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厚木市の保育園でストライキ!〜パワハラと不正経営の是正もとめて

動画(7分)

 「厚木市小規模保育園で保育士6名がストライキを決行します」という「総合サポートユニオン」のお知らせを聞いて、11月20日、記者は現場に駆けつけた。その保育園の名前は「関口フェルマータ小規模保育園」(以下、関口園)で、本厚木駅からバスで20分のところにある。とにかく遠い。そんな神奈川県の郊外にある小さな保育園だが、十人余の支援者とTV局など多数のメディアがやってきた。


*支援者たち

 保育士たちの要求は何なのだろう? 関口園を運営しているのは「社会福祉法人くじら」(以下、くじら)で職員総数は1000人もいる事業体。その「くじら」は神奈川県内に4つの保育園を経営している。そこで起きているのが、パワハラ・不適切保育・補助金の不正取得だという。そんな職場環境の中で、保育士と園長の大量離職が相次いでいる。その数は、実にこの5年間で42名に達する。「このままでは保育現場が崩れてしまう」という危機感から保育士たちは、今年3月に組合をつくって立ち上がった。組合員は9名で全員が加入している。

 今回のストライキの一番の要求は、パワハラをしたA園長と本部エリアマネージャー補佐の二人を保育の現場から外してほしい、ということだ。二人は、パワハラだけでなく補助金の不正受給にも関わっているという。こうした要求を「くじら」のトップである田﨑理事長は、いっさい無視してにぎりつぶそうとしている。そこで組合は止むにやまれず、ストライキを行い、広く世の中に訴えることにした。ひどい実態を知っている保護者も組合を応援している。


*写真=会見に出席した保護者

 記者会見で、総合サポートユニオンの池田一慶執行委員がこういう数字を紹介した。最近1年の保育関係の労働相談79件のうち、パワハラは27件とダントツに多い。また、2018年ごろから全国各地で保育士の一斉退職が相次ぎ、社会問題になっている、と。池田氏は大量退職の理由として、「少なすぎる保育士による過重労働」「営利企業の保育業界参入で起きている低賃金化」を挙げた。保育業界は「過重労働・低賃金・パワハラ」でボロボロなのだ。


*池田一慶執行委員(左)

 しかし、それは日本全体の職場を覆っているように私には思える。関口園の出来事は「氷山の一角」なのだろう。でも素晴らしいのは、関口園の保育士たちは泣き寝入りをせずに、団結して声を上げたことだ。会見で、保育士の代表はこう語った。「パワハラを認めて辛い思いをした人たちに謝罪し、安心・安全な保育現場をつくってほしい。私たちはただ子どもたちを守りたいだけです」。このあたりまえの声に対して、「社会福祉法人くじら」はどう応えるのだろうか?(M)


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