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LNJ Logo 名古屋 「私たちの『表現の不自由展・その後』」中止の抗議声明
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2021年7月10日

抗議声明

直ちに,名古屋市は臨時休館を解除して,展覧会を再開すべきである

 2021年7月6日(火)から7月11日(日)までの会期で,名古屋市民ギャラリー栄におい て開催されていた展覧会「私たちの『表現の不自由展・その後』」は,「施設の安全管理 のため」という理由で,7月8日(木)から7月11日(日)の間,市民ギャラリー栄が臨時 休館となり中断させられている。  その臨時休館の根拠は,市民ギャラリー栄の「職員が郵送された封筒を開けたところ, 10回ほど爆竹のような破裂音がした」(東海テレビの報道より)という事態によるものと 報じられているが,主催者側には何ら説明もなされていない。そもそも報道によると,問 題の郵便物は,「施設職員が警察官立ち会いの下で開封した」(毎日新聞より)のであり ,施設職員立会いの下で警察官が中身を検査したり,開封したりしたものではなく,当初 より重大な危険性があるという認識ではなかったことがうかがえる。さらに,その後,ギ ャラリー栄と名古屋市中区役所があるビル全体は閉鎖されてもいない。このような子供だ ましの脅しに屈し,さらには,正当な理由も説明もなく展覧会を中止に追い込むことは, まさに,犯罪者の思うつぼであり,また,その犯罪行為に加担していることになるだろう。  名古屋市は,2019年の表現の不自由展の中止の際と同様,行政が果すべき憲法上の責務 を果さず,公権力によって十分に対処が可能な軽微な事案を展覧会中止の口実に利用した。 今回も全く同様であり,公権力によるサボタージュであり,巧妙に攻撃者の行動を利用 して,中止を正当化したものである。名古屋市の対処を客観的に判断するとすれば,攻撃 者と名古屋市との間には心情的共謀関係があると判断せざるをえない。とりわけ名古屋市 長河村は,いわゆる「従軍慰安婦」をめぐる歴史認識において容認しえない虚偽発言を繰 り返し,大村県知事リコール運動の署名偽造についても,その道義的責任すら認めず,新 型コロナ対策でも適切な対応をせずに犠牲を拡大するなど,そもそも憲法が義務づけてい る公権力の担い手としての責任を果していない。河村もまた,名古屋不自由展を中止に追 いやりたいと願っている一人であることは間違いないだろう。だからこそ攻撃者と行政の 間に心情的共謀がありえると私たちは解釈するのだ。  直ちに,名古屋市は臨時休館を解除して,展覧会を再開すべきである。  この展覧会は,あいちトリエンナーレ2019の企画であった「表現の不自由展・その後」 が,今回と同様に,脅迫を主な根拠として中断させられたことを契機として企画されたも のである。その展示作品の中には,民族差別的主張によって展覧会が中止させられたとい う経緯を持つものも含まれている。  また,同時期に東京,大阪において開催予定だった「表現の不自由展」においても,こ れに反対する人々の大声や街宣車による抗議行動により,会場の使用が取り消され,延期 に追い込まれているという状況である。つまり,安易に脅迫に屈するという判断・行動は ,その脅迫や民族差別的主張こそが犯罪行為であるにもかかわらず,その実行者の思惑通 りの結果を生み,公開することができない作品を作り上げてしまい,不当に公開を妨げる 検閲的な行為となっている。このようなことは,絶対に止めなければならない。  加えて,あいちトリエンナーレ2019における「表現の不自由展・その後」の中止に際し ては,多くの平和的行動を取った市民による46000筆超の展示再開を求める署名が提出さ れているが,愛知県,名古屋市ともに,これらを全く無視してきた。その一方で,展覧会 に反対する側のちゃちな脅しに屈して,次々と展覧会を中止に追い込むとは,いったい, どういう了見なのだ。  これは,あいちトリエンナーレ2019における事態に続く「文化テロ」である。テロの脅 しに絶対屈しないと主張したのは,日本政府ではなかったか。であるならば,「文化テロ 」に屈しない姿を見せるためにも,名古屋市は,展示を再開すべきなのだ。 art4all art・in・opposition Artstrike -------------------------------------------------------------------- 【art4all】 art4allは,あいちトリエンナーレ2019における「表現の不自由展・その後」の検閲に際 し,再開を求める運動を開始し,その後も表現の自由を求める活動を続けている。 【art・in・opposition】 art・in・oppositionは,歴史的・社会的にも忘却されてしまう状況に抗い,問題提起を 促し,アートの表現とは何なのか,なぜ表現があるのかを・思考・する場である。 【Artstrike】 Artstrikeは,1986年の富山県立近代美術館における検閲事件を契機として始まった運動 である。 -------------------------------------------------------------------- 連絡先:jun@artstrike.info

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