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LNJ Logo 夏期合宿報告 : 「労働問題」をテーマに討論会
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「レイバーネット夏期合宿」(8/24-25)では、労働問題をテーマにしたディスカッションの会がありました。以下、感想を紹介します。

●芸術家もメディアも料理人も、幅の広さに驚く・・石垣敏夫

 「レイバーネット合宿」に初参加させていただきました、石垣です。1日目のバーベキューとビール、2日目のカレーライスとソウメン、各テーマと、夜中から早朝に向けての雑談等、とても、面白かったです。ジョニーHさん歌とギター、乱鬼龍さんの川柳大会、芸術家もメディアも料理人もいて幅の広さにも驚きました。私の問題提起は労働組合問題をさせていただき、勝手な見解を述べさせていただき恐縮です。重ねて御礼申し上げます。(写真=石垣敏夫さん)

●労働組合が機能していない現状をどう変えるか・・堀切さとみ

 石垣さん。合宿へのご参加、ありがとうございました。ゲバラTシャツ、お似合いでしたネ。石垣さんのご提案で、急遽一日目の夜に「労働問題」をテーマに討論する時間を設けました。石垣さんのお話の前に、半数近い参加者と共に、今の労働現場の一例として『バスドライバーにあこがれて』を観ていただきました。

 ベアリングの工場で働いていた時、組合をつくって職場が明るくなった。その体験から、労働組合の意義を語ってくださいました。私も30年前に入職した頃は、組合運動(自治労)が活発でした。給食廃止に反対するために、役所前で座り込みをしたという先輩たちの話も聞きました。その後、民営化に反対する運動もありましたが、委託化の波に抗うことはできず、闘争課題を失いました。今は正規職員の既得権益を守るだけで、非正規(会計年度職員)の処遇改善などに取り組んでいるとはいえません。

 石垣さんが言われたとおり、組合は「助け合い」という教育的な役割を果たすものでもあります。しかし今、非正規、リモートなどによって、みんなが顔を合わせて働き助け合っていくということが、とても難しくなっています。この30年で「新時代の日本的経営」は浸透していき、懸命に働いても家庭を持つことさえ出来ない、そんな若者が増えています。さすがに今はないのかもしれませんが、派遣労働者は名前でなく番号で呼ばれ、使いたいときだけ使われる。そうした中で、古き良き組合の意義をどう浸透させていけばいいか、考えていく必要があると思います。

 <一つの職場に一つの組合を> 職場に二つの組合はいりません(石垣)。このことについては、討論の場でも言いましたが、多くの職場には組合が存在しているものの、それが機能していない。酷い場合は会社と癒着していて、労働者の味方にはなってくれない現実があります。職場で問題があったときに組合に相談したら、自宅待機の対象になったというバス労働者もいます。JRやバスなど公共交通機関ではそれが顕著で、やむにやまれず新しい組合をたちあげたというのは、ここ数年のことです。一つの職場に一つの組合。それが望ましいのは重々承知していますが、労働者に背を向けるような組合でしかないのなら、別の組合をつくるしかないのではないでしょうか。

 多くの労働者がパワハラや長時間労働、不当解雇など、これまでにあまりなかったような問題に直面しています。それを明るみにさせないために、国は「自己責任」論を浸透させてきました。頑張れないのは自分の努力が足りないから、虐められるのは自分が悪いからだと。でも決してそうではなく、30年前とは違う働き方の制度を、国は30年かけて作ったのです。東海林さんの『ルポ・低賃金』や『15歳からの労働組合入門』を読むと、そのことが痛い程わかります。自己責任ではない。幸いにして、SNSや個人でも入れる組合などを通じて、同じような苦しみを抱える人たちがつながっています。そして、彼らは彼らなりに助け合っています。たとえば、A社で不当解雇された人の裁判に、B社で同じ目にあった人が傍聴に駆けつけるなど。かつてのように組合をあげて闘うということではないのですが、そうした現状にも注目していただければ嬉しいです。


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