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LNJ Logo 立憲民主党の鎌田さゆり議員が鋭く指摘、政府は侮辱罪の法定刑引き上げを撤回すべき
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*レイバーネットMLから

みなさま 角田です。
4月27日の衆議院法務委員会の質疑はよかったです。面 白かったといえば不謹慎と言われるかもしれませんが、面 白かったのは事実です。
特に、立憲民主党の鎌田さゆり議員の質問はさえていました。 政府提出の刑法「改正」案の問題点を鋭く突き出しました。 鎌田議員が、街頭演説をしていたところ「お前婆ぁだから とっとと消えろよと言われた場合」、私はこれは侮辱と感 じたので、私による現行犯の私人逮捕は可能ですね、と質 問。これに対して、回答をにごらせていた大臣、警察庁も くいさがる鎌田議員の質問に、最終的には逮捕は可能と認 めざるをえませんでした。
現行の侮辱罪は、法定刑は「拘留(30日未満)、科料(1万 円未満)です。この場合、基本的に逮捕・拘留はできません 。というのは刑訴法213条で、住所不定か逃亡の恐れが ある場合しか、逮捕・拘留はできないと規定されているため です。しかしこの法定刑が引き上げられ、懲役か禁固1年以 下、罰金30万円以下になると、逮捕・拘留できるようになり ます。
鎌田議員の質問の鋭いところは、政府の侮辱罪法定刑引 き上げ案が、SNS、インターネット上における誹謗中傷に限 定されず、リアルの現場でも適用されることです。 立憲民主党の対案は、SNS、インターネット上における誹 謗中傷を対象にしようとするものですが、政府案そうではあ りません。ネットもリアルも対象です。 そうすると、リアルの現場で侮辱発言をした者は、現行犯逮 捕することができます。
刑訴法213条は、「現行犯人は、何人でも、逮捕状なくしてこ れを逮捕することができる」としています。 この何人には、当然市民も含まれます。市民は、現行犯逮捕 であれば、犯罪をおかしたものが、市民であれ、警察官でも 逮捕できます。 侮辱罪の法定刑引き上げは、市民が警察官に職務質問などで 侮辱的発言を受けた場合、市民が警察官を逮捕できるように なります。ただ、逮捕した場合、直ちに警察に連絡し、引き渡さ ないと、逮捕監禁罪で市民が逮捕されます。 侮辱罪は、定義が曖昧で、拡大解釈が可能です。また、人に よって、侮辱的発言についてのとらえ方も違います。ある人 には侮辱でも、別の人にとっては許容範囲かもしれません。 別の見方をすれば、権力者にとっては、侮辱罪で市民など を簡単に逮捕できるということです。 本来、表現の自由にかかわる規制については、慎重に対応す べきです。
特に、侮辱罪は「事実を摘示しなくても、公然と人を侮辱し た者は、拘留又は科料に処する。」というもので、事実を指 摘しないで、不特定多数の人が知ることになる状況で、人を 侮辱する(人格的価値に対し、軽蔑した感情を表すこと)こ とによって成立する罪です。
侮辱罪等の表現の自由にかかわるものは、刑法ではなく民亊 で対応すべきなのです。
政府の侮辱罪の法定刑引き上げは、本来、SNS、インターネッ ト上での誹謗中傷で人が自殺するなど重大な問題になってい るにもかかわらず、そこに特定した対策をとらずに行うとして いるところに問題があります。 政府は侮辱罪の法定刑引き上げを撤回すべきです。

Created by staff01. Last modified on 2022-05-08 10:18:24 Copyright: Default

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