レイバーネットTV161号報告 : 次に来るのは「ゴリ押し戦争のできる国」 | |||||||
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●レイバーネットTV第161号(2021年7月21日放送)報告 「ゴリ押し五輪」の次に来るのは「ゴリ押し戦争のできる国」 スタジオには、石井信久さん手作りの南西諸島に貴重な動物などをモチーフにしたフリップが並び、否が応でも政府のゴリ押し軍事化の不合理が浮き上がる。 →アーカイブ録画(94分) 進行:北健一・北穂さゆり ◆今月の1枚(レイバーネット写真部):「#東京五輪レッドカード」。連日続く五輪中止デモでのプラカードの文字が浮かぶ。レッドカードを渡す先は、無責任人選をしたオリンピック委員会ではと分析。 ◆サブ企画:五輪はいらない!最新情報 実は本日から“復興五輪”ということで、福島あづま球場でソフトボールの競技が始まった。バッハも始球式に参加とか。そこでいわき市のグループの呼びかけで、会場前での中止デモに参加した「五輪災害おことわり連絡会」のメンバーのホヤホヤの報告。広大な敷地の外れでの行動だった。 ◆ほっとスポット: ジョニーHの歌と乱鬼龍の川柳 ジョニーHさんの歌は「東京五輪うっせえわ」と高いキーから始まる。続いてシックなかりゆし姿の乱鬼龍氏の川柳コーナー。今月も五輪がらみです。「危機煽る者こそ敵と見定めよ」 ◆特集:米中対立〜親米でも親中でもない第3の道を選ぼう コーナー司会:植松青児(司会/琉球弧自衛隊配備反対アクション) ・五輪後に来る危機、「米中対立」のシナリオ 植松青児さん おそらく五輪後に自民党が「中国の脅威」を煽るキャンペーンを仕掛けるだろうと植松さん。その理由を次にあげる。 1、ゆがんだ眼鏡をはずす ゆがんだ眼鏡とは「中国が軍事緊張を仕掛け、米・日.が渋々対応している」と図式。これは真逆。米国が太平洋の西の端に大軍事力を持つのは、中国の海洋封鎖(と同時に経済封鎖)が目的で第一列島線(A2)と第二列島線(AD)(図で示す)を守ること。しかもこのアメリカの軍隊は中国が中華人民共和国になる前から配備されていた。反対に中国は、アメリカの海洋封鎖はできない。この不自然さから見えるのは、米国(+日本)が軍事緊張を作り出し、中国は対応するために軍事大国化していった。つまり、中国の軍備の巨大化は、米・日が仕向けた ものである。 2、「米中対立」は、中間地帯=帝国の辺境(台湾、琉球、香港、朝鮮半島)を苦しめるという視点を外してはいけない。 ・南西諸島での戦争する場所つくりがはじまる 石井信久さん 宮古島保良・七又集落は、半径1キロのところに358人が住んでいるようなところ。そこに共存する「保良ヒキガエル」。「島民は(石井さんが描いた)このカエルのようにゆっくりと、休まずに抵抗運動を続けると石井さん。 ・軍産複合体の利益追求のための軍拡競争 沖縄本島と宮古島を隔てる宮古海峡は、公海なので、中国封じのためのミサイル戦争態勢が必要になり、宮古海峡の通峡阻止が重視される。国は今後重装備化するのだが、その前にそれを阻止しなければならない。 ・日本が主導している右傾化?アジアの平和のキーを握る日本? 日本は、いかにも米国のいいなりになっている感じがするのだが、その実、日本が米国のこの戦略を導いているのではないか。いずれにせよ、この戦略は日本の積極的協力がないと成り立たないので、アジアの平和は今後日本の出方ひとつで決まるという。 ・私たちの島をあきらめない 今宮古島では、毎日基地化阻止の行動が毎日行われ1分1秒でも工事を遅らせ、実行使用を遅らせようとしている。現在、完成した弾薬庫2棟(予定は3棟)と射撃訓練所から250mのところに民家があり、近くには、川のない宮古島唯一の生活用水の湧水があるが、基地が稼働したら汚染が心配だ。国は、先の土地使用規制法などで島民の自由をさらに束縛している。 ・中国脅威論には確実に台湾が出てくる 加藤直樹さん オリンピック後に出てくる中国脅威論には、日米の「民主主義国台湾を守れ」がつきものと話しはじめる。2つのことを言いたいと。1つは、日本の立ち位置をよく見ること。もう1つは、中国という帝国と米国という帝国主義のはざまを見ろと。 ・東アジアにとって日本はなんなのか 南北朝鮮半島が和解しようとしたとき、「日本は蚊帳の外」と言われていたが、実は和解を妨害したのは日本である。結果的に別な理由で対話まで行きつなかったが、日本は蚊帳の外から揺さぶり続けていた。大統領に対し、核兵器だ、拉致事件だと次々難題を出していたのである。21世紀に入って日本は琉球弧の軍事要塞化を進めている。それを維持し、緊張を高めていくためである。 台中日の歴史を見る必要があると加藤さんは日清戦争当時からの台湾を解説し、今台湾に住んでいる人の気持ちを慮る。その時参考になるのは呉叡人の著書「台湾、あるいは孤立無援の島の思想」と紹介する。 続いて、日本は(図を示しながら)中日米の対立について、東アジア、つまり朝鮮半島、沖縄、台湾、その先のアセアン諸国のことを視野に入れて考える必要があるという。 米中対立抗争の中でと言うより、彼らにとって日本は何なのかから答えを出したいという。 ・この琉球弧の軍事化に立憲野党の姿勢は? [視聴者の質問]「これらについて立憲野党の姿が薄いが、彼らはどう考えているのか」に答えて、加藤さんは、2002、3年頃の論文に外務省路線としてこの日米路線はあり、安倍がやったというより自民党、民主党に関係なく進めていたと、衝撃の、なおかつ思い当たる節のある答えに暗澹とした。 最後にオリンピックが終わったらすぐに発表されると掲げられたフリップには、「陸自14万人全員参加演習 琉球弧戦争デモンストレーションを許すな!!」と書かれていた。 *写真撮影=小林未来 Created by staff01. Last modified on 2021-07-28 12:36:23 Copyright: Default |