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第62回水曜行動in新宿 : 日本軍「慰安婦」問題の解決は、女性の人権・平和の未来をひらく!
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 3月16日、韓国の尹錫悦大統領が日本に来て、岸田首相と首脳会談を行います。その目的の一つに3月6日に尹大統領が発表した「強制動員解決策政府案」の合意があります。昨日(15日)の水曜行動で話されたことの報告です。(尾澤邦子)

<第62回水曜行動in新宿 報告>

日本軍「慰安婦」問題の解決は、女性の人権・平和の未来をひらく!

 3月15日(水)12時半から新宿西口で行われた水曜行動。
 司会の木瀬さん(写真下)は、ドイツのカッセル大学に設置されていた平和の少女像が、日本政府の圧力で撤去されたということから話し始めました。日本政府のこのような暴挙は、これまでもフィリピンやアメリカ、アルゼンチンなどでもありました。平和の少女像は、戦時下での女性への性暴力被害をなくそうと、各国の市民たちにより建立されているのですが、それを日本政府が圧力をかけてやめさせるというのは、とんでもない暴挙です。

 続くスピーチで、国連の「自由権規約」についての話がありました。日本は国連から、「慰安婦」問題をきちんと解決するようにと何度も勧告を受けています。日本政府は「強制連行はなかった」などと言っていますが、政府の事実認識は根拠がなく間違っています。甘言でだまして連行するのも強制連行です。人間としての自由と尊厳を奪った戦争犯罪を犯してきたことを日本政府は認めるべきです。

 16日に韓国の尹錫悦大統領が来日しますが、「徴用工問題」についての韓国政府の解決案について、「強制動員問題解決と過去清算のための共同行動」の矢野さん(写真下)が発言しました。

 「日本はかつてアジア全域で戦争を始めました。750万人もの人々が日本から戦地に行かされました。その労働力不足を穴埋めするために植民地からの労務動員を行いました。日本に動員された人は70万とも80万人とも言われています。その人たちは最も過酷な現場での労働を強いられました。炭坑や鉱山、製鉄、港湾荷役、また軍需工場などで働かされました。給料はまともに支払われませんでした。労災にあったり、亡くなった人たちもいました。こういう問題を日本は処理したのか。しなかったため、被害者たちが日本に来て裁判を起こしました。被害事実は認められ、企業もその責任を認めましたが、「時効」や戦前とは会社が違うとかの理由で企業は責任を免れてきたのが実態です。裁判は棄却され、結局未解決のままでした。被害者たちはあきらめず、韓国で裁判を起こし、最高裁でその訴えは正しいと認められました。強制連行により、肉体的・精神的苦痛被害を受けたことは明白だとして、被告企業に対し賠償を命じました。2018年のこの判決から4年半近く経っています。被害者たちは年老いて亡くなったりしています。被害者たちは被告企業に対し、判決通りに賠償金を払い謝罪してほしいと訴えてきました。しかし日本政府は、韓国政府に対して韓国でなんとかしろと逃げてきました。韓国政府は、韓国にある財団に肩代わりして払わせるという案を出してきました。でもそれでは被害者も韓国国民も納得しません。日本政府に対して誠意ある対応を求めてきましたが、日本政府は受け入れません。3月6日に韓国政府が発表した案では、韓国の財団が肩代わりして払うということだけになってしまいました。歴史認識について『全体として歴代の認識を引き継ぐ』としていますが、被害者に対する謝罪はありません。1995年の村山談話や1998年の日韓パートナーシップ宣言で小渕総理は、韓国国民に対して多大な損害と苦痛を与えたと事実を認め、お詫びすると言いました。今回の政府表明は謝罪をあいまいにしています。これで問題が解決するでしょうか。被害を受けた人たちは納得していません。被害者の尊厳回復のために、被害者が納得できる解決を目指して、日韓市民で連携して運動を続けていこう」と話しました。

 日本政府は真摯に歴史と向き合い、過ちを繰り返すことなく、日本軍「慰安婦」問題、徴用工問題を解決すべきです。被害者を置き去りにした解決策には反対です。


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