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公務非正規女性たちの「怒りと悲鳴」/1252通のアンケート結果を発表
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公務非正規女性たちの「怒りと悲鳴」〜1252通のアンケート結果を発表


*「はむねっと」代表の渡辺百合子さん(左)と副代表の瀬山紀子さん

動画(9分半)

 7月5日午前11時、厚労省記者クラブで「公務非正規女性全国ネットワーク(はむねっと)」が1252通の「公務非正規労働」アンケート結果を発表した。フリーの女性記者も多く会見室はいっぱいで、関心の高さが窺われた。一般事務、図書館司書、女性関連施設、博物館、公民館、ハローワーク関連、婦人相談員、保育士など国や自治体の「公務労働」の多くが、正規職員ではなく「会計年度任用職員」などの非正規職員が担っている。しかもその約8割は女性。今回の全国アンケート調査から浮かび上がってきたのは、不安定・低賃金・女性差別・心身疲労に追いこまれている凄まじい実態だった。「住民に身近な窓口を支えているのはほとんどが非正規女性たち。ここがよくならないと社会はよくならない」、調査を実施した「はむねっと」の瀬山紀子副代表は強調した。

 2020年4月から始まった「会計年度任用職員」は、それまでの「臨時・非常勤職員」を統合したもので、手当などの改善はあるものの「1会計年度内を超えない範囲として任用期間」となっていて、雇用不安は解消されなかった。アンケートの自由記述には怒りと悲鳴が充満していた。ごく一部を紹介する。

 「低賃金で重労働の仕事を平気でさせている自治体行政に怒りがわく。率先して、女性たちを使い捨ての労働の駒として使っている。女性蔑視、人権侵害の何者でもない」(関東・30代女性)。「圧倒的な将来不安を感じる。手取りが生活保護と変わらない。明るい未来はどこにも見えない」(東海・30代女性)。「来年度の雇用があるか、大病したらどうなるかなどはいつも心配。年度末ギリギリまで、次年度の雇用について詳細を聞かされない」(関東・40代女性)。「仕事にやりがいを感じるほどに評価されない。いいように使われるやり切れなさで悲しくなる」(北陸・40代女性)

 なにより問題なのは賃金の低さ。回答者の3人の1人は主たる生計維持者だが、年収200万円未満が全体の5割を超えている。「広範な自治体で非正規公務員が、1年毎の不安定な立場で低い賃金・待遇で担っており、心身の疲労が広がっている。この実態を広く知らせ状況の改善につなげていきたい」と瀬山さんは訴えた。


 また会見では、当事者の公務非正規女性3人(写真)も発言した。「職場の組合に入っているが組合が私たちの問題を取り上げてくれない」「組合自体にジェンダー差別がある」「正規と非正規の分断状況が深まっている」など、労働組合のあり方も影を落としていた。「はむねっと」では今回のアンケート調査結果をもとに、状況改善のために政府や関係機関への働きかけも検討している。(M)

*近年、全国自治体の正規職員は非正規に置き換えられてきたおり、正規職員約270万人に対して非正規職員は100万人前後に達している。

「公務非正規女性全国ネットワーク(はむねっと)」HP


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