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高橋省二(「憲法寄席」創作集団&「面従腹背の会」制作)です。

5月12日〜14日、西武新宿線「下落合」のすぐ近くにある劇場「TACCS1179」にて、面
従腹背の会旗揚げ公演「蝶が羽を閉じるとき」(前売り3000円)を上演します。作・演出は
、長年「憲法寄席」で共に活動している劇作家の杉浦久幸氏です。
(因みに杉浦氏は、5月5日〜14日、俳優座劇場にて上演予定の小林多喜二の母を描いた
演劇「母」(三浦綾子原作、鵜山仁演出、佐々木愛主演)の台本作者でもあります。)
以下は、今回の公演の趣旨を作・演出の杉浦久幸氏が「思想運動」紙4月1日号に寄稿し
た内容です。チケットは、まだいずれの日も空席があります。
チケット予約等ご希望の方は、下記までご連絡下さい。 高橋省二 090(4385)7973 FAX 03(3909)4123 orimaru-takahashi2019@jcom.zaq.ne.jp <mailto:orimaru-takahashi2019@jcom.zaq.ne.jp>
//////////////////////////////////////////////////////////////////////////////// ●面従腹背の会公演「蝶が羽をとじるとき」紹介 「コロナ時代」の新しい舞台表現を求めて
この舞台の主人公ロベール・デスノスは一九〇〇年パリの下町に生まれ、エコー・ド・パ リのシュルレアリスト詩人として出発。エレンブルグやガルシア・ロルカたち芸術家とも 交流し、フォルクローレに触れる。三十年代にはシュルレアリスム運動を離れ、彼の愛し たパリの下町風の庶民的な美しい詩や子どものための詩を書き、映画や評論も。創生期の ラジオ放送番組やCMでは『声の詩人』と呼ばれ、一躍人気を博した。 一方、ナチス占領下のパリでのユダヤ人排斥政策に反対し、レジスタンス活動に身を投じ 、地下出版で詩、批判記事を書き続けた。四四年二月、ゲシュタポに逮捕・投獄されたが 、抵抗者の姿勢を崩さず、虐待に耐え、煙草の包み紙などに詩を書き、古い民謡を歌い、 いつも面白い話をしては獄中の仲間を勇気づけたという。しかし四五年五月、チェコのテ レージェンシュタット強制収容所をソ連軍が解放した時には、チフスに罹り放置されたデ スノスの姿があった。 彼の人生にはナチスの残虐性が常に付きまとうが、彼の詩から溢れ出てくる言葉は、人間 への「愛」であり、不安や恐怖に慄く人々に勇気を与えた。 「今宵僕が歌うのは戦うことではなく/日々を大事にすることさ/生きることの楽しさや/ 友達と呑むワインのうまさ/愛や/ともし火や/夏のせせらぎ/食事のたびのパンと肉/道端 を歩みつつ口ずさむルフランの調べ/安らかで苦悩を知らぬ/眠りのこと/別の空を見る自 由/そして尊厳の感覚と/他人の奴隷になることを拒む勇気だ」(詩「テレ―ジェンシュタ ット収容所」) 彼は移民やマイノリティーへの差別や偏見を持たなかった。彼の「異なる感性を持つ人間 への深い興味」は国粋主義的な、あるいは排他主義的な空気が漂う現在の日本社会が取り 戻すべき指針ではないかと僕は思う。 そんなデスノスの生きた時代を、僕たちは今、舞台化する。世界大恐慌でどの国も自国経 済を立て直すのに精一杯で、よその国のことに構ってはいられない。かって画家になれな かった男が世界制覇を夢見て独裁者となり、国民は彼に熱狂した。時代も国も違うが、今 もどこか似てはいないだろうか。 そして今、この国の演劇はどうだ。「国の言うことに 従わなければ、それは別にいいけど、劇場は貸してやらないよ、だから仕方がないんだ」 この言葉に慣れて国の思い通りの芝居をやるようになる。そんなことのないように、腹に 一物、持ち続けていなけりゃならない。ぜひ一人でも多くの人に観て欲しい。【杉浦久幸 (劇作家)】 

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