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読書会報告:『原爆と俳句』著者交えてディスカッション
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志真秀弘です。

3月20日(木)第52回レイバーブッククラブ読書会が郵政共同センターで開かれました。

テキストは『原爆と俳句』(永田浩三、大月書店)。参加者はオンライン3人を含め16人 で、著者の永田浩三さん(写真下)も参加、活発に議論がされました。

戦前の新興俳句への弾圧から本書は語り始められます。日本文学報告会俳句部会に名を連 ねた俳人たちの戦争責任は戦後に至っても追及されなかった。「第二芸術論」を一つの反 省の契機として戦後の句界は再出発したが、戦争責任は曖昧なままだったことは尾を引い ていました。が、その中で原爆をめぐる『句集広島』の衝撃の大きさを著者は指摘します。

本書の熱のこもったこの辺の語りは、読むものを一気に引き込む力を持っています。いく 人もの参加者がここで紹介される俳句とそれについての著者永田さんの懇切な説明に感じ 入ったとの発言が続きました。社会といのちをとらえる俳句の可能性を著者は明らかにし ています。

『句集長崎』(1955年)、そして原爆忌東京俳句大会(1980 年)を経た幾つもの句が紹介され、現在の沖縄と福島を詠む句に至ります。戦後の反戦平 和運動と共に歩んだ俳句こそ弾圧された「新興俳句」を継ぐものという著者の静かな主張 もこの本から聞こえてきます。

本書にレイバーネット川柳班の作も収録されています。「俳句」と「川柳」に垣根などな いとの意見も共感されました。川柳班のメンバーも多く参加され、散会後の懇親会も談論 風発、楽しい会となりました。

次回は五月を予定していますが、テキストは未定です。推薦本をぜひお寄せください。

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