらに深刻な問題になっている。 学資金負債帳消し申請者の数も増えていった。 最近のウォールストリートジャーナルによれば、結局この6か月間で7500人以上が1億6千400万ドルの借金を棒引きするよう教育部に申請した。

コリンシアン・カレッジの学生たちの学資金負債償還拒否行動は「ローリング・ジュビリー(Rolling Jubilee)」運動を行った 「ストライク・デット(Strike Debt)」の支援を受けた。 債務者の抵抗を支援する活動だ。 オキュパイウォールストリート運動の後続プロジェクトの一つとして組織された「ストライク・デット」は、 コリンシアン大学出身者を含む9000人以上の学生債務を帳消しにした。 彼らは長期債務者の債権を金融会社から買いとった後に廃棄して、 現在までに数千万ドルの医療および学生負債を解決した。

「ストライク・デット」の活動家、アン・ラースンは、 巨大な債務拒否運動の試運転と同じだと見る。 彼は最近ガーディアンで「『借金ストライキ』も労働運動の作業停止権と同じだ」とし 「(労働者たちの)団体交渉のように、債務者が一緒にすれば勝利できる」と提案した。 米国消費者金融保護局によれば、この10年間で米国の4年制大学の登録金は42%も増加した。 学生負債の総額は2006年の6000億ドルから現在では約1兆3000億ドルまで沸き上がっている。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2016-01-26 18:22:40 / Last modified on 2016-01-26 18:22:42 Copyright: Default

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