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●韓国サンケン労組を支援する会 1月27日・第66回木曜行動報告

韓国公共放送KBSから労組に闘争カンパ! 2/17に特集番組を放映

1月27日の第66回木曜行動は、新座市内の本社前、志木駅南口、池袋の東京事務所ビル前まで、延べ90人の参加があった。

韓国では大寒波が過ぎ去り、「春のような暖かさ」だと言うが、それでも「気温は0℃」と聞いて驚かされる。真冬の馬山とソウルで厳しい闘いが続いているが、この日のオンライン・アピールの中で韓国サンケン労組の仲間からうれしい報告もあった。韓国と日本で取材を続けてきた韓国公共放送KBSが、2月17日に50分の特集番組を全国放映すると言う。YouTubeでネット配信もされるので、グローバル企業・サンケン電気の悪行が満天下に明らかになる。さらに驚いたことに、KBS放送局から(労組ではない!)韓国サンケン労組に200万ウォン(20万円)のカンパが寄せられた。労働者を路頭に放り出しながら、韓国国内で事業を拡大して利益を貪り続ける「食い逃げ外国企業」と闘う韓国サンケン労組への世論の熱い支持が背景にあると見るべきだろう。

いまからでも遅くはない。和田会長、高橋社長らサンケン電気経営陣は、「韓国のことは韓国で」などという無責任な態度を改め、韓国サンケン労組に謝罪し、争議解決に乗り出すべきだ。

≪1月27日 7時過ぎ 本社正門前「あきらめない闘いに、敗北はない!」≫

支援する会の仲間の発言で本社正門前から木曜行動がスタート。 韓国サンケン労組のイ・ミョンヒさんからオンライン・アピール。「テント籠城闘争から563日目になる。出勤時と帰宅時の宣伝行動をしながら、平凡な日常生活の貴重さを考えた。時代の流れを読めずに、経営に失敗した韓国サンケン経営者の責任を、なぜ労働者が負わねばならないのか?数十年間にわたり働き、昼夜勤務や休日出勤など会社のために働いて来て、この仕打ちか!単に労働の場だけでなく、生きる場そのものである工場に戻るために私たちは闘う。労働者と家族の生きる権利をかけた闘いだ。本社は解決のために、いますぐに話し合いに応じるべきだ。生きる場である工場に早く戻りたい!闘争!」

ペク・ウンジュさんが続く。「昨日は久しぶりに寒さが和らぎ、0度近くまで気温が上がって、それほど寒くない天気だった。和田会長は生涯消すことのできない過ちを犯した。1年以上も続く私たちの闘いをどう見ているのか。闘いは長く続かないと甘く考えたサンケン電気代表の判断は、まちがっていると断言できる。1997年に事前に相談もなくインドネシア移転を発表し、これに反対する闘いがあった。その後もリストラ攻撃、凄まじい弾圧があったが私たちは闘ってきた。2016年の指名解雇は、正直のところ先が見えず、怖さでいっぱいだった。初めて日本への遠征闘争があった。不安があったがリーダーに『大丈夫、必ず勝利できる』と励まされた。そして闘いの末に工場に戻った。サンケン電気の代表は考えてほしい。韓国で事業を始めたときにどのような気持ちだったのか、振り返ってほしい。サンケン電気を設立し、韓国で事業展開した時のことを考えてほしい。少なくともはじめは韓国労働者を貪り尽くす気持ちはなかったはずだ。日本人は約束を守り、優しく礼儀正しいと思っていたが、サンケン電気経営陣は違った。労組を無くそうとする姿勢で一貫し、労働者と家族を破綻に追い込んだ。代表は、恥ずかしくないのか。今回の仕打ちに怒りを禁じえない。私たちは闘いを止めない。家族のために、会社のために私たちが誠実に働いてきたことを、代表は知っているはずだ。誤りを認め、話し合いを始めるべきだ。私たちが諦めずに闘う限り、闘いは必ず勝利する。力と勇気と元気を与えてくれる日本のみなさんに感謝したい!」

埼玉市民の会の仲間からの発言に続き、韓国サンケン労組のキム・ウニョン副支会長からオンライン・アピール。「日本は寒そうですが、韓国は春のような暖かさだ。雨でも雪でも、寒くても暑くても本社前に駆けつけてくれるみなさんに限りない連帯の挨拶を送りたい!5年前に解雇撤回を求めて日本に遠征闘争をした。日本のみなさんとの連帯の力で解雇を撤回させて工場に戻った。会社は2つの約束を交わした。そして本社周辺の住民のみなさんにも約束した。『雇用に重大問題が生じた場合には事前に労組と話し合う』という労使合意は、会社が労組を認め、民族差別をしないという約束が込められていた。この労使合意は私たちにとって希望に満ちたものだった。20年以上も続いた会社の労組鍛圧に終止符を打って、サンケン電気が新しい会社に生まれ変わるものと私たちは考えた。サンケン電気の経営陣は、どんな気持ちで労使合意を結んだのか。この労使合意を紙屑のように破り捨てるとは、何という会社なのか!5年前に職場復帰を勝ち取った時に組合幹部と酒を酌み交わして話したことを思い出す。『会社から攻撃か再びあったらどうする?』との問いには『会社と誠実に話し合おう』と応じた。会社が厳しい経営状態で、韓国でも事業展開できない状態であったなら、今回のような問題にはならなかった。周りの人たちは私たちに聞いてくる。『途切れることのない会社からの弾圧にどうして闘い続けたか?』『なぜ賃金水準も低く、小さな企業である韓国サンケンで働き続けるのか?どうしてこの工場に戻ろうとするのか?』と。私はこう答えた。『それはこの工場を守ってきたのが私たち労働者だから。経営者ではない、労働者自身が工場を守ってきた!』。工場の主人公の労働者を無視して廃業して労働者をたたき出すことがなぜできるのか!私たちは奴隷ではない、工場の主人公だ。労働者と家族、そして工場を守り抜く。韓国で事業展開し莫大な利益を出しているサンケン電気が、経営が厳しいから雇用できないことなどありえない!24日の月曜日に、KBSか私たちを訪ねて来て、闘争資金として20万円カンパがあった。2月17日に50分間のドキュメンタリー番組が放送されYouTubeで配信される。ネットで全世界にサンケン電気の悪行が暴露される。私たちは勝利するまで闘う。諦めるという言葉を知らない。諦めない闘いに敗北はない!日本のみなさんの闘いがあるから私たちの闘いがある。勝利を共につかみ取ろう!闘争!」

旭ダイア工業の仲間の発言で本社前の行動を締め括り。正門前から全員でシュプレヒコールで志木駅に向かう。

≪1月27日 9時 志木駅南口「話し合いで解決しようというのが、度の過ぎた要求か?」≫

志木駅南口には、きょうも「ゆいの会」の仲間が作成した似顔絵パネルが賑やかに並ぶ。

最初に埼玉市民の会の仲間から発言。続いて韓国サンケン労組のキム・ウニョン副支会長がオンライン・アピール。「5年前にも指名解雇に反対して、志木駅で訴えたことがある。みなさんの応援を力にして、指名解雇を撤回させ、職場に復帰することができた。私たちの勝利であり、支援してくれた日本のみなさんの勝利でもある。しかしサンケン電気は、この時の約束をズタズタに破った。怒りで体が震える。サンケン電気は、嵐のように世界を席巻しているコロナ事態の中で、日本に私たちが遠征できないことを見込んで、韓国サンケンの廃業・解雇を強行した。怒りしかない。サンケン電気は5年前に比べてもグローバル企業として経営規模を拡大してきたが、その酷さ、厚顔無恥さも大きく膨れ上がっている。労働者に対してはどんなに酷い仕打ちをしても構わないという態度だ。悪辣なことをしようとも、時間延ばしをしても、私たちは闘いを止めない。この闘いは勝つことが確定している、勝つまで闘いを止めないからだ!」。ここでキム・ウニョンさんは韓国の詩人パク・ノヘの「だから君は消えるな」という詩を朗読する。

いま 世界が漆黒の暗闇にあっても
道を失った希望の息が 絶え絶えになっても
たったひとつ 小さな残り火が消えていないのなら
私たちは まだ終わっていない

あれほど強力で執拗な悪が支配しても
自らの魂を失わず かすかな灯火に立っている人
どこを見回してみても 希望が見えない時代に
気弱でも頑なに折れない 最後の人

最後のひとりは 最初のひとりだから
希望はたったひとりで十分なのだ

世界中の暗闇と悪が総動員されても
決して屈服させられない ひとりが生きていれば
奴らは相対的に失敗し 敗北したのだ

生は奇跡だ
人間は神秘だ
希望は不滅だ

君よ かすかな残り火があるのなら
だから 君よ 消えるなかれ

詩を朗読し、キム・ウニョンさんは続けた。「この詩はまるで私たちの闘いを表現しているかのようだ。悪が、暗闇が私たちを食い尽くそうとしても、私たちは消えないし、存在し続ける。そうした希望を抱いた人間が存在し続ければ、すでに悪は敗北している。サンケン電気は敗北が決定している。最後の勝利という高地を目指して進んでいきましょう。悪は勝つことはないし、民衆は必ず勝利する!みなさんの闘いがあるから私たちの闘いがある。共に闘いましょう!闘争!」

ヤン・ソンモさんが続ける。「韓国では寒さが吹き飛んで、久しぶりの日の光を浴びながら爽やかな朝を迎えている。しかし日本は寒そうです。体に気をつけて闘いを進めましょう!二回目の冬の真っただ中にあって、悔しい思いを解決するためにこうしてみなさんにお騒がせして訴えるしかないことを心苦しく思う。サンケン電気と言う悪徳企業のせいで、こうして訴えるしかない。本社が決めておきながら『韓国のことは韓国で』と、一方的にとんでもないことを言っている。『話し合いで解決しよう』と言うのが私たちの要求だ。これが度の過ぎた要求か?労組のない工場を作るのが、サンケン電気の狙いだ。だから私たちの話し合い要求を拒否している。私たちは何十年も守ってきた工場に戻る。コロナが収束し、日本に遠征して本社に直接訴える機会が来ることを待ちわびている。企業よりも利益よりも、生きている人間が尊重されなければならない。韓国でも闘いを続けるが、必ず日本に遠征して闘い、勝利する!サンケン電気に直接問い質す!」

オ・ヘジン支会長が続ける。「サンケン電気は地元では優良企業かも知れないが、しかし韓国では話し合いを拒否している。優良企業と言われると、眩暈を覚える。韓国労働者を差別する、残酷でひどいことをする企業だ。要求に弾圧で答え、人権を踏みにじっているのがサンケン電気だ。韓国で事業展開をし続け2200億ウォンもの莫大な利益を得ながら、なぜ韓国サンケンを廃業するのか?工場を無くす必要はどこにもない。闘わざるを得ないのは5年前の合意書があるからだ。サンケン電気は私たちの正当な要求を無視している。これを黙って受け入れることは出来ない。サンケン電気が自らの過ちを認め、話し合い要求に踏み出すように、力を貸してください。勝利の日まで、共に進んでいきましょう!」

韓統連の発言、ゆいの会、サンケン太郎の歌が続き、最後に明大生協労組の仲間の発言で締めくくり、池袋に移動した。

≪1月27日正午 池袋東京事務所ビル前昼休み集会「サンケン電気は自らの過ちを直視し謝罪すべきだ!」≫

昼休み集会の前に、今回もサンケン電気東京事務所のI氏と面談。韓国サンケン労組のキム・ヒョンガン事務長が、韓国政府の雇用労働部(釜山地方雇用労働庁昌原支庁)からサンケン電気本社宛てに出された公文書「労使対立解消のための協力要請」(2021年12月13日付文書。年明け早々にサンケン電気に送達されたことが確認されている)に回答するよう求めた。I氏はいつものように誠意のない対応に終始した。

昼休み集会は、支援する会の渡辺共同代表の発言からスタート。 韓国サンケン労組のキム・ヒョンガン事務長からオンライン・アピール。「工場が廃業になると聞いて、全身に怒りがこみ上げてきた。5年前の指名解雇撤回の闘いの成果を台無しにするサンケン電気の仕打ちに、怒りを禁じ得なかった。会社の利益のためには労使合意も紙屑のように投げ捨てる。企業の行動原理は利益の追及だが、そのためには労働者を話し合いもなく一方的に路頭に放り出すというのは、まともな経営者のやることではない。生活の糧を得るために汗を流して働いてきた工場が、生きる場である工場が無くなることを、私たちは黙って見過ごすことはできない。慰労金を受け取って、とっとと出ていけというサンケン電気の態度は、本当に許せない。私たちは大好きな工場を守るために、声をあげている。労組憎しの偽装廃業だ。韓国で得た莫大な利益を日本の本社に食い逃げし、韓国サンケンの工場には十分に投資しなかった。最盛期には500人もいた労働者が5年前には33人、希望退職金も韓国サンケンの累積赤字に組み込まれている。どうしてそうなるのか。こんな不道徳なことが、許されるのか。私たちが知らない間に、別の工場で生産拠点を拡大していた。韓国サンケンと言う名前のない工場で生産された製品に『韓国サンケン』の表示を見た。生産拠点を別に作り韓国サンケンを廃業する。そんな資金があるなら、韓国サンケンの設備投資になぜ投入しなかったのか。まさに偽装解散に他ならない。全ては本社の指示だ。工場の生産設備を整えずには生産できない。廃業の理由とされた累積赤字の資料を要求したが全て無視された。社長は辻褄の合わない説明ばかり、『赤字の責任は労組にある』『5年前の解雇撤回がなければ、今回の廃業も無かった』とまで言った。労組嫌悪が全てだ。サンケン電気の韓国内での事業規模からしても、10数人の雇用が保障できない訳がない。韓国サンケンを元の姿に戻さねばならない。日本の仲間の不当逮捕は警察とサンケン電気のでっち上げだ。サンケン電気はしっかりと謝罪しなければならない。自らの過ちを直視し謝罪しなければならない!」

続いて、埼玉市民の会、韓統連、女闘労倶楽部の仲間からリレートークが続き、最後に尾澤孝司さんのお連れ合いの邦子さんからアピール。ビル7階8階のサンケン電気東京事務所に向かってシュプレヒコールで、第66回木曜行動を締め括った。

★ニュースレターNo.67(2/3付)を発行
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