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傷んでいる社会を労働現場から変えよう!〜「第15回なくそう! 官製ワーキングプア集会」開かれる


全録画(3時間)

 10月15日、東京・日本図書館協会研修室で「第15回なくそう! 官製ワーキングプア集会 反貧困集会2023」が開催された。ユニオン、市民運動、各グループ、個人などさまざまな人たち約80人が集まり、充実した集いとなった。この日のテーマは「3年公募で自治体はどうなった!? 公務職場から不安定雇用をなくそう」だった。会計年度任用職員制度が4年目を迎え、多くの自治体で3年雇止めが導入された中、雇止めの実態はどうだったのかを検証した。そして不安定雇用をなくすためにどうしたらいいのか、知恵を出し合った。

 最初に「公務非正規女性全国ネットワーク(はむねっと)」共同代表の瀬山紀子さんが、514件のアンケート調査結果を発表した。そこから見えてくるのは、理不尽な雇止めが多数発生していること、いっぽう国の調査がないので実態が見えにくいこと、ベテラン非正規が職場から追われていること、職場(公共サービス)の不安定化が進んでいること、頼りになるのはユニオンであること、などであった。

 さまざまな現場からの活動報告があった。狭山市の司書雇止め当事者、郵政20条裁判原告、介護ヘルパー国賠原告、東ゼン労組の労働基本権裁判、がくろう神奈川の臨時的任用職員問題などなど、どれも生々しい現場からの話で、いまの日本の状況がクリアに見えてきた。

 日本郵政は40万従業員のうち半数が「非正規社員」で大きな格差がある。その是正をもとめる「労働契約法20条裁判」をたたかってきた原告・岡崎徹さん(写真上)は熱く語った。

「2020年10月23日の最高裁判決で手当の是正が実現した。私はそのとき“時代の扉が動く音が聞こえた”と語ったが、それが全ての新聞の大見出しになった。うれしかった。たたかって楽しかった。それは連帯する仲間ができたことだった。これから皆さんと一緒の次の扉を開けていきたい。手当は改善されたが、ボーナスと退職金の問題が残っている。一番の問題は“差別”だ」。

 20分のスピーチだったが、20条裁判の全貌と意義が伝わってきた。そして「労働現場が傷んでいることは社会が傷んでいること。同じ仕事なら同じ待遇というあたりまえの社会をつくっていこう」と結んだ。(M)


Created by staff01. Last modified on 2023-10-16 15:25:38 Copyright: Default

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