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市民団体が「東京五輪開催強行に対する抗議声明」
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東京五輪開催強行に対する抗議声明

2020「オリンピック災害」おことわり連絡会/反五輪の会

 私たち東京五輪の開催に反対する市民の要請にもかかわらず、本日東京五輪の開会式は強行された。

 東京都は7月12日から8月22日にかけて4度目の緊急事態宣言下に入った。ところが東京都のコロナ感染者数はここ数日1,000名を超え、人流を加速するオリンピックをやることが可能な状況にないことは明らかだ。

 そもそも私たちの日常生活や仕事を大幅に制限する緊急事態宣言と五輪開催は原理的に共存できない。緊急事態宣言は人の活動を大幅に制限する。五輪開催は人の移動を活発化させる。両者は二律背反だ。世界各地から様々な種類のウイルスが侵入する危険とともに、アスリートや大会関係者の移動は確実に感染爆発のリスクを高める。事実大会関係者や選手村での感染は拡大しつつあり、とても「安心・安全」な五輪開催というにはほど遠い。

 東京五輪開催によって感染爆発が発生し、犠牲者が拡大した場合、誰が責任をとるのか。中止を求める仮処分申請に対して司法でさえ責任の所在を特定しなかったように、責任の所在は常に曖昧にされてきた。このような無責任な体制で私たちの「命」を危険にさらす東京五輪開催を認められるはずがない。

 COVID-19によって図らずもオリンピック・パラリンピックとは、人の命を尊重するのではなく、「カネ」の論理で開催されるものであることが誰の目にも明白になった。オリンピック・パラリンピックを開催することによってIOC貴族たちや日本の電通やパソナなどのスポンサー企業が肥え太るのではなく、COVID-19で苦しむ人々や医療現場に人と金を回すためには、一刻も早くオリンピック・パラリンピック中止を決定すべきだ。

 「聖火」リレーの大部分は公道中止となった。ほとんどの自治体は、形式的なセレブレーションだけを実施した。しかし全国で抗議する人々の声は広がっていった。その中でも茨城と調布において2人の市民が「妨害」したとして不当逮捕された。バッハIOC会長の来日に反対する抗議の行動に対しても警察の執拗な妨害は表現の自由を圧殺した。マスコミの「カメラ」の前では「平和の祭典」を偽装し、多くの「カメラ映え」しない人々の抗議には徹底した弾圧を加える。こうした「五輪弾圧」を私たちは断じて許さない。そもそも警察による住民監視体制や自衛隊の治安出動体制の強化が五輪を口実として進められてきた。このことにも強く抗議する。

 オリンピックは、ナショナリズムと愛国心を煽り、敵意と憎悪を賞賛と感動のオブラートに包む偽装された「平和の祭典」であり、<スポーツ>とは何ひとつ関わりのない、ナショナリズムと愛国心のお化け屋敷である。天皇はあたかも五輪推進派とは違って「国民の命」に配慮しているかのごときポーズを作りながら、本日の開会式には「国家元首」として開会宣言を行う。私たちは、天皇の開会式への出席にも反対し、大会会期中に蔓延するであろう日の丸・君が代フィーバーにも反対する。

 7月21日に開催されたIOC総会は、2032年の五輪開催地をオーストラリアのブリスベンに決定した。2024年パリと2028年LAは同時決定、そして今回も複数立候補都市もなく開催地が決定されている。このことは、いかにオリンピックが開催都市にとってカネばかりかかって魅力に乏しいものかを立証している。  

 私たちはこの間、世界でオリンピック・パラリンピックに反対する多くの人々とともに東京五輪開催に反対してきた。そういう意味からオリンピック・パラリンピックは中止ではなく廃止すべきだ。すでに始まっているブリスベンでの反対運動の成功を悪夢の真直中の日本から強く願う。世界のどこにもオリンピック・パラリンピックはいらない!  No Olympics Anywhere in the World!  

 本日東京五輪開会式が強行されたことに対して強く抗議する!今からでも即刻中止を求める!この声は世界中の人々の圧倒的多数の声だ!東京オリンピック・パラリンピックを中止せよ!

2021年7月23日

「オリンピック災害」おことわり連絡会HP


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