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LNJ Logo 渡部通信(3/3) : 利根過ぎたる大将
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●渡部通信(3/3) : 明けない夜はない(300)
<若者を再び戦場に送るな!(50)利根過ぎたる大将>


============================= 「アメリカ第一」を掲げるトランプ第二次政権は、 世界中を支配下に置くかのようにかき回している。 そうした中、ガザ停戦・ウクライナ停戦を自己の利権拡大に位置付けている。 ウクライナについては、ウクライナの頭越しにロシアとの交渉を行い、 ウクライナ戦争3年目になる2月24日に、 国連安保理に「ロシアとウクライナの紛争の早期終結を求める」決議案を提案した。 結果は、アメリカ・ロシア・中国などの10か国の賛成で採択され、 イギリス・フランスなどの欧州5か国が棄権した。 そこで、ウクライナのゼレンスキーは2月28日にワシントンに行き、 トランプとの首脳会談を行った。しかし、決裂した。 トランプは、「私はビジネスマンだ。生涯、ディール(取引)をしてきた。 だが、これではうまくいかない」、と述べた。 この決裂後、ヨーロッパは必死になって 両者の修復を測ろうとしているが、果たしてどうなるか。 ところで、和辻哲郎の『日本倫理思想史』(1952年)の、 「第五章 後期武家時代における倫理思想」の <第二章 戦乱の間に醸成せられた道義の観念>に、 『甲陽軍鑑』(甲州武士の「軍法」を解き明かした書)のことが紹介されている。 そこでは、「我国をほろぼし我家をやぶる大将」として、以下の四つの類型が述べられて いる。 (1)馬鹿なる大将、或いは鈍過ぎたる大将 (2)利根過ぎたる大将 (3)臆病なる大将、或いは弱過ぎたる大将 (4)強過ぎたる大将 このうちの「(2)利根過ぎたる大将」には次のようなことが述べてあった。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー (それは)利害打算に鋭敏な大将のことである。・・この大将は、賢でもなければ剛でも ない。 「大略がさつなるをもって、をごりやすうして、めりやすし」という風の人物である。 この性格は武士としては非常に大きい欠点だといはなくてはならない。 よき武士は好運に際しても驕らず、不幸に会ってもめいらない。 賢にして剛なるが故である。 が、利害打算に鋭敏であるということは、さらに一層大きい欠点、 即ち無慈悲な態度を導き出してくる。・・・侍たちもまた百姓を誅求し、 その困窮にかまわず取り立てようとする。・・ しかしそれのみではない。利害打算に鋭敏であるやうな大将は、 馬鹿大将と同じく、必ず自慢心を伴うものである。・・従って古今の名大将や 名人の仕形を用いないで、すべてを自分の独創によって仕出さうと思案する。 ・・堂や宮を建立するのも「人みせの善根」に過ぎないのであるから、 人民を悩ますことを少しも意としない。 だから地下の分限者や町人などは、すぐに大将の心を見ぬいて、気に入るように持ちかけ てくる。 ・・やがて家中の有力な武士の家と縁組が出来る。 その背景によってその連中はだんだん威張りだしてくる。 ・・家風はすでに町人化したのである。 ・・・・あとには「よくよくの賢人、一両人ありて、各(おのおの)と付きあはねば、 その人終にその家を去る。」残った愚人どもは、 そのよき人が去った後にさへも、散々に悪くいふ。 かうして一家中、町人的形儀に譲歩しないものは、すべて抹殺されてしまふ。 これが利根過ぎたる大将のみづから作り出す結果なのである。 ・・それを筆者は、家老より小者に至るまで「意地きたなくなり、 人をぬかんと存ずる、」という風に云ひ現わしている。 ・・がこの箇所では著者はさらに念を入れて、 「よき大将」の姿を対照的に描き出している。 「惣別(総じて)能(よ)き御大将は、武辺の儀は申し及ばず、文有って慈悲深く、 行義能(よ)くて、常は柔なれども、いかり給ふ時は・・・威光つよし。」・・ 「末代迄も名大将と名をよぶ国主に、無行儀なるは一人もましまさず。」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー これを読むと、トランプにそのまま当てはまると思われる。 今後、世界情勢がどう変化するかわからないが、 最終的にはトランプは「我国をほろぼし我家をやぶる大将」になり、 最後に述べてあるような人物が「よき大将」として残るのではないだろうか。 付け加えて、現在の日本についていえば、 トランプ氏と仲の良かった安倍氏や橋下氏らにもよく当てはまると思う。 最近橋下氏は泉氏に対し、「アホか!テメー」などの事をいったようだが、 まさに彼自身の馬鹿さ加減を自ら暴露しているようなものである。 また最近こうした言葉を吐く評論家や政治家が多くなってきている。 彼らもまたトランプ氏やマスク氏と同類の人間なのだろう。 いずれ、時がこうした人間たちを淘汰するだろう。 私たちは「草の根」から屈することなく声を上げて行こう。 ********************************************************* 都教委包囲首都圏ネットワーク」のブログのアドレス http://houinet.blogspot.jp/ 千葉高教組『日の丸・君が代』対策委員会」のホームページ http://hinokimitcb.web.fc2.com/ 「ひのきみ全国ネット」のウェブサイト http://hinokimi.web.fc2.com/

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