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LNJ Logo サンケン木曜行動報告(4/15) : 解決を先送りすればサンケン電気の悪評は拡散する!
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●韓国サンケン労組を支援する会・4月15日第30回木曜行動報告

解決を先送りすればサンケン電気の悪評は拡散する!和田社長は話し合いに応ぜよ!

4月15日(木)第30回木曜行動。昨年9月から始めた木曜行動は30回目を迎えた。本社前と志木駅南口、南池袋の東京営業所の3カ所に毎回延べ100人近くの参加があるので、木曜行動の参加者総数は延べ3000人に迫る計算になる。支援する会のニュースを受け取った人、オンライン・アピールに足を止めて耳を傾けた人、横断幕やプラカードに視線を向けた人は数えきれない人数になるだろう。解決を先送りすればするほど、韓国内は言うまでもなく、日本国内でもサンケン電気の悪評は拡散していく。物言う株主・投資ファンド「エフィッシモ」にかき回された東芝は、とうとう社長辞任に追い込まれた。和田社長ら経営陣は、事態の深刻さをいつになったら悟るのか?労組との話し合いに応じるしか、解決の道はないことを知るべきだ。

支援する会は13日(火)夜に、「サンケン電気は韓国サンケン労働者の解雇を撤回しろ!4.13集会」を東京・文京区民センターで開催した。感染対策を講じ時間も参加者も制限して開いた集会に、多くの労働者・市民が詰めかけた。会場前面の大スクリーンに韓国サンケン労組組合員が一人ずつ登場し言葉を発する場面で、会場全体が温かい拍手に包まれた。オンラインで講演した民主労総副委員長でもあるキム・ウニョンさんは、サンケン電気が韓国で提携するLG財閥企業への闘いを7月に集中することを報告し、「サンケン闘争は日韓連帯の力で必ず勝てる!」と力を込めた。14日には大阪営業所への抗議行動が取り組まれた。さらに支援する会は18日の日曜日に西東京市内にある和田社長の自宅に4回目の要請行動を展開、韓国サンケン労組組合員一同の社長あての「あくまで私たちを解雇し整理しようというのなら、私たちはサンケン電気を韓国の地から整理するための闘いをするしかありません」という闘う決意を込めた手紙を届け、最寄りの田無駅でもアピール行動を繰り広げた。 コロナ禍も海峡も国境の壁も、グローバル資本の暴虐と闘う労働者・市民の国際連帯を阻むことはできない。

≪4月15日朝7時過ぎ サンケン電気本社前「違法な廃業を撤回し、私たちの日常を戻してほしい」≫

郵政ユニオンの仲間の発言から木曜行動スタート。「木曜行動を昨年9月から始めて30回目になる。継続は力。先週、志木駅前で宣伝行動をしていた時に、一人の女性が私たちに近づいて来て、『何の宣伝ですか?』と聞いてきた。韓国サンケンのことを説明すると、『そんなことをする会社なの!』と驚いていた。和田社長が決着をつけないと、これまで積み重ねてきたサンケン電気の実績が台無しになる。そのことを考えたことはあるのか!」

韓国サンケン労組のパク・ジョンピルさんからオンライン・アピール。「サンケン電気に問いたい。なぜ韓国サンケンを廃業するのか?サンケン電気は、1973年に100%子会社の韓国サンケンを設立し、様々な制度上の恩恵を受け、韓国労働者を低賃金で働かせて莫大な利益を上げて来た。48年間も韓国労働者が韓国サンケンの工場で頑張って働いてきたことが、現在のサンケン電気の基礎になっている。ところが1996年に民主労総傘下の労組ができるや否や、工場をインドネシアに移転すると言い出し、何度もリストラや整理解雇の脅しをかけてきた。法律にも労組は労働者の権利だと書かれている。なぜ民主労総に加入したことが、解雇や廃業の理由になるのか。労組は会社を潰すためにあるのでなく、会社と共に発展するための組織だ。サンケン電気は『韓国サンケンの累積赤字ができたので廃業する』と言うが、その赤字は意図的に作られたものだ。韓国サンケンの赤字はなぜ出来たのか?生産すればするほど赤字になる事ばかりやらせてきたのは本社ではないか。2017年に会社と労組で工場正常化の約束をしたではないか。ところが3年間、工場は開店休業の状態だった。私たちはいつか会社が約束を守って工場を正常化すると信じていた。しかし昨年7月、信じられない話を聞いた。韓国サンケンを廃業すると聞いて、驚いた。しかも韓国サンケンを廃業しながら、別の会社に投資して生産するという。このような話を聞いて、怒らずにいられるか。サンケン電気は卑怯な企業だ。約束や信頼を守らない。世界的な新型コロナ感染で苦しんでいるときに、サンケン電気は労働者を弾圧するためにコロナを利用した。サンケン電気は、感染拡大で労組が日本を訪問できないので本社にも抗議できないと考えた。サンケン電気は4年前の近隣住民との約束を守ってほしい。もうこれ以上、本社の前で抗議集会をして近隣に迷惑をかけるようなことはないと約束したではないか。ところが約束を破って迷惑をかけている。すべての責任はサンケン電気にある。私たちは闘争したくてしているのではない。違法な解雇と廃業を撤回させるためだ。普通の日常を取り戻したい、ただそれだけだ。サンケン電気は違法な廃業を撤回し、日常を戻してほしい。撤回しないなら、闘争を続けざるを得ない。サンケン電気は4年前に韓国労働者の闘い方を学んだはずだ。勝利するまでしつこく、粘り強く闘う。周辺住民のみなさんも抗議の声をあげてください。4年前に勝利出来たのも住民のみなさんの支援があったからです。私たちを助けてください。日本の支援する会のみなさん、私たちの闘いに関心を寄せていただき、ありがとうございます。みなさんと一緒に日本で闘うことはできませんが、コロナが収束し勝利した時には、訪日し、ごあいさつしたい。最後まで闘おう!闘争!」

キム・ミョンデさんが続ける。「申し訳ありませんという言葉から始めなければならない。韓国サンケンの社長は、4年前に『投資して工場を正常化する』と約束した。しかし設備投資せず、工場を閉鎖すると言う。一方で、サンケン電気はLGと工場を作った。約束は口先だけだった。韓国サンケンは生産すればするほど赤字になった。賃金も出るかどうかわからないとまで言われた。赤字を作った経営陣と本社が悪いのであって、責任を労働者に押しつけるのはおかしいではないか。私たちは本社の約束を信じて、賃金凍結や休業要請まで受け入れてきた。ところが昨年の7月の交渉が終わるや否や、廃業を発表した。韓国サンケンの社長は、最初は『廃業は聞いていない』と言っていたが、その後『実は知っていた』と話した。怒りを抑えられない。しかも韓国サンケンを廃業しながら、LGとの工場を作り、生産活動をしている。私たちのところに金を流さずに、ほかのところに投資して稼ごうとしている。だから私たちは闘いに立ち上がった。今後は本社が二度とこのようなことを起こさないように、徹底的に闘う。サンケン電気の評判は真っ逆さまに落ちていくだろう。すべての責任は和田社長にある。社長の謝罪の言葉を聞かねばならない。コロナで日本に行けないが、本社がビジネス・ビザを出せば日本に行けるはずだ。社長は、話し合いに応じて欲しい。」

埼玉市民の会の仲間が発言。「サンケン電気の新入社員は、この門前行動を見て驚くだろう。先日、街中でサンケン電気が寄贈した消防署の広報車を見かけた。市民からの好感を期待するかもしれないが、韓国サンケンの違法な廃業・解雇を撤回しないと好感度アップは期待できない。和田社長はこのことを知るべきだ。」

キム・ウニョン副支会長が続ける。「4年前の韓国サンケンの闘いを覚えていますか?日本の支援もあり、労働委員会から『不当解雇』の勝利判定も得て、現職復帰した。サンケン電気は復職にあたり、約束をした。雇用に影響を与える判断をするときには、労使協議する。周辺住民のみなさんとは、今後はご迷惑をかけないと約束した。サンケン電気は周辺住民との約束も、私たちとの約束も守らなかった。サンケン電気は労働委員会の判定にも従わない、悪質な企業であり、約束を守れない企業だ。韓国では毎日のようにサンケン電気の悪行を報道している。このようなサンケン電気に、強い抗議の声をあげてください。誠実な国民という日本のイメージを、サンケン電気は貶めている。サンケン電気の闘争は重要な意味を持っている。コロナの中で解雇されている労働者がたくさんいる。闘争もできない労働者も沢山いる。彼らは、韓国サンケンの闘いが重要だと言っている。不法な廃業と真っ向から闘う韓国サンケン労組の闘いは、熱い注目を浴びている。不法な廃業に最後まで闘い抜く。そして解雇された労働者たちの希望になりたい。日本に行き、サンケン電気を糾弾する闘いをしたいと思う。このような不法な廃業をする会社が韓国で操業できないように、韓国からサンケン電気を追い出したい。韓国で営業を続けたいのならば、サンケン電気の責任者が出てきて、解決しなければならない。闘志に満ちた労働者の士気の高さ、労働者の国際連帯によって、勝つしかない闘いだと確信している。日韓の市民・労働者は一つになって、必ず勝利しましょう!インターネットを通してみる日本の風景は暖かく見える。でも体に気をつけて最後まで闘おう!闘争!」

争議団連絡会議の旭ダイヤの仲間からまとめの発言があり、会社に向かってシュプレヒコールを上げて締めくくり、志木駅に向かう。

≪4月15日9時 志木駅南口「廃業決定を聞いて、裏切られたと感じた。怒りを抑えられない!」≫

志木駅南口には、今回も所沢労音の仲間が、韓国サンケン労組組合員8人分の似顔絵のプラカードを持ち寄ってくれた。

埼玉市民の会の仲間からまずアピール。続いてパク・ジョンピルさんからオンライン・アピール。電波の状態が悪く、時々、声が途切れがちになるが、韓国サンケンへの信頼を裏切られた労働者の怒りが、よく伝わって来た。「労組は会社を潰すためにあるのでなく、会社を発展させるためにある。会社の約束を信じて黙々と働いてきた。昨年7月信じられない知らせ、廃業決定を聞いて、裏切られたと感じた。怒りを抑えられない。サンケン電気は約束を守ろうとしない企業だ。全世界の人々がコロナで苦しんでいる時に、日本への遠征闘争ができないと踏んで廃業・解雇の暴挙に出た。しかし会社は大きな間違いをした。日本のみなさんが私たちに代わって闘争を続けている。サンケン電気は4年前の私たちとの約束、新座市民との約束を思い出して欲しい。私たちは好き好んで闘っているのではない。平凡な日常生活を取り戻したい。ただそれだけだ。この闘いは不法な偽装廃業を正す闘いだ。市民のみなさん、サンケン電気に抗議の声をあげてください!」

キム・ミョンデさんが発言。「いくら働いても赤字だと言われた。なぜ赤字を労働者の責任だというのか?本社が責任を追うべきではないか?管理者の給料まで私たちが心配しなくてはいけないのか。社長や役員の責任だ。韓国サンケンの赤字を出す一方でLGと生産拠点を作った。私たちは、これを見過ごせないと苦しい闘いに立ち上がった。全身全霊で闘ってきた。どこまで闘えるかわからないが、最後まで闘い抜く。サンケン電気の態度を許さない。」

所沢労音の仲間が韓国サンケン労組を激励する「共に行こう、この道」を歌う。埼玉市民の会の仲間も、歌で激励する。

韓国サンケン労組のオ・ヘジン支会長からオンライン・アピール。「志木駅をご通行中のみなさん、お騒がせします。4年前にも志木駅南口で指名解雇撤回を訴えさせていただきました。みなさんのおかげで職場に復帰することができた。その時に工場の正常化と重要案件の労使協議を約束し合意書を取り交わした。ところがその約束を会社は守ろうとしなかった。4年間の間、サンケン電気本社は韓国サンケンに設備投資せず、偽装廃業してきた。会社は解散となり解雇された。これまでにも何度も弾圧され、工場を追い出されようとしたことがあった。会社は私たちを会社から追い出すための工作を重ねてきた。それでも最後まで工場に残った労働者がいたが、今回、廃業で追い出そうとしてきた。サンケン電気は韓国サンケンの赤字の責任を労働者に押しつけた。しかし経営の失敗の責任は、韓国サンケンの廃業工作に動いた本社の和田社長だ。私たちは工場正常化の要求を続けたが、会社は応えようとしなかった。まともな会社のすることか?サンケン電気に、話し合いをするようにと抗議の声をあげてください!コロナ禍の中でも、日本の労働者市民の国際連帯闘争に、感銘を受けています。私たちは最後まで闘います!」 最後に明大生協労組の仲間の発言で、池袋に向かう。

≪4月15日 池袋・東京事務所前、昼休み集会「労働者を踏みつけにする資本には国境を越えて鉄槌を!」≫

南池袋の東京営業所に出向くと、総務のI氏が対応。オンラインを通じた韓国の仲間の追及に今回もI氏が積極的に応える場面はなかった。

正午から東京営業所の入る藤久ビル前の歩道で、昼休み抗議集会。埼玉市民の会の仲間、支援する会の渡辺共同代表、メトロ・クラブ、三多摩合同労組三進自動車争議を支援する会などがリレートーク。

キム・ウニョン副支会長がアピール。「1973年に馬山自由貿易地域に設立された100%子会社の韓国サンケンは、サンケン電気にとって初めての海外進出だった。当時は朴正煕軍事独裁政権で、自由貿易地域では労組も認められず会社は莫大な利益を得た。労働者を低賃金で雇い、甘い汁を吸ってきた。サンケン電気は韓国労働者の血と汗で成長しグローバル企業となった。私たちは会社のあらゆる弾圧をはね除けて職場を守って来た。しかし会社は三年間、周到に準備し組合潰しの会社解散を強行した。会社が利益を追求するのは当然だが、労働者の人権を侵してまで利益を上げようとするのは許されない。先日、日本政府が福島原発の汚染水を海洋排出することを決めた。海を大切にしようという国際ボランティアの動きがあるが、それに反する政府と資本の動きに怒りを禁じえない。気候変動の時代に、海を汚す、放射能汚染水を海に垂れ流すことはあってはならない。資本と日本政府のやり口に、歯ぎしりする思いだ。資本と闘わねば、生活も守れないことが明らかになってきている。サンケン電気資本のみならず、労働者を踏みつけにする資本には、国境を越えて労働者が一つになって鉄槌を下さねばならない。韓国労働者は日本資本に屈することなく闘い続ける。私たちは福島原発の放射能汚染水海洋排出に反対して闘い、戦争に反対する日本のみなさんと共に歩んでいく。サンケン電気に対する闘いを一緒になって闘ってくれる日本のみなさん、サンケン電気資本に対する闘いを、一つになって立ち向かいましょう!今日も一日、ありがとうございました。闘争!」

最後に藤久ビルの7・8階の東京営業所に向かってシュプレヒコールを浴びせて、本日の木曜行動を終えた。


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