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サンケン木曜行動報告(3/25) : 解雇から2か月、サンケン電気和田社長は早く決断しろ!
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●韓国サンケン労組を支援する会・3月25日第27回木曜行動報告

「解雇から2か月、サンケン電気和田社長は早く決断しろ!解雇撤回3.25全国抗議行動」、池袋に100名参加

 3月下旬サンケン電気を巡って様々な動きがあった。

 3月は6月株主総会に向けた決算期であり、また村上ファンドOBらの投資ファンド「エフィッシモ」による公開株買い付けの締め切りが、3月24日であった。

 結果は、ファンドが目標にしていた30%には達しなかったが、約2割を占めるに至った。ダントツの筆頭株主だ。サンケン電気は「純投資目的」で「中長期的に保有」と評価しているが、ファンドの側がこのままおとなしくしているかどうかはわからない。なぜならサンケン電気はファンドとの間で「確約書」を結ぼうとしたが不成立となったからだ。6月株主総会以降に発足する和田会長―高橋社長の新しい経営陣にとっては経営権を脅かす存在となりうる。そうした中で和田社長をはじめサンケン電気の経営陣は争議解決をいたずらに引き延ばしている余裕はないはずだ。

 こうした状況に対して我々は、3月は重要な時期だとして、また解雇から2か月たつがサンケン電気は一切話し合いに応じず、更に座り込みテントと組合事務所の撤去を求め応じなければ月約20万円を払えなど強硬な態度を取っていることに対して闘いを強化しようと、全国に闘いを呼びかけた。

 3月10日に、大阪と福岡で、3月24日には労働組合を中心に大阪支店へ、25日に広島で、さらに31日には再度大阪での抗議行動が取り組まれた。

 東京では、3月25日、通常の木曜行動の昼休み集会を拡大し、池袋の東京事務所前での昼休み集会を「解雇から2か月、サンケン電気和田社長は早く決断しろ!解雇撤回3.25全国抗議行動」として抗議集会が行われ、103名が参加した。更に翌日26日には、けんり総行動実行委員会主催の東京総行動の一環として、池袋の東京事務所に対する抗議行動に約70名が参加し行われた。2日連続、そして全国の波状的な抗議行動はサンケン電気にとって大きな打撃になったはずだ。  韓国では3月24日、日系企業のもとで解雇され苦闘している旭ガラス非正規職労組、ケーツウの労組、韓国サンケン労組の3つの組合が集まり、今後全国で日系企業のもとで苦しみ活動している仲間たちが連帯して闘っていくために全国的な規模の会議を作ることを決めた。サンケン電気はいよいよ110万民主労総との対決を覚悟しなければならない。和田社長は今からでも遅くはない。廃業を謝罪し、解雇を撤回すべきだ。

3月25日第27回木曜行動の報告

 薄曇りだが寒さは感じない。埼玉県新座市内の本社前、志木駅南口では、組合つぶしの韓国サンケン廃業・解雇撤回を求める抗議行動と宣伝活動を行い、池袋の東京事務所前では、拡大版昼休み集会に103名が参加し、3つの行動を合わせて延べ約150人が参加した。

≪朝7時過ぎ サンケン電気本社前≫

 イジョンヒさん「私たちは今回の違法な法人登録の抹消、違法な清算が撤回されるまで、最後まで闘います。」

 本社前抗議行動は、中部地域労働者組合旭ダイヤの仲間の司会で開始され、冒頭、郵政産業労働者ユニオンの内田さんから開始の挨拶をした。

 インターネットを通した韓国からの発言のトップバッターは韓国サンケン労組組合員のイジョンヒさん(在職17年)がアピール。 「今回の韓国サンケン偽装清算、法人登録の抹消という事態は、労働組合をつぶすための、労組弾圧といえるものであり、人為的に一方的に意図的に作られたものに他なりません。サンケン電気本社の経営の一方的な決定によって私たち16人の労働者だけでなく、私たち家族まで路頭に迷う、そうした状況に追い込んだ不当な決定です。」「私たち一日一日そして今日も決意を新たにして闘いを続けるのは、私たち自身の生存権を守るための決意をして今日もそうした闘いを続けています。和田社長は絶対に姿勢を改めなければなりません。私たち今回だけでなく今日にいたる労働弾圧に抗して生きる権利生存権を守り抜いてきました。ですから今回のサンケン電気の不当な解散、不当な法人登録も直ちに撤回して下さい。私たち今回の違法な法人登録、違法な清算が撤回されるまで、最後まで闘います。」

 次に、支会長のオヘジンさんが発言。
「今日まで255日間に亘るテントでの座り込み闘争を続けてきています。なぜなら私たちがこのように闘い続けている理由というのは、私たちの生きる場である工場に必ず復帰をして現場復帰ということを闘いの中で必ず勝ち取るというそういう決意に基づいたものです。」「しかしながら私たちの抗議の声に対して、会社の側からは話し合いに応じようという声も、私たちの要求事項に対する答えも一切返ってきていません。毎週木曜日ここ本社前で私たちが直接の話し合いの申し込みをしているにも関わらず、また会社に住民の方々の抗議の声が寄せられているにも関わらず、会社の側は無視を決め込んでいます。私たちがいくら抗議をしても怒りの声を上げても、会社の側からは責任をもって対応する人間がただの一人もでてこない、そうした私たちの要求を踏みにじるそうした態度を取り続けています。」「サンケン電気に問いただしたいです。今までとってきたような、要求に対して一切無視を決め込むといった態度で、今回の事態が解決できると信じているのでしょうか。コロナウイルス感染拡大が続いているから、時間が経てば本社に対する抗議行動は自然崩壊するとでも会社の方は思っているのでしょうか。時間が経てば労働者の方が疲れ果てて諦めざるをえない、そのように本社の側は思っているのでしょうか、もしも会社がそういう考えを持っているのであれば、今直ちに考えを変えなければなりません。」

「労働者の闘いはそのように時間が経てば自然崩壊をするのでは決してありません。私たちの生きる権利、生存権を踏みにじる会社に対して、そして私たちの正当な活動をつぶそうとする行為に対して私たちは絶対にだまっていないし、闘いを投げすてることなど、闘いを諦めることなど絶対にあり得ません。」「会社側が、私たちの闘いに対して、要求に対して無視を決め込んでも、いくら弾圧してきても逆にそれは連帯を強め、私たちの闘いを更に拡大していくほかありません。私たち韓国サンケン労組の闘いは今までもそうであったし、そのようにしてどんな困難な事態であっても、これを一つ一つ変えていきました。結局そうした変化というのは、自分たちの闘いを守る、労働者の闘い民衆の闘いがそのようにして事態を変え、会社側が瓦解してきたその証です。サンケン電気本社は今からでも遅くありません、今回の事態を解決するそうした努力を直ちに開始すべきです。今回の事態を解決する唯一の道は、労働組合と交渉を通じて行う、これ以外に方法はありません。」

 ここで韓国サンケン労組と連帯する埼玉市民の会の大野さんがサンケン電気の社員と経営陣に呼びかけるようにアピールした。

 そして再びインターネットを通して韓国サンケン労組の教育宣伝部長のペクウンジュさんがアピール。
「私たちの働いていた韓国サンケンの工場は、廃業の手続きが間もなく完了するといううわさが流れ、そして他社の手に移ってしまうという噂がながれました。しかしながら会社を他の人間に引き渡すとか、或いは工場をリモデリングする動きはこれまで一切ありません。通常工場を他社が買い入れた場合には、その保全、或いは改修のためにいろいろな動きが起こるのが通常です。もし廃業がすっかり終わってしまっているならば、工場に立ち入ることはないとおもいますが、しかしながらアルバイト労働者が2名毎日出勤しています。廃業届が既に出されているにも関わらず、その2人の労働者は何をしているのか、疑問に思わざるを得ません。会社の正門には私たちのテントと私たちの動きを監視するカメラが設置されています。会社の指示に従って、私たちと私たちのテントを監視していると思います。」

「1月20日会社が廃業届を出して、私たち全員を解雇した通知には、この10年間会社は累積赤字に苦しんできたという内容が同時に書かれていました。そしてまた同時にどのように今までのような形で会社を再生させようと様々な検討をおこなったけれども、しかし会社の再生は厳しいものと判断したという内容も書かれていました。しかし実の所、会社は工場稼働の正常化のための努力を一切行ってきませんでした。逆に2018年から天安という別の都市に工場を準備して、そこでの操業を開始しました。電気メーカー大手であるLGとの契約を結んで、新たな工場を作っているとそうした動きを活発に行ってきたのがサンケン電気です。」

「昨日は大邱に行ってきました。旭日ガラスの闘争文化に参加するためでした。もう今日では7年間に亘って不当解雇撤回闘争を闘ってきた仲間です。しかし当該の労働者の仲間は7年もの長い闘いを続けているにも関わらず、疲れを少しも見せず、むしろ活気に満ちた表情でした。逆に決意は固くなり、希望に満ちた姿でした。結局私たちはそうした姿をみて感じたことは、やはり労働者の闘いは他の労働者の闘いによって力を得、元気付けられるということです。私たちはこの闘いを絶対に諦めるわけにはいきません。労働者をまるでボロキレのように捨ててしまう、扱ってきたサンケン電気、労働運動の要求に対して、話し合いの要求に対して、一切これを無視し、不法な会社の清算、私たちに対する不当な解雇を行ってきたサンケン電気を絶対に許せません。一方的な廃業を行っておきながら、闘いはおきえないと高をくくって一方的な不当な行為を行ってきたサンケン電気に対して私たちはこれからも闘いを続けます。」

 韓国からの最後は韓国サンケン労組の副支会長キムウニョンさんがアピール。
「昨日旭ガラスの非正規職労組の仲間、ケーツウ労組の仲間、私たち韓国サンケン労組の3つの外資系企業が集まって会議を行いました。旭硝子の労働組合は非正規職です。日系企業のもとで働いて不当解雇をされたけれども、これを撤回させる闘いを7年間行っています。旭硝子は100%日本の会社です。ケーツウという会社の株式は日本の企業が49%、アメリカ企業が51%持っています。ここは莫大な利益を上げているにも関わらず、労働者を全て非正規職にしてしまうことで、会社の偽装廃業を行ったところです。こうした闘う日系企業が、日本が関わっている企業で働いている職場で次々に闘いが起こっている姿を見ますと、日本の資本の、企業の悪らつさ、非道さ、過酷さというものを改めて感じました。本当にサンケン電気も同じように悪らつな企業です。そういうことが改めて確認することができると思います。昨日日本の企業が関わってできた企業の下で闘っている仲間たちと連帯し、日本企業の悪らつさをこれからも知らしめていくことを改めて決意しました。私たちは昨日の会議で次のように決議しました。全国で活動している日系企業のもとで苦しみ闘っている仲間たちと連帯していく全国的な規模の会議を作ろうという内容です。私たちは、私たち現場一つだけの力でなく日系企業で働く仲間の連帯のきずなを全国的な規模で作り上げて、この力をもって闘っていく決意です。」

「会議が終わった後、旭硝子の闘争文化祭が行われました。沢山の人たちが文化祭に駆け付けてくれました。ソソン里のサードの配備に反対している私たちの先輩世代の仲間も現場に駆け付けてくれました。全国各地で争議を続けている仲間も駆け付けてくれました。そして沢山の仲間と話しました。皆が口をそろえていいました。闘いがこんなに長引くとは思わなかったといいました。しかしまた同時にこんなことも聞きました。一人では、一つの団体での闘いでは勝てない闘いでも、しかし厳しい状況、困難な状況にある時に支えになったのは、労働者の、民衆の小さい連帯の闘いである。労働者の闘いはもちろん正当なものです。しかし孤立すれば非常に厳しい状況に陥ざるをえません。ですけれどもそうであっても連帯の闘いが、私たちの闘いが正当であるということを改めて感じさせることができ、大きな力を与えることができ、そういう力を持っているのが連帯の闘争だと思います。やはり韓国サンケンも状況は同じです。私たちも25年間に亘って労働組合攻撃と闘ってきました。その中で大きな山がいくつもありましたけれども、そうした山が訪れても、その中で持ちこたえて峠を越えることができたのは唯々連帯の力があったからだと思います。」

 本社前の宣伝抗議活動の最後にHOWSの仲間がまとめの発言をし、シュプレヒコールでサンケン電気本社に抗議の意思をぶつけた。

≪9時 志木駅南口≫

 ヤンソンモさん「サンケン電気の子会社の韓国サンケンの偽装廃業が撤回されるよう、どうか市民の皆さんサンケン電気本社に抗議の声をお寄せください」

 志木駅前では、埼玉市民の会のサンケン太郎さんが、東京都からコロナ時短営業違反として休業命令を出されたレストランチェーン・グロ−バルダイニングの問題のアピールと創作曲を熱唱して市民宣伝活動が開始された。

 韓国からは支会長のオヘジンさんが最初にネットを通して市民にアピールした。
「サンケン電気は私たち工場で働く労働者全員を現場に復帰させたのち、次には会社自身を無くしてしまう準備を着々と始めたのです。サンケン電気は、韓国の大きな電気メーカーであるLGとの間で合弁法人を作り、16億円もの大金を投じて工場を買い入れて別の所で生産の準備をして、そこでの生産を開始しながら、一方では私たちが働く韓国サンケンでは、生産すればするほど赤字がふえる状態を人為的に作り上げて、赤字状態から免れることができない状態を作ったのです。」「外注に関しても労働組合との合意が必要なんですが、私たちと合意なしにアウトソーシング=外注を行い、ヨーロッパへの輸出を行いながら、一方では私たちの働く工場を無くしてしまう準備を3、4年かけて一つ一つ行ってきたのがサンケン電気なのです。」「そしてまたコロナウイルスの感染が広がる中で4年前と同じように私たちが日本に渡って本社前で抗議ができないことを見込んで会社をなくすこと、私たちの解雇を強行してきました。」「昨年7月の段階で雇用の不安を感じた私たちは会社との交渉の中で、労使で雇用委員会を作り、雇用問題を継続して話し合うという約束をしました。しかし約束をした2日後に一方的に韓国サンケンをなくす、私たちが働く工場をなくしてしまう通知を一方的に私たちに直接ではなく、自分たちのHPで発表する形で通知してきました。その結果私たちが会社と結んだ合意は紙くずになってしまいました。世界の同業種で世界8位の売り上げを誇るグローバル企業であるサンケン電気が私たちに対して4年前と同じようにまたもや私たちを路上にたたき出すといった暴挙を行ってきました。このようにサンケン電気は企業として果たすべき責任を一切果たさない不道徳で悪らつな酷い企業です。自分たちの誤りを誤りと認めず、全てを労働者に押し付けて私たちを路上にたたき出す、そうしたことを平然とおこなう企業です。」

 続いて入社17年になる組合員のイジョンヒさんが市民のアピール。
「私が働いている韓国サンケンは1973年にサンケン電気が100%投資して、韓国馬山の自由貿易地域に設立した会社です。韓国サンケンは工場の敷地に関してはほぼ無償に近い形で借り上げ、そして税金など様々な恩恵を受けながら47年間に莫大な利益を上げてきた企業です。しかし韓国で税金など税制上様々な恩恵を受け、長年に亘って企業活動を行ってきた韓国サンケンは、労働組合が会社にできるいなや、これをつぶそうと25年以上に亘って労組弾圧を行ってきました。」「韓国サンケンの労働組合弾圧はそれにとどまりませんでした。今から5年前の2016年には、私たち金属労組に所属する組合員だけを対象とした不当解雇を命じてきました。私たちは、国内だけでなく、日本にも遠征団を派遣して1年以上に亘る闘いを展開しました。そして地方労働委員会、中央労働委員会において会社が出した解雇命令は不当であるという裁定を勝ち取ることができました。この闘いでは韓国のみならず、日本においても様々な連帯に支えられて、日本の仲間の支援を受けて翌年2017年には全員職場復帰を勝ち取ることができました。」「しかし私たちが職場に戻って今日まで3年間に亘ってほとんど設備投資はなされませんでした。そして作れば作るほど赤字になる原材料しか持ち込めず、休業も何度も繰り返してきました。サンケン電気は私たち労組がある韓国サンケンには投資は行わない一方で天安という別のところで16億円の投資を行って工場を買い上げ、新たな清算を開始しました。」

「志木駅をご利用の皆さん、皆さんはご覧いいただいているように、日本でも私たちに連帯の活動を行って下さり、私たちが働いている韓国サンケンの偽装廃業を許さない、直ちに撤回しろという声を上げてくださっています。韓国国内においても、私たちの上部団体である民主労総というナショナルセンター、そして私たちが所属している産別労組の金属労組も私たちの争議に対して連帯の闘いを取り組んでいます。」「韓国サンケンは47年間にも亘って税制上などの様々な恩恵を手厚く受けてきました。ですからそこで働いてきた労働者をボロキレのように捨てることなどしてはならないはずです。サンケン電気の今回の子会社の韓国サンケンの偽装清算、偽装廃業が撤回されるよう、どうか市民の皆さん、サンケン電気本社に対して抗議の声をお寄せください。私たち韓国労働者が自らの生きる権利、生存権として自分たちの家族の生活を守ることができるよう、ぜひともお力をお貸しください。私たちは必ず闘い続けて、会社が行ってきた私たちが働く工場をなくすための偽装廃業を必ず撤回させ、工場に絶対に復帰させます。」

 ここで、郵政シルバーユニオンの仲間から団体の紹介とアピールが行われた。

 更に韓国から続けて元支会長のヤンソンモさんがアピールした。
「日本のサンケン電気は、私たち韓国の労働者をあまりにも長い時間苦しめてきました。韓国労働者を低賃金でこき使い、韓国政府から様々な税制上の恩恵を受け、労働組合がない状態の中で、莫大な利益を上げたのがサンケン電気です。外資系企業としてサンケン電気は外資系企業が行うことができる様々な方法を駆使して低賃金の労働者を搾取してきました。その結果として同じ分野の中で世界8位の売り上げを誇るグローバル企業に成長したのがサンケン電気です。今回も私たち韓国の労働者をだまして私たちが働く工場をなくしておきながら、別の場所に工場を作って、その上韓国政府から莫大な支援を受けながら生産活動を行うことを、私たちは見過ごすわけにはいきません。」

「サンケン電気は新座市においても非常に名の知れた企業であることを私たちは知っています。4年前私たちにかけられてきた整理解雇を撤回する際、サンケン電気の和田社長は先ず住民の皆さんに対する謝罪から始めました。そういった会社の姿を見た時、「ああ、サンケン電気というのは地域住民に対する関係を非常に重視している企業だな」という印象を受けました。そうした地域住民との関係を重視するサンケン電気がなぜ私たち韓国の労働者に対しては残忍な仕打ちをやすやすと行うことができるのでしょうか。韓国の労働者に対しては、結んだ約束も破っても良いと考えているのでしょうか。或いは韓国の労働者だから破っても良いと考えているのでしょうか。」

「むしろ今回のような状態を起こすのではなく、韓国から完全に撤退してはどうですか。韓国から生産も営業活動も永久に撤退するのであれば、私たちもそれなりの覚悟があります。しかしながらサンケン電気が韓国での生産、営業、販売活動をこれからも行うというのであれば、私たちにかけられた今回の事態をサンケン電気は必ずきれいに解決すべき義務があります。サンケン電気の和田社長、今すぐ決断をして下さい。韓国サンケンの工場は今日にでも再稼働することができます。和田社長あなた一人が決断しさえすれば、今回の事態は直ちに解決できます。そうした決断を一日でも早くして韓国サンケンの工場を稼働して下さい。私たち韓国サンケンの労働者は最後まで闘います。そして私たちに連帯してくださる志木駅前で活動中の日本の仲間の皆さんも最後まで闘ってくれるはずです。志木駅前をご通行中の市民の皆さんも是非とも支援の声をお寄せくださればと思います。」

 志木駅の宣伝活動の最後に副支会長のキムウニョンさんが市民に訴えた。
「4、5年前当時志木駅で私たちは声をあげましたけれども、その中で志木駅を利用しているお年寄りの姿を見ると自分たちが国においてきた親のことを思い出して涙しました。また志木駅を利用する小さい子供を見ても国に残してきた子供のことを思い出して涙しました。」

「サンケン電気は、私たちに対して今回法律にもとる偽装廃業というカードを切ってきました。」「そして私たちを路上にたたき出し、私たちの家族の幸せを踏みにじったのです。あまりにも残忍な企業です。サンケン電気は労働者との約束すら守ることができない企業です。サンケン電気は新座市民との約束を守ることができない、踏みにじる不当な企業です。」「47年間に亘って韓国政府の支援を受けて税制上の手厚い待遇を受けていながらも、しかし労働者の声、韓国国民の声、国会議員や、慶南道知事、慶南道議員、昌原市長、昌原議会など地方自治体に至るまで抗議の声が数々送られることに対しても一切答えない、黙殺する、踏みにじる企業がサンケン電気です。恩を足で踏みにじる、恩を仇で返す企業に対して私たちは韓国の国民として、韓国の労働者として絶対に許すことができません。」

「16人が働く工場をわざとなくして、一方では別の地域に工場を作って生産活動を行う、ただひたすら労働組合があるからとの理由をもってそうした酷いこと行う企業、偽装廃業を行う企業、こうした企業に対して抗議の声を是非とも上げてください。」「25年間に亘って労働組合があるからといって労働組合を憎みその活動を妨害し、また弾圧してきたサンケン電気に対して抗議の声をお寄せください。」

 志木駅前の市民宣伝活動の最後のまとめを明治大学生協労組の仲間が行い、池袋に向かった。

≪正午 池袋・東京事務所前≫

 オ・ヘジンさん「私たちがこれまで血と汗で守ってきた民主的な労働組合―民主労総を守るためにも、今回の会社の一方的な解散決定に絶対に私たちは引き下がることはできない」

 池袋の東京事務所前の昼休み集会を拡大し、「解雇から2か月、サンケン電気和田社長は早く決断しろ!解雇撤回3.25全国抗議行動」として抗議集会を行い、103名が参加した。

 昼休み抗議行動は、中部地域労働者組合旭ダイヤの仲間の司会で開始され、支援する会共同代表で韓国良心囚を支援する会全国会議代表の渡辺一夫さん、埼玉市民の会、全労働者組合、全統一労組書記長の佐々木史郎さん、三多摩合同労組三信自動車、中部地域労働者組合東邦エンタープライズ、東京山谷日雇労働組合、全労協議長の渡邉洋さん、連帯労働者組合武蔵学園、などから次々とリレートークで抗議のアピールが続いた。所沢労音の仲間は、韓国サンケン労組の組合員の似顔絵を作って参加し、アリランを歌ってアピールした。キムウニョンさんは「今池袋営業所の前に私の人形がありますね、私もそこに存在しているかのような気持ちで一緒に闘います」と共感の気持ちを述べた。

 そして続いて韓国からはネットを通して初めに支会長のオヘジンさんがアピール。
「企業が自らの利潤追求だけに走り、労働者を人間として扱わず、企業としての倫理を失うのであれば、当然民衆からの大きな叱咤を受けて当然です。サンケン電気は世界の各国各地域にあちこちグループ会社を作り莫大な利益を得てきたグローバル企業です。サンケン電気は自らが人を尊重し各国に展開し各国の労働者を尊重し、企業として倫理と道徳を守っているというイメージを宣伝しています。しかし自分たちが100%投資をして作った韓国の子会社において数十年間に亘って労働組合を弾圧し人権を弾圧した大変なことをしているのがサンケン電気です。自らの利益を追求したまま韓国における労働者を搾取し弾圧しても構わないとするサンケン電気が非難を受けてしかるべきです。サンケン電気は韓国における労働者への弾圧を数十年間行いリストラによって沢山の労働者を路上に放り出しました。サンケン電気は労働組合との間で結んだ労働協約を徹底的に踏みにじり、今回もまた私たち労働者を路上にたたきだしました。」

「数十年間に亘って私たち労働組合つぶしの弾圧を続けてきました。違法で酷いことを行ってきたサンケン電気に対して私たちは抵抗するしか道はありません。長い間に亘り私たちの労働組合活動にたいする弾圧に私たち抵抗して闘ってきました。自分たちの工場、自分たちの働く場を守るために闘ってきたのです。しかしその代価が私たちの会社がなくなり、解雇であることを絶対に認めることはできません。私たちがこれまで血と汗を流して守ってきた民主的な労働組合―民主労総を守るためにも、今回の一方的な解散決定に対して絶対に私たちは引き下がることはできません。最後にサンケン電気の和田社長と経営陣に解散と解雇の撤回を再度強く要求します。あなたたちが私たち労働者をいくら弾圧したとして私たちは絶対に闘いを諦めません。」

 次に副支会長のキムウニョンさんが発言。
「私たちが4年前に日本に遠征闘争した時に家族に親が体の調子が悪い方もいました。また幼い子供を抱えている仲間もいました。しかし私たちはそうした様々な事情を抱える同志に対して人の前で泣くことはあえてしませんでした。私たちが泣けば同志たちの厳しさがますことになるかもしれないからです。ですから私たちは隠れて人知れず涙を流したものです」

「サンケン電気もしも韓国で企業活動の展望がないと全面的に撤退するというのであれば理解できないわけではありません。しかしサンケン電気は韓国での生産、営業、販売活動を継続拡大する方針です。にもかかわらず私たちだけ労働組合がある会社だけつぶしました。まさに労働組合をつぶしていっています。それだけではありません。私たちの正当な権利を踏みにじっている、生活を踏みにじっているのですから絶対に許すことはできません。そうした状況の中で私たちが闘っていることを日本の仲間の皆さんも良く理解してくださっていることと思います。日本の仲間の皆さん、こんな悪らつなサンケン電気を許すことはできますか。人権をことごとく踏みにじり、労働組合活動を一切否定して、嫌悪する、憎んでいる、そしてつぶしにかかる、こんなサンケン電気をどうして許すことができるでしょうか。サンケン電気の悪らつなやり方に対して私たちは絶対に諦めず最後まで闘います。是非とも連帯闘争最後まで一緒に闘いぬいていきましょう。」

 最後にサンケン電気東京事務所に向かい皆で怒りのシュプレヒコールを叫んで行動を終了した。


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