緊縮時代のヘル・ギリシャ、貧困の全社会化
人口36%が貧困層に転落
ウォン・ヨンス(国際フォーラム) 2015.10.22 14:45
トロイカが強制した緊縮の下で5年半の不況の中、
ギリシャ人は急激な所得減少と税金引き上げで苦しんでいる。
10月17日の国際貧困退治の日にEuroStat(ヨーロッパ統計局)が発表した資料によれば、
ギリシャ人の貧困率は36%に達し、人口の1/3以上が貧困と社会的排除状態に置かれており、
これはユーロ圏の1位で、全ヨーロッパ次元でも極貧国の隊列に入った。
EuroStatのサイトによれば、2014年のヨーロッパ連合28会員国の平均貧困率は24.4%だった。
性別には女性25.2%、男性23.5%、年齢別には18歳以下27.8%、65歳以上17.8%、世帯構成別には無子供世帯22.8%、遺児世帯15.9%、教育水準別には低教育層34.8%、高等教育層11.9%だった。
ひとことで言って、新自由主義30年でヨーロッパの福祉国家が直面することになった危機状態を赤裸々に見せる統計だ。
ギリシャはEU平均の24.4%を10%以上上回る36.0%を記録し、40%台のルーマニアとブルガリアに続く3位で、
ラトビア、ハンガリー、エストニアがギリシャに続く。
財政危機の中にあるポルトガルとイタリアも平均以上の貧困率を示した。
EU指令によれば、貧困の基準は月500ユーロ以下で、
十分な食事が難しく、冬に十分暖房ができず、
基本生活必需品の購入と公共料金、医療保険をきちんと支払うことが難しく、
1週間の休暇旅行に行く余力がない状態を意味する。
一方、10月16日にギリシャ議会は総選挙以後、最も重要な緊縮に関する最初の採決で、
シリザ・独立党連合の154票の支持で追加緊縮措置(1000+1)を通過させた。
シリザの反乱票はなく、反乱票はギリシャ独立党(ANEL)から出た。
新民党(ND)、社会党(PASOK)、トポタミ、中道連合、黄金の夜明け党とギリシャ共産党は反対票を投じた。
非正規職が幅をきかす労働市場
50万人以上が月400ユーロ以下で生活
ギリシャで新しく職業を探すのは至難のわざだ。
その上、見つかったとしても極度の低賃金だ。
正規職の求人は貴重な事例で、ほとんどが非正規職のパートタイムだ。
ほぼ50万人が412ユーロ以下の給与だが、税金を控除すれば手取りは380ユーロ程度になる。
ギリシャ民間部門最大の社会保障基金会社のIKAが2014年4月から2015年4月まで行った調査によれば、
49万1440人のパートタイム労働者の平均給与は月412.62ユーロだった。
同じ資料によれば、総被雇用者の数は3.56%増えた。
しかしパートタイム労働者(1日4時間以下の労働)は10.34%増加したが、フルタイム労働者の増加は2.07%に終わった。
調査対象だったフルタイム労働者130万5686人の平均総給与は2015年4月に1211.99ユーロで、
1年前の2014年4月と比べて1.34%減少した。
しかし各種の税金と社会保障および医療保険負担金を控除した実受領額は1000ユーロ以下で、
パートタイムの場合は400ユーロ以下だ。
しかしさらに深刻な問題は、ギリシャの現実では名目上のパートタイムは実質的にはフルタイム労働者だという点だ。
そしてフルタイムの場合も600〜700ユーロの労働契約書に署名することも多い。
ギリシャの最低賃金は総額580ユーロ、実受領額480ユーロで、21歳以下の場合、最低賃金は総額480ユーロだ。
大学の学位はもちろん、博士の学位があっても例えば薬局や靴屋に就職すれば、最低賃金を受ける。
現地の証言によれば、失業率は少なくとも25%を維持しており、多くの世帯が1人の収入源しかいないが、
現在の実給与水準の800ユーロで4人家族の食事と生活必需品を解決し、
さらに税金まで追加で払えるのか疑問だ。
パートタイムの場合は380ユーロで食事や解決できるのか疑わしいという。
特に農村地域では2人に1人の割合で、子供が家できちんと食事をしているのかも疑問だという。
総受領額1211.88ユーロの場合は同じ職場で数年間働いているケースに該当し、
最近の緊縮時代に新しく就職してその程度の給与を受ける事例は殆どない。
ただし、公務員はそれより高い水準の給与を受けている。
原文(チャムセサン)
翻訳/文責:安田(ゆ)
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Created on 2015-10-23 04:37:35 / Last modified on 2015-10-23 04:37:36 Copyright:
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