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●自業自得の安倍晋三

吉原真次

 安倍晋三元首相の射殺事件については自業自得というしかない。何故なら安倍は人の不安に付け込む霊感商法を行い、多くの家庭を破滅させてきた旧統一教会(現世界平和統一家庭連合)に対して数々の便宜を図ってきたからだ。射殺実行犯の山上徹也容疑者はその被害者の一人である。

 安倍・岸両家にとって旧統一教会は統一教会の設立、分派組織の国際勝共連合の国内設立に全面協力した岸信介から選挙の応援と集票、さらに資金提供をしてくれる団体で両家と旧統一教会と関係のあった議員たちにとっては旧統一教会との関係はファミリービジネスで、福田達夫(福田赳雄の孫)が「何も問題は感じない」と発言し、幼少期に岸家の養子となった安倍の弟岸信介が7月29日の記者会見で旧統一教会の問題を知りながら選挙の支援を受けていたと語ったように彼らにとって当たり前のことにすぎない。

 政治家が特定の宗教団体と関係することが団体活動の正当化と宣伝につながるにもかかわらず、安倍晋三は自分と自分の派閥のために旧統一教会との関係を維持・強化し続けた。官房長官時代の2006年には旧統一教会系のNGO(非政府組織)、天宙平和連合の合同結婚式に祝辞を兼ねたメッセージを送っている。第一次安倍政権では統一教会が公安警察の重要監視対象から除外され、第二次安倍政権では2015年の統一教会は1994年から差し止められてきた名称変更が認可された。また安倍は2013年9月に旧統一教会の機関誌「世界思想」の表紙に登場して以来、数回にわたり表紙を飾っている。さらに第二次安倍政権の閣僚の約半数に当たる12名、副大臣や政務次官も含めれば30人の政権中枢の自民党議員が旧統一教会と何らかの関係を持ち、旧統一教会の関連イベントに祝電を送り、出席して祝辞を述べた他に機関誌のインタビューに顔を出している。2014年の「祝福原理大復興会」には荻生田光一自民党総裁区別補佐と中川雅治参議院議員運営委員会が来賓として挨拶し、また第一次安倍政権で安倍に重用された井上義行議員は旧統一教会の賛助会員であることを認めている。

 そして山上容疑者が殺害を決意する契機となった2021年9月12日の天宙平和連合のイベントのビデオメッセージで安倍は韓鶴子総裁を持ち上げ天宙平和連合を絶賛した。同年9月17日には全国霊感商法弁護士会が抗議文を出したが安倍は無視し続けた。山上容疑者の行動を弁護するつもりはないが、安倍晋三とその仲間の一連の行動を見ていると自業自得としか思えない。

 選挙に勝ち権力を獲得する為には霊感商法で多くの家庭を崩壊させた旧統一教会と組んだ政治家を国葬にする理由がどこにあるのだろうか!(8月3日)


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