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渡部通信(1/28、1/30) : 「 楽しい日本を目指す」?/揺れ動く天皇制
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●渡部通信(1/28) : 明けない夜はない(290)<若者を再び戦場に送るな!(40)「
楽しい日本を目指す」?(その2)>

============================= 1月24日の石破首相の「施政方針演説での <「楽しい日本」」を目指す>という言葉に対して 違和感を感じたのは私だけではないだろう。 現在、日本では様々な問題が起きつつあり、 前回の(289)でも述べたが、とても「楽しい日本」にはなりそうもないからである。 インフレが続き私たちの生活は日々苦しくなってきている。 他方で、防衛費増大だけが突出している。 ミサイル基地や大きな弾薬庫が各地に作られている。 絶えずアメリカやNATOの軍隊などとの合同軍事演習が行われている。 そして、石破首相は演説で、 「日米同盟を更なる高みに引き上げる、同志国との連携を更に拡大・深化する」 「日米印、日米韓比を含め、・・ネットワークを構築し、・・日米のリーダーシップは不 可欠です」 とのべた。 つまり、日本は第三次世界大戦にもつながるような 軍事同盟のリーダーを担おうとしている。 また、演説の最後には「平和憲法」を変えるために 憲法審査会で野党とも連携すると述べている。 要するに、さらに軍備を強化し、憲法も変え、 戦争の準備を進めると言っているのである。 「シェルター」を作るとも述べている。 これが「楽しい日本を目指す」ことか。全く逆である。 「楽しい」どころか、「極めて危険な日本」になるのは目に見えている。 石破首相はそうしたことから国民の目をそらすために 「楽しい日本を目指す」などと述べたと言わざるを得ない。 戦前には多くの人々が、生活が苦しいにもかかわらず、 政府のいう「鬼畜米英」などということばに踊らされ、積極的に戦争に賛成した。 その結果、大変な負け戦(いくさ)になった。 全国の大部分の都市が空襲にあい、ヒロシマと長崎には原爆が落とされた。 石破首相は、現実には軍拡と戦争準備、改憲を進めようとしている。 これほど危険なことはない。 なのに国民に向かっては、「楽しい日本を目指す」などと言っている。 なんとトンチンカンなことか。 やはり、これはそうした厳しい現実から国民の目をそらすための スローガンとしか思えない。 戦前は「鬼畜米英」、今度は「楽しい日本」で、 欧米先進国と一緒に第三次大戦に突入しようというのだろうか。 しかし、「楽しい日本」という言葉に騙される人は少ないだろう。 歴史は繰り返す。 しかし一度目は悲劇だが、二度目は喜劇である。 「楽しい日本を目指す」はまさにその喜劇になるだろう。 ================================ * 第21回「2・9総決起集会」のお知らせ* スローガン:*国家の教育支配を許さない * * 戦争と改憲に抗し平和実現に向け何をなすべきか * 日時:2025年2月9日(日)13:30開会 場所:文京区民センター3A 講師:*大内裕和さん*(武蔵大学教授) 演題:*「教育の新自由主義改革の40年と現在」* 発言:裁判闘争原告、教育現場などから 資料代:500円 ********************************************************* 都教委包囲首都圏ネットワーク」のブログのアドレス http://houinet.blogspot.jp/ 千葉高教組『日の丸・君が代』対策委員会」のホームページ http://hinokimitcb.web.fc2.com/ 「ひのきみ全国ネット」のウェブサイト http://hinokimi.web.fc2.com/ *   *   *   *   *   *   *   * ●渡部通信(1/30) : 「明けない夜はない(291)<若者を再び戦場に送るな!(41) 揺れ動く天皇制> ============================= 世界大動乱時代、日本もその例外ではないようだ。 昨日(1月29日)、外務省は国連の女性差別撤廃委員会を、 日本の拠出金の使途から除外することを国連に伝えたという。 同委員会が昨年10月、「男系男子」の皇位継承を定めた皇室典範の 改正を勧告したことへの抗議の意図を示すねらいだという。 日本政府は次のように述べている。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 皇位につく資格は基本的人権に含まれていないことから、 皇室典範において皇位継承資格が男系男子に限定されていることは 女性に対する差別に該当しない。 皇位継承のあり方は国家の基本に関わる事項であり、 女性差別撤廃条約に照らし、取り上げることは適当ではない。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ここで、「皇位につく資格は基本的人権に含まれていない」と述べていることは、 天皇家には基本的人権はないと述べているわけである。 確かに、天皇家は一般の国民とは違い、 居住の自由も職業選択の自由も無ければ、選挙権も無い。 基本的人権が守られているようには思えない。 基本的人権がないのなら、天皇家は国民の奴隷のような存在となる。 だから最近、天皇家から抜け出たいと思うような人が出るのだろう。 終戦翌年の1946年、 政府は天皇の生前退位を規定しないという皇室典範の方針を打ち出した。 その際、三笠宮はそれに異を唱えた。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「死」以外に譲位の道を開かないことは新憲法第十八條の 「何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない」という精神に反しはしないか? ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー また彼は、「新憲法と皇室典範改正法案要綱(案)」と題する意見書を作り、 天皇の地位について、 「必要最小限の基本的人権としての譲位を考えたほうがよいと思っている」 と疑問も投げかけた。 しかし、今回の政府見解の通り、 「皇位につく資格は基本的人権に含まれていない」というのである。 前の平成天皇は生前譲位の前、 2017年(平成29年)1月18日の| 歌会始の儀で、 <邯鄲(かんたん:コオロギ)の鳴く音(ね)聞かむと 那須の野に集ひし夜をなつかしみ思ふ> と詠んだ。 これは「邯鄲の夢」を思っての事だろう。 それは次のような話である。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 唐の開元年間(713〜741)に、盧生(ろせい)という貧乏な青年が、 趙(ちょう)の都邯鄲で道士呂翁(りょおう)と会い、 呂翁が懐中していた、栄華が思いのままになるという不思議な枕を借り、 うたた寝をしている間に、50余年の富貴を極めた一生の夢をみることができた。 しかし、女主人の声で盧生は目が覚めた。 夢のなかの五十年は粟(あわ)飯(いい)を炊くわずかの間のことであった。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 平成天皇も早く天皇をやめたかったのだろう。 現在、実質的には「奴隷的拘束」状態に置かれている天皇家は、 皇位継承問題等多くの問題を抱えている。 政府は二言目にはいつも、日本は「自由で民主主義な国」だというが、 そこには天皇制という基本的人権無視の「盲点」があったのである。 それなのに、この「盲点」を利用し、 1999年には天皇主権の歌「君が代」を国歌と法制化し、 全国の学校現場に処分をもって強制し、 子どもたちはその意味も分からないまま歌わさせられている。 これのどこに「自由」や「民主主義」があるのだろうか。 現憲法では、天皇の地位について、 「主権の存する日本国民の総意に基づく」とある。 戦後80年、世界大動乱の時代、そそそろ日本も、 特定の人間たちが「奴隷的拘束」状態に置かれている天皇制についいて 考える時が来ているのではないだろうか。 ================================ * 第21回「2・9総決起集会」のお知らせ* スローガン:*国家の教育支配を許さない * * 戦争と改憲に抗し平和実現に向け何をなすべきか * 日時:2025年2月9日(日)13:30開会 場所:文京区民センター3A 講師:*大内裕和さん*(武蔵大学教授) 演題:*「教育の新自由主義改革の40年と現在」* 発言:裁判闘争原告、教育現場などから 資料代:500円 ********************************************************* 都教委包囲首都圏ネットワーク」のブログのアドレス http://houinet.blogspot.jp/ 千葉高教組『日の丸・君が代』対策委員会」のホームページ http://hinokimitcb.web.fc2.com/ 「ひのきみ全国ネット」のウェブサイト http://hinokimi.web.fc2.com/

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