●韓国サンケン労組を支援する会・3月11日第25回木曜行動報告
20万円/月の損害賠償攻撃を許すな！ 偽装廃業・解雇を撤回せよ！
3月11日第25回木曜行動。天気は晴れ。寒さは大分緩んできたとはいえ、早朝の新座市内はまだまだ空気が冷たい。最近になって会社側がテント撤去・組合事務所明け渡しと月20万円の損害賠償を求め提訴していたことが判明、労組への圧迫は続いている。しかし、韓国サンケン労組の仲間は「会社側の攻撃は焦りの表れ」（ペク・ウンジュさん）「困難な闘いでも、冬の後に春が来るように勝利は必ず訪れる！」（オ・ヘジンさん）と意気軒高だ（写真は3/13韓国サンケン工場前の籠城テント）。
東日本大震災から10年目にあたるこの日、支援する会はサンケン電気本社前から志木駅南口、池袋・東京事務所ビル前の三カ所、延べ90人が参加して第25回木曜行動を展開した。
≪3月11日朝7時過ぎ サンケン電気本社前「弾圧と脅迫に負けない！団結と闘争の二つの武器で闘う！」
郵政ユニオンの仲間の発言で木曜行動スタート。「 和田社長が交代するというニュースが流れ、さらに投資ファンドの公開株買い付けの動きもある。サンケン社員のみなさんの中には、韓国サンケンの問題に関心のない方もいるかもしれない。しかし関心が無くても関係はある。少なくとも未解決の争議を解決する責任が和田社長にはある。違法・不当な偽装解散で組合潰しをするようなグローバル企業であっていいのか？6月の株主総会に向けて重要なこの年度末の時期に、サンケン電気に対する取り組みを強めていきたい！」
韓国サンケン労組のペク・ウンジュさんからオンライン・アピール。「韓国は冷たい風が吹いている。工場前での徹夜籠城も半年が過ぎ、いつになれば終わるのかと考えながら、きょうも闘争を始める。先日の釜山領事館前での女性労働者の10歳の娘の発言が心に残る。『母の願いは一刻も早く工場に戻ること』、10歳の少女がそのように話していた。この問題の責任はサンケン電気本社にある。私たちは真実を知っている。サンケン電気が労働組合が嫌いだというのが唯一の解散理由で、赤字は嘘っぱちだということを知っている！私たちが望むことは工場の正常化であり、元の暮らしに戻ることだ！」。
ヤン・ソンモさんが続く。「昨年7月以降、会社の欺瞞的なやり方に闘いを続けてきた。会社廃業に抗議するために、道知事、市長、13人の国会議員に要請してきた。昨年の夏は暑くて辛い闘いだった。大型台風が直撃してテントが風でバラバラになりそうになって、とても苦労した。冬の寒さは厳しくビニールテントは冷え込んだ。サンケン電気本社の社員のみなさんは、いつも通りに出勤しているのでしょうか？どんな毎日でしょう？ 私たちは朝起きて、工場ではなく工場前のテントに通う日々だ。累積赤字を理由にして廃業というが、その赤字は誰が作ったのか？ 韓国サンケンの経営陣、彼らを任命したサンケン電気本社ではないか。サンケン電気による労働組合嫌悪が解散の真の理由だ。韓国サンケンに何の投資もしていないのがその証拠だ。韓国憲法13条は労働三権を保証している。法律で保護されている労働者の権利をサンケン電気は無視している。韓国サンケンの社長は何かというと『法律を守る』と言っていたが、少しも守らなかった。労組があるから会社を解散することなどあってはならない。労組に一片の郵便が届いた。テント撤去と組合事務所の明け渡しだ。工場の売却が円滑に進まないと言っている。しかし4年前にも売却するといいながら売却しなかった。韓国サンケン社長は、労組の問題をうまく解決できなかった。労働者だけでなく家族にも郵便で嫌がらせをしている。サンケン電気のこのような卑劣な行動に我慢できない。冬を超えて春を迎えようとしているが、昨日は帰る時に春の花が咲こうとしている様子を見た。風も暖かくなってきたが、私たちの心は冷たいまま。ならば、心が温かくなるように頑張る！闘争！」
埼玉市民の会の仲間が発言。「きょうは10年前の大震災の日。あの時に、アジアの諸国から支援がたくさん寄せられた。その時に支援カンパを寄せた韓国の労働者を、一方的に路上に放り出す。そんなことは許されない。サンケン電気の労働組合のみなさん、韓国の労働者の支援に立ち上がってください！」
オ・ヘジン支会長からオンライン・アピール。「きょうの朝考えたことがある。韓国サンケンの操業が出来なくなったのは、労働者のせいなのか？私たちはいつまで不安を抱え続けるのか？いつになれば闘いを終わらせることができるのか？このようなことを毎日考えて闘いを始める。現在の状況は、あまりにも厳しい。それは私たちに何の責任もないことが明らかだから。法律で決められた労組を作り、労働条件改善を求めた。働いてケガをしないために組合に入った。労働者としての最低の権利を守るために組合に入ったことが、和田社長には耐え難かったのか？和田社長に問いたい。経営者に言われるままに働けば廃業はなかったのか？そうではないと私たちは考える。サンケン電気本社は組合潰しの機会を窺っていた。民主的な労組を破壊する準備をしていた。コロナ禍が絶好の機会と考えたのだろう。名ばかり社長を前面に立てて廃業すれば解決と思ったのか？力のない労働者が闘っても仕方がないことだ。そう思ったのか？しかしそれはサンケン電気の経営者のみなさんの勘違いだ。私たちはコロナが終われば新座市に駆けつける。弾圧と脅迫があっても闘争を止めない。団結と闘争の二つの武器があれば、サンケン資本と堂々と闘うことができる！」
最後に中部労働者組合の仲間の発言。「コロナで助け合わなければならない時に、コロナに乗じて、卑劣な偽装解散・解雇を実行する。和田社長は、立鳥跡を濁して会長職に退いていいのか！絶対に許せない！」。最後に本社屋に向かってシュプレヒコールで締めくくり、志木駅に向かう。
≪3月11日9時 志木駅南口「コロナ禍に乗じて理不尽な首切りをする地元企業を許せない！」≫
志木駅南口に到着し、幟とプラカード、横断幕を掲げながら、アピール行動開始。いつも楽しいパフォーマンスを披露してくれる所沢労音の仲間が、きょうはオ・ヘジン支会長とキム・ウニョン副支会長にそっくりのプラカードを持ち寄ってくれた（写真）。これから16人の組合員全員の似顔絵をプラカードにしたい、と。本社門前に16人全員の似顔絵のプラカードが並ぶ光景を想像するとワクワクする。 埼玉市民の会の仲間が最初に発言。「地元の企業が、コロナに乗じて理不尽な首切りをすることは恥ずかしい。そういう思いで訴えています！サンケン電気が真にグローバル企業と言うなら、会社の利益だけ上げて韓国の労働者を切り捨てるような企業であって良いのか！」
韓国サンケン労組のキム・ウニョン副支会長から訴え。
「2016年から17年にかけて志木駅前で市民のみなさんに訴えてきた。市民のみなさんのおかげで、工場に復職できた。その時の私たちの感動は、言葉で言い表すことができない。私たちはその復職時に、雇用に関わる重要な問題は労使協議することを会社と約束した。しかしサンケン電気本社はこの約束を守らず、韓国サンケンに投資することもなく、2018年には別会社を買収してそこで生産までしていた。労組のある韓国サンケンだけを廃業して潰す。サンケン電気は悪質な会社だ。4年前の労使合意が『会社にとっては恥ずかしいことだった』とサンケン電気は言っている。労働委員会で不当解雇だと認定され指名解雇を撤回したことを『恥ずかしい』とまで言う。サンケン電気はそんな会社だ。私たちは悪質なサンケン電気に負けずに闘う。日本に行けないが、日本の仲間が闘ってくれる。韓国でも多くの仲間と闘っているので、負けることはない。みなさんの支援に力を得て、今日も闘っていく！闘争！」
キム・ヒュンガン事務長が続く。「今回は新型コロナのために日本に入国できない。それで日本の仲間の協力を得て、こうしてオンラインで声を届けている。サンケン電気はコロナを利用して工場を閉鎖し、解雇した。4年前の労使合意を無視して、話し合いもなく韓国サンケンを廃業した。韓国サンケンの経営者は本社の動きを知っていたのに、知らなかったと嘯いた。明らかに本社の指示だ。労働者を騙すのが、サンケン電気のやり方だ。韓国で莫大な利益を上げながら、韓国サンケンの労働者には還元せず、工場への新たな投資もしなかった。韓国サンケンに設備投資をしていれば事態は違っていたかもしれない。本社は経営悪化が廃業の理由だというが、本当の目的は労組潰しだ。労組を作ることがなぜ悪いのか！韓国の憲法でも認めているではないか！本当に悪質な会社だ。サンケン電気に問いたい。清算にかかる莫大な費用をなぜ韓国サンケンの再稼働に回さないのか？苦しい日々が続いても、職場に戻る日まで闘い続ける！」
全日建連帯労組の仲間からアピール。「東上線沿線に半世紀も住んでいる。サンケン電気は学生時代から良いイメージを持っていた。当時は私の回りにも、『就職するならサンケン電気』という学生がたくさんいた。この間のサンケン電気が韓国でやっていることは本当に残念に思う。組合つぶしのために工場を無くすようなことはあってはならない！」
ペク・ウンジュさんがオンライン・アピール。「韓国でも日々暖かくなり、服装も薄くなっている。春が来る季節の中で、私たちにも復職してまた働けるようになるという思いがする。私たちに対するサンケン電気のやり方、攻撃の激しさは彼らの焦りの表れでもある。会社はテントの撤去、組合事務所の明け渡しを求めている。私たちの諦めを狙っていることは明らかだ。しかし私たちは闘いを放棄することはできない。多くの支援があるので、私たちは闘うことができる。私が労組を知ったのは2000年の初めのころだ。一緒に闘い、一緒に権利を守っていく仲間がいるのが労働組合。労組の中で苦楽を共にしてきた仲間と復職して働きたい。サンケン電気のやり方は、一方的に決定し、通告する。先日の韓国サンケン経営陣との交渉の席では、『最後の機会だ、諦めろ』と言われた。一方的に通告されても、従うわけにはいかない。話し合いの席では誠意がなく、本社の言い分を一方的に伝えるだけだ。会社が清算されたらおしまいだ、と。2017年に復職した時に、サンケン電気は『二度とこのようなことは起こさない』と新座市民にチラシを配布したと聞いている。にも関わらずこっそりと別会社で生産し、韓国サンケンの労働者を騙してきた。なぜ突然路上に放り出されなければならないのか？ 和田社長は会長になるようだが、工場前にテントを張って座込んでいる労働者の問題を解決するのが先ではないか。和田社長は、ただ労組を潰したいだけだ。真実はいつか明らかになる。労組ときちんと交渉し解決を図ることを求める。私たちは必ず工場に戻る。闘争！」
オ・ヘジン支会長が続く。「サンケン電気は、約束を守らない、嘘ばかりつく、恥知らずな企業だ。サンケン電気は100％子会社の韓国サンケンを1973年に作った。当時の朴正煕政権が馬山自由貿易地域を作り優遇措置を設け、そこに外国資本を誘致した。サンケン電気は韓国国家の恩恵を受け、つまり韓国国民の税金を使って、多くの利益を上げて日本に持ちかえった。過酷な労働条件で働いていた韓国サンケンの労働者は、人間らしく働きたいと労組を作ったが、会社は労組を認めようとせず、労組潰しのために組合脱退工作を謀ったが、ことごとく失敗した。組合員を襲撃し、妊娠した組合員に暴力まで行使して労組を破壊しようとした。しかし労組の闘争と社会的な批判で弾圧を跳ね返した。会社の攻撃はそれで終わらず、その後も繰り返し労組を攻撃してきた。度重なるリストラで解雇され路頭に迷う労働者も出てきた。いまは16人しか残っていない労組を、偽装赤字を累積させ、廃業の口実を作ってまでして潰そうとしている。これがサンケン電気の本当の顔だ。様々な脅迫で労働者を潰し、赤字を累積して責任を労働者に転嫁した。組合は話し合いを求めているが、拒否している。権利を守るために労組を作った、ただそれだけの理由で労組を弾圧し、工場を閉鎖し解雇した。職場に戻るために、市民のみなさんの支援が必要です。悪質なサンケン電気に抗議の声を！」
所沢労音の仲間のアピールで志木駅南口の宣伝行動を締めくくり、池袋に向かう。
≪池袋・東京事務所前、昼休み集会「新社長が話し合うなら応じるが、弾圧するなら真正面から闘う！」≫
池袋・東京事務所のI氏とのやり取りは90分以上続いたが、韓国サンケン労組のオ・ヘジン支会長の話し合い要求に、何ら回答を示すことはなかった。やり取りの中で、サンケン電気�蠅亮匆颯轡好謄犹�業部門が分社化し3月1日付でサンケン電設�蠅箸覆蝓�東京、名古屋、大阪以外は営業所も別会社になったこと、そのサンケン電設は京都の�螢検璽┘�･ユアサ コーポレーションに4月1日付で譲渡されることが明らかになった。東京事務所7階にも社会システム事業部門があり、一部の扉に「サンケン電設」の表示があった。分社化については人員の異動も含めてサンケン電気は労働組合と協議したのではないか？労使協議なしで一方的に子会社の韓国サンケンを清算し全員解雇するやり方は、韓国労働者に対する差別ではないか、とI氏に問いただしたが、返答はなかった。やり取りの最後にI氏は「（支援する会と対応する）木曜日がつらい」とつぶやいたが、オ・ヘジンさんから「私たちは毎日がつらい。家族も含めて大変な思いで日々を過ごしている！」と一喝された。
埼玉市民の会の仲間の、韓国サンケン労組を応援する替え歌で昼休み行動スタート。渡辺共同代表、全国一般全労働者組合などのリレートーク。
韓国サンケン労組のオ・ヘジン支会長からオンライン・アピール。「サンケン電気本社のHPで社長交代を知った。韓国では不愉快なニュースがあった。４年前の労働委員会の不当解雇の裁定を本社としては恥だと思っていること、３月末までに韓国サンケンの工場を売却するために本社として全力を挙げていること。韓国サンケンの社長からそのように聞いた。正直のところ本当に組合潰しのために会社を清算するのか、私たちも半信半疑だった。自分たちの考えが楽観的すぎた、甘過ぎたと反省している。本社は本気で組合潰しに来ている。闘う労組を潰すためだけに会社を清算しようとしていることが明らかになった。このことが一番糾弾されなければならない。資本の側が総力をかけて民主的な労組を潰そうとしていることを、私たちは痛いほど認識している。サンケン電気本社の労組嫌い、というだけではない。闘う労組、労働者の生活を守る闘い、平和を守る闘い、この国を変える闘いを、資本の側が、周到に準備して潰しにかかっている。韓国サンケンの解散は、本当に悪質だ。労働者の団結を否定し、日韓労働者連帯の成果を無きものにしようとしている。今回の闘いは、回りから『勝てない闘いだ』と何度も言われた。心配されもした。『勝てない闘いを、なぜそこまでやるのか？』、色々なことを言われた。しかしそのような周りからの問いが、闘いの意義をはっきりさせてくれた。私たちの闘いは、サンケン電気本社に打撃を与えている。韓国社会を変える闘いとつながっている。そのことをひしひしと感じる。韓国サンケン労組だからこそ、資本が弾圧し本格的な組合潰しにきた。弾圧が激しくなればなるほど力を得て組合員は鍛えられる。日韓連帯の力も強くなる。いまサンケン電気の社長が変わろうとしている。今後も楽観することはできないし、さらなる弾圧も予想される。しかし私たちは揺るがない。新社長が話し合うなら応じるが、弾圧するなら真正面から闘う。サンケン電気が話し合いの意思があるなら、話し合いはいつでも用意している。一貫して私たちは本社との直接対話を求めてきた。問題の発端は本社の経営にある。私たちは労働者、自らの力で新たなものを作りだし、世の中を動かし変える。労働者は人間らしく生き、人間らしい世の中をつくるために闘う。闘う労働者が日韓連帯の闘いを作り上げる。だからこそ弾圧が厳しくても闘いを止めることはない。闘いの先輩の日本のみなさんに感謝したい。木曜日の連帯闘争で私自身が新たなことを発見している。闘い無くして勝利なし。困難な闘いでも、冬の後に春が来るように、勝利は必ず訪れる。みなさんの連帯の温かい温情に応えるには、闘い続け復職を勝ち取り勝利することしかない。これからも頑張ります！」
最後に連帯労組大道測量の仲間が発言、7階8階の東京事務所に向かってシュプレヒコールで木曜行動を締め括った。
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