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LNJ Logo サンケン木曜行動(5/26)報告 : 季節外れの暑さの中、延べ参加人数が100人を超えた!
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●韓国サンケン労組を支援する会・5月26日第82回木曜行動報告

季節外れの暑さの中、延べ参加人数が100人を超えた!

 5月26日の第82回木曜行動には、季節外れの暑さの中、延べ参加人数が100人を超えた。サンケン電気の株主総会が一か月後に迫る中、支援する会はサンケン電気のビジネスパートナーへの要請行動を展開するなど、サンケン電気への圧力を強めている。韓国の仲間からは、サンケン電気の韓国での事業展開の連携相手であるLG電子に対する取り組みの強化も報告されている。

≪5月26日7時過ぎ 本社正門前「子に責任を押しつける親はいない!サンケン電気は過ちを認めよ」≫

支援する会の仲間の発言からスタート。韓国サンケン労組のキム・ヒョンジンさんからオンライン・アピール。「5年前に解雇を撤回させ復職するときに合意書を結んだ。重大な問題が起きたときには労組と話し合うことが合意書に書いてある。合意書は何のために結んだのか?約束を守るためではないのか?約束を守らないサンケン電気に、みなさんの抗議の声を!」「いま私たちは組合員それぞれが一人ずつ動いている。きょうは金属労組の事務所にいるメンバーの動きを紹介する。この事務所には二人が寝泊まりする。6時20分に事務所から国会に向かう。7時20分ころ国会に着いて一人デモを行う。そこを通りかかる人が私たちに聞いてくる。国会の職員、議員もいる。そこで韓国サンケンの問題を訴える。時には議員の秘書官がコーヒーを持ってくることもある。国会の一人デモを終えるとバスでサンケン・コリアの前に行く。汝矣島のLG電子本社に行く人もいる。LGのツインタワーには沢山の人が出勤する。そこで9時までアピールする。次に地下鉄でサンケン・コリアに向かい、テントの籠城組と交代する。一息入れて10時過ぎにテントを出る。金属労組から拡声器を持ち出して市民にアピールする。13時に昼食に向かう。市民から『テレビを観たよ』、『なせこんなことをするのか!』などいろいろな人が声をかけてくる。夕方もまた市民に訴える。サンケン・コリアの近くにはLG電子もあるので、退勤する社員に訴える。6時半には夕食に行き自由時間を過ごす。翌日の打ち合わせもして、翌日の英気を養うために11時に消灯する。私たちが、こんな不規則な生活でなく、普通の平凡な生活を送れるよう、みなさんのご協力を!」

ヤン・ソンモさんが続ける。「日本のみなさん、おはようございます。みなさんから見れば私たちは外国人労働者。5年前の解雇撤回闘争の後で少し休んだときに、自分も韓国にいる外国人労働者の支援ができるだろうか考えた。今になってもまだ分からない。自分のことだけで精一杯な世の中で、他人のことに関わることが如何に大変な時代か、よく分かっている。だから日本の仲間のみなさんに心から感謝している」―ここでネット状況が悪くてオンライン・アピール中断。「私はソウルでの上京闘争から帰ったところだ。ソウルではサンケン・コリアの前で毎日行動していた。ある日、通りかかった年配の人が『なぜここで行動しているのか?』と聞いてきた。私はサンケン電気について細かく話をした。サンケン電気が組合との合意書、労働協約を守らないこと、会社が嘘ばかりついていることを話した。また外資企業、日系企業の韓国人労働者への仕打ち、悪辣さを説明すると年配の市民は『それは大変だ。頑張って!』と言ってくれた。私たちの話に耳を傾けている人がいることがとても嬉しかった。サンケン電気周辺のみなさん!朝の貴重な時間にお騒がせして、不快な思いをさせて申し訳ない。でも私たちは5年前に訪日して本社前で訴え闘いによって復職できた。しかし工場正常化の夢は壊された。また再び解雇され、闘いを再開せざるを得なかった。こんな苦しいことは繰り返したくないと合意書を結んだが、サンケン電気は投資をせず、休業を繰り返した末に、工場は赤字を理由に潰された。合意書の約束は破られた。本社が一方的に決定し、通告してきた。韓国サンケンの社長は『何も知らなかった』と言いながら嘘八百ばかりだ。約束を守らない、一方的に首切りする会社がサンケン電気だ。日本国内の事業所の統廃業では事前に労組と話し合い雇用保障もする。しかし韓国労働者に対しては扱いが違う。サンケン電気の社員のみなさん、私たちも5年前までサンケン電気グループの一員だったが、現在は解雇されている。韓国サンケンの赤字は経営者と親会社の責任であり、労働者の責任ではない。子に責任を押しつける親はいない。過ちを潔く認めて、行動しなければならない。日本の仲間のみなさんに感謝します!日差しが強くなっています!水分を取って、熱中症対策に気をつけてください!」

キム・ウニョン副支会長が続ける。「私が1990年に入社した頃は、韓国サンケンはきれいな会社で日本人管理職も一緒に働いた。サークル活動も一緒に加わっていた。日本人は親切だ、サンケン電気は良い会社だ、と思ったが、そんな思いは長くは続かなかった。様々な問題が起こった。女性社員に対して、飲み会でセクハラ紛いのこともあった。また急用でラインを離れると翌日には自分の席がなくなることもあった。病気や家族の問題で休むと給与支給日に全社員の前で『お前は給与をもらう資格があるのか』などと非難するような会社になってしまった。手先が不器用な人には昼食抜きでラインから離れられないこともあり、労働者の人権が踏みにじられる状況になり、自らを守る新たな労組を作ろうと思うようになった。その頃になると、日本人管理職は日本に帰り韓国人管理職が工場を統制するようになり、それが合図で工場の状況が変わった。韓国人労働者の知らないままに、本社の株主総会の決定で工場のインドネシア移転の話もあったが、長い闘いで跳ね返した。サンケン電気は韓国に新たな法人を作った。サンケン電気はいつでも工場を撤収出来る準備を進め、廃業に至った。和田会長が言ったという、『5年前の解雇撤回―復職がなければ廃業も無かった』という言葉に全てが凝縮されている。サンケン電気が思い描くのは、労働者を好き勝手に解雇でき、非正規労働者を雇い、利潤を上げていく工場だった。天安市に非正規と外国人労働者しかいない工場を買収した。サンケン電気のその選択は誤っていた。日本のみなさんの闘いがそのことを明かしている。サンケン電気は嘘つき、合意破りの会社として韓国でも日本でも有名になった。さらに有名になるだろう!何故なら私たちは勝つまで闘いを止めないからだ。今からでも遅くない。話し合いに応じて、尾澤さんの弾圧も謝罪すべきだ!それがサンケン電気が生き残る唯一の道だ。韓国はとても暑い。共に頑張ってこの暑さを克服しましょう!闘争!」 埼玉市民の会、旭ダイアモンド工業の仲間の発言の後、最後に30人を超える参加者が正門前に並んでシュプレヒコールを浴びせて締めくくり、志木駅に移動した。

≪5月26日9時 志木駅南口「サンケン電気は人を大切にする会社に生まれ変わらねばならない!」≫

埼玉市民の会の仲間の発言でスタート。韓国サンケン労組の似顔絵パネルが志木駅南口広場に賑やかに並ぶ。
韓国サンケン労組のキム・ウニョン副支会長からオンライン・アピール。「入社した時は二十歳のうら若き労働者だったが、いまは五十歳を過ぎた。青春を韓国サンケンの工場で過ごした。そんな私が今は解雇されている。 多くが20代で入社し、今では40代、50代になっている。平凡な生活よりも闘いに明け暮れ、テントや路上での座り込みが多かった。会社と労使合意や協約を何回も交わしてきた。賃上げよりも労働条件を守ること、特に工場が一方的に譲渡されたり撤退することに歯止めをかける労働協約に力を注いだ。工場閉鎖や譲渡の事前協議、労使協議の重視を約束させてきた。賃金は最低レベルでも雇用の保証を重視した。それなのに30年間の私たちの努力を水の泡にして本社取締役会で廃業を強行した。労働協約や合意書を積み上げてきた私たちの闘いを踏みにじった。サンケン電気経営陣と同じように私たちも人間だ。尊重されるべき人間だ。必ず謝罪させなければ気が済まない。一方的に踏みにじられて黙っていれない。会社は利潤が目的だが、労働者を踏みにじって良いわけではない。不当逮捕された尾澤さんが無罪になるようにサンケン電気も努力しなければならない。暑い夏が近い。気をつけて!闘争!」

イ・ヘミンさんが続ける。「サンケン電気は韓国から撤退した訳ではない。経営陣は出世しているのに、なぜ労働者は解雇されるのか?韓国サンケンで20年間も働いた私に解雇とは!市民のみなさん、応援を!諦めずに最後まで闘います!〔日本語で〕にほんのみなさん、けんこうにきをつけて!闘争!」

ヤン・ソンモさんが続ける。「私たちは680日以上にわたって闘い続けている。しかしサンケン電気は私たちの訴えを無視している。この怒りをどこにぶつけたらいいのか?やれることは何でもやった。議員にも、道〔日本の県に相当〕議、市議にも、国会議員にも、支援する人がいればどこにでも行った!韓国国内で色々やったが限界があった。サンケン電気は私たちに向き合わない。市民のみなさんの声が必要です!株主総会が6月にある。社長が変わってもサンケン電気の態度は何も変わらない。株主のみなさんは株主総会で『韓国サンケンの問題はどうなっているのか?』『問題が解決しないと、サンケン電気は一歩も前に進めない』と発言してください!私たちはサンケン電気の過ちが株主総会で正されるか注目したい。企業にとって重要なことは、人を大切にする会社にならなければいけないということではないか。サンケン電気は人を大切にする会社に生まれ変わらなければならない。人を大切にする社会を私たちは求める!」

群馬合同労組の発言に続いて、ゆいの会&ノレの会、サンケン太郎が歌を熱唱。最後に明大生協労組の仲間」発言で志木駅のアピール行動を締め括り、池袋に移動した。

≪5月26日正午 池袋東京事務所ビル前「廃業の理由は赤字ではない、労働組合があるからだ!」≫

池袋のサンケン電気東京事務所ビル前で昼休み集会。支援する会の渡辺共同代表、埼玉市民の会の仲間の発言に続いて、韓国サンケン労組のキム・ヒョンガン事務長からオンライン・アピール。「韓国は急激に暑くなり、組合員は大変な辛い思いをしている。組合員の体調管理を考えると、正直なところ気持ちが重たい部分もある。冬は寒く、夏は厳しい暑さとの闘いになる。暑い時にはテントがオンドルみたいになる、中に入ることもできない。そんな時にはテントの前に日陰を作っている。私は5月7日から20日までソウルにいた。家族と離れているので、よく連れ合いに電話してお互いに体調を確認する。解雇は労働者と家族に苦痛を強いる。サンケン電気は2回も私たちを解雇した。47年間も韓国で上げた利益を韓国サンケンに還元しなかつた。そして廃業して解雇した。労働者に働く環境を整えるのが経営の役割だ。しかし自分たちの経営の失策を労働者に責任を転嫁している。経営者としての責任を一切取ろうとしない。『5年前の解雇撤回、復職がサンケン電気のイメージを傷つけた』と和田前社長は語った。世界的に気候変動対策で、例えば自動車ならエンジンから電気自動車に代わる。企業に危機は訪れるが、危機をチャンスにかえるには投資が必要だ。それが経営者の役割だ。サンケン電気はその投資をしないで労働者を解雇した。韓国の自動車メーカーは最近悩みが多い。電気自動車になり20万個の部品が減った。しかし部品が減ったからと言って労働者は解雇されねばならないのか。韓国サンケンの廃業の理由は累積赤字ではない、労働組合があるからだ。偽装廃業を撤回して、解雇した労働者を復職させねばならない。池袋をご通行中のみなさん、楽しいランチの時間に申し訳ない。労働者を不当解雇して恥じない、労使合意も守らないサンケン電気に糾弾の声を上げてください!日本のみなさんの連帯闘争で私たちは闘い続けることが出来る。健康に留意しながら共に闘いましょう!闘争!」

京浜ユニオン、韓統連、全労ユナイテッド航空闘争団、群馬合同労組、連帯労組武蔵学園の仲間が次々とリレートーク。最後に支援する会の仲間が、サンケン電気のビジネスパートナーの取引会社に要請行動を展開してことを報告。7・8階のサンケン電気東京事務所に向かってシュプレヒコールで第82回木曜行動を終了した。

支援する会ニュースNO.83(pdf)


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