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ノーベル文学賞:『少年が来る』『別れを告げない』の2作を読んだがたいへんな傑作。
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情報提供 : 菊池 洋

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 ちょうど先週末に仲間内で読書会をしたハン・ガンが、ノーベル文学賞を受賞。 『少年が来る』(2014年)、『別れを告げない』(2021年)の2作を読んだが、たいへん な傑作。 『少年が来る』は光州事件、『別れを告げない』は済州4・3事件について、それぞれ遺 族に聞き取り、資料を読み込んで書かれた小説。 『別れを告げない』という題は「哀悼を終わらせない」という意だとハン・ガンは語って いる。国家による暴力、事件、被害者らの記憶、それらは社会が目を向けない限り、波に さらわれるように消去されたり、歪曲される。 それぞれの事件の被害者、遺族らは、アカだの非国民だのと今も冒瀆されている。光州事 件の遺族は、作家に、証言をとりあげることについて 「許可します。しかし、そのかわりしっかり書いていただかなくてはなりません。誰も私 の弟をこれ以上冒瀆できないように書いてください」 と言って光州事件で15歳で命を落とした弟についての証言をした。(『少年が来る』エピ ローグ) 「哀悼を終わらせない」、それが自分の「書くということの使命」のように。 他の作品は読んだことないので知らないけど、この二作は誠実な筆致で、『少年が来る』 は、光州事件について扱った文学や映画はこれまでもいくつかあれど、このような描写が 、想像力に富んだ視点があるのかと驚嘆した。死臭が漂ってくるような、人間がこのよう な極限状態になるのかという残酷さと痛みまで。 『少年が来る』『別れを告げない』の順に読むのがおすすめ。『別れを告げない』は私は 鈍いので、2回読んでやっと全体像がわかった。こちらもまた傑作。 また、ハン・ガンのこの2作の「哀悼」は、単にそれぞれの事件の犠牲者にだけでなく、 今なされているパレスチナ、レバノンでの虐殺と暴力への視しに開かれている。 https://www.facebook.com/share/p/NwxBTFx8bfeoUf6J/ ◯ 韓国の作家ハン・ガンさんがノーベル文学賞 アジア女性で初の受賞:朝日新聞デジタル ロンドン=藤原学思 2024/10/10 20:02(2024/10/10 23:52更新) https://www.asahi.com/articles/ASSB95QZZSB9UHBI01JM.html との Keiji Hyodoさんの フェイスブック https://www.facebook.com/keiji.hyodo での 発信で、 韓国の作家ハン・ガンさんがノーベル文学賞を受賞されたことを教えてもらいました。 Keiji Hyodoさんは、 上記の発信のコメント欄に、 追記を書いておられるので、 併せてお読みください。 京都の菊池です。 (2024年10月11日金曜日) 共有します。 ◎ 少年が来る - CHEKCCORI BOOK HOUSE https://chekccori-bookhouse.com/product/%E5%B0%91%E5%B9%B4%E3%81%8C%E6%9D%A5%E3%82%8B/9285/#none ムン・ソリさんが語る小説『少年が来る』 https://youtube.com/watch?v=-5s5JzPoks4&si=CCJp19Zzw782CufK ◎ 別れを告げない - 白水社 ハン・ガン 著 |斎藤 真理子 訳 出版年月日:2024/03/29 https://www.hakusuisha.co.jp/smp/book/b641804.html   ***** 上記の投稿をまるごとシェアする場合は、下記の記事URLをシェアしてください。 https://www.facebook.com/share/p/BjbM8GrieyiWeWVn



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