本文の先頭へ
LNJ Logo 投稿 : 憲政史上最悪の政治家・安倍晋三の国葬に反対する
Home 検索
 




User Guest
ログイン
情報提供
News Item 1657844355289st...
Status: published
View


投稿者:吉原真次

安倍晋三の国葬に反対する

 7月14日の記者会見で岸田文夫首相は8日に射殺された安倍元首相の国葬を発表したが、私は反対する。安倍晋三が7年8ヵ月の首相就任中に行ったことは政治の私物化、対米従属の深化、そして戦争のできる国作り、その結果として貧困の深刻化がもたらされた。かつて安倍は民主党政権を「悪夢」と呼んだが、私たち99%にとって安倍政権は災厄以外の何ものでもない。

 安倍政権が発足した2012年末に比べ株価は2,7倍になったが、名目賃金から物価変動の影響を除いた賃金の動きを示す実質賃金指数の21年平均は12年を下回った。国際残高は12年末の705兆円から21年末には991兆4000億円に膨らんだ。2020年4〜6月の実質GDP(国内総生産)は、リーマンショック後のマイナス17,8%からマイナス27,8%と戦後最大の落ち込みとなっている。

 株価上昇は経済成長ではなくアベノミクスの金融緩和と年金積立資金の株への投入の結果にすぎず株には縁のない私たちに恩恵は一切ない。それどころか2014年、19年の2度にわたる消費税引き上げにより私たちの生活が圧迫される一方、法人税減税により企業の内部留保は484,4兆円になった。

 2021年度の国の税収は過去最高の67兆円だが、そのうち最も額が高いのは消費税の21,9兆円で法人税は15兆円以下。1980年代には15段階で10,5%〜70%の所得税は今では5〜45%の7段階、金融所得税は一律に20%とされ、1%は資産を大幅に増やした。その結果がまじめに働いても十分に食えない人々の増加だ。私たちは貧しくさせられたのだ!

 森友・加計問題では自分の取り巻きに多大な利益を与えながら、TPP(環太平洋経済協定)で日本の農業に命取りになりかねない譲歩をし、さらに2018年4月には種子法を廃止して企業による種の独占の道を切り開き、12月には水道民営化につながる改正水道法を強行可決した。私たちの生命を左右する農業と種子、そして水さえも大企業と外国資本に売り渡したのだ!

 対米従属の深化は米国の言い値での兵器爆買い、そして2017年の南スーダンへの「駆けつけ警護」、2020年の中東への海上自衛隊の派遣、さらにTPPよりも日本に大幅に不利となるTAG(物品貿易協定)を締結し、米中貿易摩擦で行き場のない275万トンの米国産トウモロコシを言い値で買った。

 「地球儀俯瞰外交」で誇れるのは外遊の数だけ、国益無視の2島返還の為にプーチンに出した3000億円は無駄になった。

 これらは安倍晋三が私たちにもたらした災厄のほんの一部にしかすぎない。憲政史上最悪の政治家を国葬にすることなど許されない。


Created by staff01. Last modified on 2022-07-15 09:19:16 Copyright: Default

このページの先頭に戻る

レイバーネット日本 / このサイトに関する連絡は <staff@labornetjp.org> 宛にお願いします。 サイトの記事利用について