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<海渡雄一弁護士、緊急投稿>

 経済秘密保護法案を巡って、3月28日の参考人質疑で大きな動きがありました。法案の根本的な問題点が明らかになりました。コンフィデンシャル級の秘密指定は英仏で廃止され、米の情報監察局もコンフィデンシャル級の秘密指定の廃止を政府に勧告している。したがって、経済秘密保護法は英仏米の動向と整合しない。
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国会参考人質疑 : 経済秘密保護法案「時代錯誤的なもの」と指摘される

 本日、3月28日の内閣委員会における、経済秘密保護法案に関する参考人質疑において、重要なことが明らかになりました。本日の午前、衆議院の内閣委員会で参考人質疑が行われ、日弁連からは、斎藤裕副会長(写真)と三宅弘秘密保護法・共謀罪対策本部本部長代行のお二人も出席しました。

 今回の経済秘密保護法案は重要経済安保関連情報であって漏洩によって著しい支障がある場合は特定秘密として扱い拘禁10年、支障がある場合には拘禁5年という二段階化し、秘密レベルを複層化する制度をとっています。

 そして、欧米の制度と比較して、この著しい支障がある場合がトップシークレットとシークレット、支障がある場合がコンフィデンシャル級であると説明されてきました。 ところが、斎藤裕日弁連副会長の参考人公述の中で、すでにイギリスとフランスでは、confidentialという秘密レベルは廃止されており、日本の同盟国であるアメリカにおいても、イギリスとフランスの決定を受けて、2022年の情報保全監察局(ISOO)レポートにおける大統領あての提言において、confidentialという秘密レベルの廃止を提言していること、政府の提案は、英仏米の動向とも整合しない、時代錯誤的なものではないかとの重大な指摘がなされました。ISOOのレポートは以下からダウンロードできます。 https://www.archives.gov/.../isoo-2022-annual-report-to

 この指摘を受けて、共産党の塩川議員、れいわ新選組の大石議員から、斎藤委員の指摘を踏まえて、「経済安全保障分野におけるセキュリティ・クリアランス制度等に関する有識者会議」の座長を務められた渡部俊也東京大学副学長は、政府の対応が英仏米の動向と整合しているかについて問われ、法制度の合理性について説明ができませんでした。法案の根幹にかかわる問題点が明らかになったといえます。

 以下、勧告の該当部分を翻訳して掲載することとします。
「2023年度以降のISOO主要提言

1.2022年6月2日、国家安全保障会議(NSC)スタッフは、各省庁に対して次のような覚書を発表した。

この覚書は、行政府が機密情報を作成・管理する多くの方法を見直し、更新し、合理化することを目的としたものである。
この覚書は、行政府が機密情報および管理された非機密情報を作成、管理するためのさまざまな方法を見直し、更新し、合理化することを目的としている。
この覚書は、行政府が機密情報や非機密情報を作成・管理する多くの方法を見直し、合理化することを目的としている。国家安全保障にとって、この覚書は絶対に不可欠である。
この覚書の目標が達成されることは、われわれの国家安全保障にとって絶対に不可欠である。

2. この覚書の最も重要な改革の中心は、E.O. 13526である。

このE.O.13526は、行政府が国家安全保障情報をどのように分類・機密解除するかを規定するものである。
私は昨年、年次報告書でこの大統領令にいくつかの変更を勧告したが、今年の報告書でも同じ変更を勧告する。
これらには以下が含まれる:
a. confidentialレベルの分類を廃止することで、サイバーセキュリティ領域に対する我々のアプローチや、最も親密な同盟国の多くが採用している2段階の分類システムと、分類レベルをより密接に整合させる」

 この勧告は大統領に対する最重要の勧告として位置づけられているものです。日本政府の策定した法案が、周回遅れの時代錯誤的なものであることが明らかになりました。法案の根本的な見直しが必須となったと言えます。広くこの事実を広めていただきたいと思います。野党の中にも、国会の関与を定める微修正だけで法案に賛成しようとする動きがあります。心あるみなさんから、お知り合いの国会議員に、慎重に審議してほしいという一言でよいので、お声掛けいただくようお願いします。


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