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「貧困ジャーナリズム2023大賞」授賞式/「ここから」「わたしは非正規公務員」が特別賞
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「貧困ジャーナリズム2023大賞」授賞式〜「ここから」「わたしは非正規公務員」が特別賞

瀬戸大作

反貧困ネットワークでは2007年以降、優れた貧困問題報道などに贈る「貧困ジャーナリズム大賞」の授賞式を開催しています。2023年度表彰式とシンポジウムを開催しました。貧困ジャーナリズム大賞には、NHKのETV特集「ルポ死亡退院〜精神医療・闇の実態」と、ジャーナリスト後藤秀典さんの書籍「東京電力の変節 最高裁・司法エリートとの癒着と原発被災者攻撃」が選ばれました。他の特別賞や貧困ジャーナリズム賞は以下の一覧を参照ください。

https://hanhinkonnetwork.org/archives/2136

●後藤秀典さんの書籍に登場する原発被災者のKさん、たぶんいちばん苦しい時に連絡を取り続け、自宅にも何回か訪問して伴走してきた。現在も続けられている原発避難者訴訟の先頭で元気に戦っている姿を書籍でも後藤さんからも直接聞き、胸が熱くなった。

●テレビドラマ「やさしい猫」が特別賞を受賞した。2022特別賞を受賞した中島京子『やさしい猫』を原作としたドラマ、初回放送日は2023年6月24日だった、改悪入管法が国会採決された日は6月8日、素晴らしいドラマだったので入管法審議の前に放映されたら状況が変わっていたかもしれないと悔しかった、本当に! 授賞式にはクマラさん役のオミラ・シャクティさんも参加してくれた。授賞式後にふたりで話した。オミラさんは単なる俳優でなく同胞の事を気遣うやさしい人だった。「おとなりカフェ」にも遊びに来てくれると言ってくれた。

●東京新聞の池尾伸一さんの連載「この国で生まれ育ってー『入管法改正』の陰で」入管法反対運動の現場やその後の支援現場でも必ず池尾さんがいた。入管法がどれほど外国人の人権を侵害し、貧困の温床になっている。改悪入管法施行は6月だが既に仮放免者への圧力は強まっている。引き続き連携していきたい。

●室矢英樹さんの朝日新聞「住宅穴埋め屋」問題の追及キャンペーン、住まいを失った生活困窮者を、郊外物件の空室の穴を埋めるための駒のように利用して入居させ、満室にした物件を高価で転売するという「新たな貧困ビジネス」の手口である「住宅穴埋め屋」。これまでの貧困ビジネスの典型は、生活困窮者に生活保護を利用させて物件に入居させ、保護費の中から住宅費やサービス料名目で高額な費用を搾取し続ける。私の現在の闘いと重なる。連携を続け、何とか撲滅していきたい。

●「追い詰められる女性たち」取材チームの阿久沢悦子さん伊藤恵里奈さん「男性に頼る」ことを前提とした社会システムは、DVや、働いても報われない低賃金・非正規化による女性の貧困を拡大させ、見えにくいがゆえの政策的支援の遅れを生んできた。そうした構造によって追い詰められる女性たち、行政が女性への偏見を利用して低待遇の公務員を作り出す。反貧困ネットワークの現場支援の約半数が女性を占める。高齢女性の4人に1人が貧困の現状にホームレスとなってしまいSOSが来ることが定常化している。

●映画『ここから「関西生コン事件」と私たち』の土屋トカチさん(写真)と短編映画「わたしは非正規公務員」の山岸薫さんと懇親会でも話し込んだ。非正規公務員問題を真剣に取り組まない労働組合の現状、反貧困運動と労働運動の連携の弱さが課題となる。分断された自己責任社会に対し運動の分断を自ら作ってどうする! 苦しむ当事者の声を現場で聞き、共に解決するために奮闘しながら現場で起きている事実から「貧困問題を社会的・政治的に解決していこう!」
(瀬戸大作さんのFBより)


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