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一緒に東アジアの平和をつくろう!〜3.1朝鮮独立運動103周年東京集会

3.1朝鮮独立運動103周年東京集会が、2月27日(日)午後2時から、東京都文京区民センターで開催された。

主催者あいさつで「3.1朝鮮独立運動」日本ネットワークの加藤正姫さんは、歴史に真摯に向き合うこと、朝鮮半島の分断固定化に手を貸し、朝鮮半島の統一を妨害している日本政府の責任を追及していくこと、改憲・軍事大国にひた走る岸田政権にブレーキをかけ、貧困や差別、格差がない公正で平等な社会をつくることを訴えた。

2019年に私がつくった映像「植民地支配に抗って―3.1朝鮮独立運動」を上映した。朝鮮半島全域で継続して闘われた独立運動。現在に続く日本の植民地支配意識がよくわかった。元徴用工問題、日本軍「慰安婦」、朝鮮学校差別の問題など、今も変わらないことを実感した。変えなくてはいけないのに。

戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会、東北アジア市民連帯行動の高田健さんが、講演「岸田改憲の動向と東アジアの緊張」を行った。

高田さんは、「2000年に国会に『憲法調査会』ができたが、いま憲法改悪の大変な時期が来ていることを実感している。国会で、憲法に『緊急事態条項』を入れて、オンライン国会を認めていこうという議論が行われている。また、ウクライナ情勢にかこつけて安倍元首相は『憲法を変えて軍事力を強化しなくてはいけない』と言っている。岸田政権は改憲論議を起こし、改憲国民投票を実施したいと考えている。自民党の憲法改正実現本部(本部長は自民党で最もタカ派といわれる古屋圭司氏)は、全都道府県での『憲法集会』(改憲集会)を企画するなど、改憲に向けた世論づくりを始めている。私たちが草の根の運動で『戦争する国』づくり反対、改憲反対の世論をつくり、改憲を阻止できるかどうか、今後のたたかいにかかっている。軍事的緊張と戦争の東アジアではなく、憲法9条を生かした、非核・平和・共存のアジアをつくることこそ、私たちの未来を拓くものとなる」と話した。

次に、恵泉女学園大学教授のイ・ヨンチェさんが、「2022年韓国大統領選の行方と日韓関係の展望〜若者の政治意識の分析を中心に〜」と題して講演した。

ヨンチェさんは、「2016年キャンドル革命でのムンジェイン政権の登場は、市民革命政権の第1期であり、今度の大統領選挙では、第2期をもって根本的な革命にしていきたいというのが今の韓国社会の主な認識。しかし反共保守勢力は、このキャンドル市民革命を1期で終わらせたい、ムンジェイン政権をつぶすことで終わらせようとしている。キャンドル革命に参加していた若い人の80%、特に20代の男性が、いま保守派を支持している。なぜか。

キャンドル革命後、大統領選挙だけではなく、その翌年にあった地方自治体選挙も、草の根を圧倒的な国民が支持した。2020年の総選挙では、国会議員300名のうち200名を民主党、進歩派が掌握することになった。日本の国会はどうか。3分の2の議員は安倍政権時代の4回の選挙で当選した新右翼だと思う。歴史修正主義の価値観を持っている人々がほとんどではないか。日本社会の主流は反共保守だと思う。徴用工の問題、日本軍「慰安婦」の問題、それらの認識を変えていくのは、韓国と日本を、今どういう勢力がリードしているのかが根本的な問題だと思う。

ムンジェイン政権になって、いま一番苦しい立場に立っているのが、20代の若い人たち。韓国の失業率は、例えばソウル大学法学部卒業で正規職は30%。地方の大学卒だと100名の中で一人しか正規職がない。20代の人々にほとんど就職口がない。韓国の新自由主義、グローバル格差問題、終わらない朝鮮戦争など、さまざまな原因でそのひずみが若い人に来ている。女性の活躍が拡がっている中、兵役を約2年間やらなくてはならない。希望が見えない韓国社会、ムンジェイン政権に対する期待が怒りになっている。社会をリードしているのは民主化運動勢力の40代、50代の人々。その人々が韓国社会を破壊しているように見えてしまうのが20代の若者たち。しかしキャンドル革命に戻す原動力になっているのも20代の若者たちだ。

ムンジェイン政権は、昨年のソウル・プサン市長選では、大惨敗に終わった。日本政府は、次は保守政権が登場するから日本は何もする必要ないと、戦後補償問題、徴用工問題についても一切動きがなかった。まさに韓国の勢力が、日本の保守勢力にリンクされている典型的なことだ。大統領選はキャンドル市民革命の延長戦になると思う。そのような動きが復活しているところだ。

韓国大統領選で保守が勝つとどうなるか。北朝鮮に対する危機を煽って戦争を仕掛けることが政権を維持することになる。日本社会では憲法改正しようとする動きが出てくる。日本の自民党保守が生き残る方法でもある。アメリカも北朝鮮と対話する意思は全くない。朝鮮戦争を終結する意思もない。その理由は今回の選挙で、韓国の保守が勝つことを待っているからだ。

朝鮮半島の平和が東アジア平和共同体の実現につながっていく。これに対して日本社会がどうこたえていくのか。韓国のキャンドル革命は民衆革命の流れ。その始まりは3.1独立運動にある。初めて国民主権に目覚めた。それが韓国社会に持続されている」と話した。そして、一緒に東アジアの平和をつくっていこうと呼びかけた。

ヨンチェさんの話は、とても興味深かった。20代の若者の保守化は深刻だけど、希望が持てる。日本の保守は、どうやったら変わるのだろう。(尾澤邦子)


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