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韓国:双竜車解雇者、100日間地面で眠る
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双竜車解雇者、100日間地面で眠る

[寄稿]双竜車大漢門座込場での1泊2日

ク・テウ(進歩ネット活動家) 2013.07.26 18:15

大漢門前に常駐するナメクジたちは疲れていた。大統領選挙でセヌリ党は双竜自動車の国政調査を受け入れたが、新政府が発足すると共にうやむやになった。無給休職者の一部が復職するという成果もあったが、解雇者は復職の対象ではなかった。困難な過程を経た後、双龍車問題への世論の関心は静まった。泣きっ面にハチで、4月には焼香所まで撤去された後、双龍車解雇者は地面で眠らなければならなかった。

解雇者の身分になってもう5年。黙々無返答の会社に対し、双龍車解雇労働者は また夏をむかえた。今年の梅雨は特に雨が多かった。夜中に雨が降ると、野宿 闘争をしている双龍車解雇労働者たちは大漢門の軒下に逃げた。暴雨でも来る 日には、大漢門の軒下で足をばたばたさせながら、水に浸った焼香所を何も できずに見守らなければならなかった。解雇労働者たちはとても長い今回の 梅雨をこうして耐えた。

まさに双龍車解雇労働者たちを困らせたのは、天気ではなく警察の過剰対応だ。 4月に警察が大漢門前に花壇を造成した後、警察と双龍車解雇者は花畑前の2.5 平方mを死守するために衝突する。7月22日にソウル行政法院が大漢門花壇前の 屋外集会制限通知処分の効力を停止すると決めた後、双龍車側と警察の衝突が 激しくなった。

25日の集会を主幹した民主弁護士会労働委と双龍車側は、「合法的に集会許可 を受けた空間に、警察が規制線を張って集会を妨害している」と抗議した。 この過程で集会参加者だった民主弁護士会側の弁護士と民主労総の組合員が 連行され、集会が終わった11時頃、集会に参加したある市民が腹立ちまぎれに 規制線を蹴飛ばして連行される事件が発生した。

ある双龍車解雇労働者は「問題を起こした張本人の双竜自動車と政府が問題を 解決すれば良いことなのに、何もしない。朴槿恵政権は国政調査約束も守らない」 と早急な解決を要求した。

押し出そうとする警察と、押されまいとする座込者ら

「闘争が長くなると、正常な生活が送れません。(解雇労働者たちは)動く総合 病院と言われるほどです。その上、大漢門前の放火事件の後は、警察が露骨に 集会を妨害していて、皆鋭敏になり、怒りで一杯の状態です」

一緒に座り込みをしているシン・ヨンチョル氏の話だ。双龍車解雇者と座込者 は南大門警察署警備課長を「大漢門大統領」と呼ぶ。双龍車側は、警備課長が 法解釈と法執行を勝手にしているのが大統領と同じだと感じたという。

シン氏は警察がこの数ヶ月間、解雇労働者と座込者を常に困らせたと主張した。 彼の話によれば、死んだ双龍車労働者を慰労するために市民が焼香所に持って きた花が多ければ、文句をつけたり取っていったという。雨の降る日に傘の 設置を不法集会道具と見なし、設置を防いだり傘を取っていくこともあった。 集会で使う横断幕は申告していないという理由で奪われ、死亡した双龍車労働者 を慰労するために市民が持ってきた食べ物は量が多いという理由で奪われた。

シン氏は「本当に幼稚な行為です。警察は大漢門で双龍車の痕跡を消そうとし ていると思うほどです。最近はちょっと少なくなりましたが、(こうした事を 体験して)とても疲れました」と話した。

双龍車座込場によく来るある市民は「花壇のどこがそんなに重要で、警察がこ うして守っているのか理解できない。一週間に1、2回座込場にくるが、警官と ぶつかって大変だ。毎日のように常駐している解雇者は本当に大変だろう」と 話した。

地面で寝るナメクジ

現在、双龍車座込場はテントではなく大漢門前の地面だ。座込者は眠る時には 敷物を敷いて眠り、普段は地面に座って過ごす。双龍車座込者は異口同音に、 テントでもあればとても楽だと話した。大漢門前で座り込みを続けるだけでも 大変だからか、現状況を諦めているようだった。

解雇労働者のキム・スギョン氏は「私が双龍車座込場の生きた歴史で伝説だ」 とし「ソウルの空の下のどこにこんなふうに寝るだろうか。私は常に肯定的に 考えようと努力する。ここで過ごしたおかげで、思い切りソウル見物ができる。 寝ている間に警官が守ってくれるので嬉しい」と冗談を言った。

解雇労働者たちは、特別なスケジュールがなければ午前と午後に解雇者全員が 大漢門前を守る。3日に一回ずつ順番に、大漢門前で夜を明かす。

この日の夜、解雇労働者の間で休暇が話題になった。休暇の計画を聞くと、皆 すっきりしなかった。解雇労働者のパク某氏は「双龍車問題のために5年間休暇 に行ったことがない」とし「どこに行きたいのか考えたこともなく、ただどこかに でかけたい」と話した。

午前2時。大漢門前を通る人々の足が遠のく頃には、4車線道路を走る自動車の 騒音と酔っぱらいの大声だけが聞こえる。何人かの酔っぱらいが座込場の前を 通りかかって、文句を言ったり悪口を言った。ある飲酒者は座込場を通りがかって 「中国からきた旅行客か」と聞き、座込場に座って、しばらくくだをまいていた。

ある解雇労働者は「座込場を通って焼香所で香を焚いていく人もいて、食べ物 や飲み物を持ってきてくれる人もいる。有難い人々だ。だが毎日のように罵り、 怒って行く酔っぱらいが多い。そんな人に会うと率直に気分が悪い」と話した。

解雇労働者たちは、酔っぱらいがいなくなった後に寝床についた。だが騒音と 蚊のために簡単には眠れない。ほとんど横になって、スマートホンを触ったり、 眠れずに体を動かしていた。花壇の前の19人の警察のうち何人かは立て続けに アクビをしていた。

双龍車座込場で一緒に眠った記者は、目を開けたままで夜を明かした。月が東 に沈むまで、しばらくの間見ていた。鼻腔に都市のホコリが入ってきて、気に かかった。

ナメクジたちは工場と警察署に戻れるか

「ここで寝ると、寝るのではなく目を開けて朝まで過ごすようなものだ。天気 が少し変わっても寝床がとても変わる。それでも梅雨が終わって幸いだ」

「良く眠れたか」という問いにキム・スギョン氏はこう答えた。ちょっと眠り、 解雇労働者たちは3時間しか寝ていないが、すぐ起きた。寝床を片付けるのも、 いくらもかからなかった。整理の後に食事をしにウェルビーン粉食に行った。

大漢門の近くにある「ウェルビーン粉食」は、解雇労働者、警察、建設労働者 が朝食をしによく行く食堂だ。解雇労働者は1ヶ月に一回、食事代を精算する。 解雇労働者、警官、どちらも生活の場を抜け出した人々が昨夜の飢えを満たし に「ウェルビーン粉食」に行く。彼らはいつ頃大漢門を離れ、工場に、警察署 に帰るのか、ふと気になった。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2013-07-27 01:54:18 / Last modified on 2013-07-27 01:54:18 Copyright: Default

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