声上げた若者たちを支えていこう!/レイバーネットTV、福島の健康被害に迫る | |||||||
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声上げた若者たちを支えていこう!〜レイバーネットTV、福島の健康被害に迫る堀切さとみ(「特集」企画者)4月20日のレイバーネットTVは、「11年目のフクシマ〜若者を襲った健康被害」と題して放送した。「直ちに健康に影響はありません」という会見から11年たった今、福島でどんな影響が出ているのか。この1月、小児甲状腺がんの若者6人が、東電を相手に裁判を起こした。大手メディアは大きく取り上げようとしない中で、何としてもこの裁判に注目してほしいと思い、特集を企画した。 ゲストとして、OurPlanet-TV代表の白石草さん(写真)に登場してもらった。白石さんは3・11後、子どもたちに軸足を定めて福島を取材し、チェルノブイリ事故から28年目の子どもたちの映像をつくったこともある。原発事故後に生まれた子どもたちが学ぶ教室で、健康に問題のない子どもは一人もいないことが衝撃的だった。小児甲状腺がんだけが原発事故との因果関係を認められている病気で、日本ではすでに300人近くの子どもに甲状腺がんが見つかっているのだが、「過剰診断説」などを持ち出して、福島には健康被害はないと言い続けている。白石さんのおかげで、原告の若者、ゆうたさんにもオンラインで出演してもらえることになった。 また、今回は少しユニークな試みとして、絵本作家の鈴木邦弘さんにも登場してもらった。彼は福島を自分の足で歩き、そこでみたもの感じたことを絵で伝えるアーティストだ。いぬとおじさんが描かれるほのぼのした画風だが、福島の人たちの悲しみと、鈴木さんの怒りが怖いくらいに伝わってくる。国が進める「復興」とは何か。絵と共に伝えてもらうことが出来た。
健康問題に触れることは、とても難しい。私自身、避難者の人たちから、がん、突然死する若者、異常出産などの話を聞くことはあったが、福島県内では、健康異常について話をすることは許されない。「不安を煽るな」と言われたり、健康に関する話を引き出すこと自体が人権侵害だという人もいる。それでなくても、そこに暮らす人達にとって、不安や緊張を維持することは難しい。取材するのはどれほど困難だっただろう。その困難なテーマに白石さんは向き合い続け、声を上げた若者たちを全力で支えている。実際に話を伺い、本当に勇気づけられた。 白石さんの話の中で衝撃的だったのは、大人でも動揺するガン告知を、10代が「落ち着いて」受けとめているということだった。「自分は死ぬかもしれない」という不条理に直面しても、言葉や感情を封印している人があまりに多い。「何も問題はありません」という国の見解を福島の大人たちが支え、それを見た子どもたちは親たちを困らせないように振舞っている。ゆうたさんも「もう終わったものだと割り切っていた」という。でも心の中ではモヤモヤしたものがずっとあって、白石たちと出会うことで、自分の病気と向き合うようになったと話してくれた。子ども裁判は、国に因果関係を認めさせるということだけではない、福島の子どもたちが言葉を取り戻していくための重要な場になるのだと、強く思った。
裁判というと「子どもに言わせるなんてかわいそう」という人がいるかもしれない。でも、何が子どもを守ることなのか。白石さんが最初に「おかしい」と思ったのは「放射能被害は煙草の害よりも低い」という見解を聞いた時だったという。ちょっと待ってくれ、大人は平気で吸っているけれど、子どもにとっては一本の煙草でも致命的でしょうと。ところがこの国では、大人と子どもを同じものとして扱い、大人が大丈夫なのだから子どもだって大丈夫という考え方が許容されているのだ。これは異常なことではないだろうか。 ガンで闘病中の山口正紀さんの感想が温かかった。「当事者にだけ語らせ続ければいいのではない」という鈴木さんが決意も、本当に同感だ。スタジオ全体が子どもたちを孤立させてはいけないという空気に包まれたのが嬉しかった。多くの人に放送を見てもらいたい。異論も含めて、オープンに語れる社会を目指したいと思う。 ************************** 〇『通販生活』最新号(2022年夏号・350円)に、『小児甲状腺がんはいま』の特集で、原告六人の話と、白石草さんの文章が載っています。より詳しいことがわかります。ぜひ読んでみてください。 〇「311子ども甲状腺がん裁判」の詳細は、ウェブサイトをご覧ください。→https://www.311support.net Created by staff01. Last modified on 2022-04-24 07:56:09 Copyright: Default |