レイバーネットТV詳細報告:政権与党の後退、だか立憲野党が勝利したのか?微妙な結果に戸惑う人々 | |||||||
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今回の総選挙を振り返ると、もろ手を挙げて保守政権に鉄槌を浴びせたとは言えないのではないか。「どう評価していいのか分からない」というところか。それを見事に斬ってみせたのが政治学者の纐纈厚氏。与野党の差が拮抗する中で、今こそ各自が自分の生活を守るために政治への関心を持ち続けたいと思う。(報告:笠原眞弓)
<2024総選挙、そしてその後を考える> ・安全保障の問題⇒円安の中で国防費は天文学的数字となる 予算から見ると、日本は一般会計が112兆円で、そのうち単年度での国防関係費は7兆9172億円。5年間で43兆円。 アメリカの国防費は年間135兆円(1ドル150円で概算)。軍事費だけで日本の国家予算を越えている。 ・軍産共同体が牛耳る国家権力の世界 纐纈厚氏は、日本は、ローンを含めると60兆円になる。現在円安なので、実際には天文学的数字になるだろう。当然大きな権力が付きまとうから、深刻な問題である。 アメリカの長官(日本でいう大臣)は、ほとんどが軍事産業出身。ということは、軍産共同体の巨大な権力が世界、ひいては日本が動かされているということ。 ・お金自体が権力になってしまうのでは? その通り。なぜ明日起きるか分からない戦争へ投資されるのか?それは、お金にとりつく権力体があるから。軍拡すれはするほど権力が膨らんでいくということだ。 ・軍事費はブラックボックス!法律違反なのに 軍事予算の不透明性は「予算をとってから何を買うか決める」ことができるから。これは、日本の法律にも違反するのだが、まかり通っているのが実態。 ・基本的な危機の原因の議論もなく進める軍事予算会議 昨年、財政金融委員会に呼び出され、どこから防衛予算をとるかの議論をした。たが、その前提としての日本の防衛(軍事)予算が安全保障に資するかという議論は皆無。中国が怖いとか言うだけで、具体的な話はなく、ただ予算をつければ、理想的な安全が保障されるという話だった。 ◆各政党の安全保障論 ◆日米同盟の強化と盛んな中国・ロシアとの交易 ◆普天間基地の辺野古移設が沖縄の基地負担軽減になるのか ◆国民民主の立場は?国民の生命財産を守るつもりはない ◆各党の国防路線は? ◆乱鬼龍の川柳コーナー ◆争点だった賃金の低下 ◆比例に見られる政党得票数 ◆会場とのやり取り ・会場1 若者に聞くと、社・共は「古い、硬い、年寄りばかり」とのこと。それを聞いて、戦後民主主義の終わりに来たと思った。それを担ってきた社・共の衰退し、戦争したいところが伸びている。私たちの問題として考えないと、来年はもっと悪くなるのでは。
れいわは伸びたが、社・共的原則がない。政府は悪いが、変えていく勢力があまりにもだらしない。 ・会場2 今回2つの民主党と名の付く党があったが、比例での党名処理は納得してのことなのか…。(納得しての略称使用では。) 纐纈:1番への答えの前に、国民民主の617万の票は3割り方自民から流れたとしても、玉木さんの価格と賃金との関係を「価格弾力性」という言葉を使って生活第一的なことをSNSで主張している。かなり若者から幅広い中間層をゲットしたと思う。4倍(7議席が28 )になったのは出来過ぎだか、他の政党も学ばなければならない。 纐纈:1番へのコメントだが、共産党が伸びなかったのは、裏金問題に特化しすぎたと言える。赤旗のスクープは大きかった。立憲の幹部から共産党の幹部に今回の選挙の重要人物は共産党だと言った。「桜を見る会」のスクープも新聞赤旗だ。民主主義の根幹にかかわる裏金は大事だが、それだけでなく、生活(経済)問題も言わなければならなかった。公明党も同様に、立候補者の高齢化問題もあった。来年夏の参議院選挙で頑張ってもらわないと「凋落」という言葉がちらつくと個人的には思っている。 ・国民民主が力を入れたのが「手取り額を増やす」103万円の壁の撤去 ワカメ:れいわの政見放送見たが、とても分かりやすかった。れいわの街頭演説で、最後に「記念写真撮りましょう。この写真をSNSにアップして」という。これは若者にアッピールする。それに比べて共産党や社民党は正論過ぎて、頭に入ってこない。 会場1:れいわは街宣のトップで「質問ありますか?」から入る。これまでは上から目線ではじまるが、れいわは違う。民主的。若者をつかむ方法としてはいいのでは? 会場4・賃金は「実質賃金」は30年前の2分の1、国立大学の学費は40倍に。数字でごまかされないように。 会場5・今回当確がなかなか出なかったことと、投票率が伸びなかったこと。いつも投票している人しか投票していないということ。つまり、関心が低い。 会場6:地元の市民連合にかかわっていて県の市民連合の「振り返り会」では元気がなかった。県内で2か所しか統一候補が出来なかった。街宣のスピーチに生活実感がないのが問題で、こちらの工夫が必要。今選挙に行っていない人たちが、選挙に行きたくなる呼びかけをしていきたい。足が地についた運動をどう育てていったらいいか知りたい。 纐纈:山口で市民連合を立ち上げ、熟議を重ねてきた。2016年の参議院選挙の折、既成政党でない人をと自分が推薦された。その時、神輿に乗るのは嫌だ、みんなが前で歩かせてくれたらと引き受けた。学者生活しか知らなかった人間が、3か月間さまざまな立場の人たちと話し合い、18万3千票を頂いた。負けたけれども学者だけでは得られなかったこの経験は、貴重なものだった。 会場6:その後、野党共闘が今後出てくると期待感を持っていたが、どうですか?今回、ほとんどできなかった。来年の7月の参院選はどうか? チャット1:今回自民・公明・共産・維新と上意下達のイメージを持たれている党がそろって後退したことは、党内民主主義の在り方が問われた選挙だと思ったが? チャット2:れいわと国民が強い傾向が見られた。どちらもSNSの効果ではないか? 柴田:これまでは2大政党の連立政権だったが、これからは乱立になり、どう連立を組み、どんな政策をするかが政局の在り方となる。有権者に「利権でくっつきます」とは言えない。「こういう政策を実現したいからやる」という。その時市民側が逆にこういう政策をしてほしいと、市民運動側の力量を発揮する。その時に、問われるのは生活と労働だ。103万ではだめ。正規と非正規、家父長制に基づいた労働形態など、社会の在り方を根本的に問うべき。選挙が終わったから、市民運動の出番があると思う。 ◆纐纈さんの近著紹介 ★次回は11月13日19時30分「マイナ保険証について」 Created by staff01. Last modified on 2024-11-08 15:36:19 Copyright: Default |