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膨大な感染者が隠されている

2020年05月05日 | 安倍政権

    
 4日の緊急事態宣言延長会見で安倍晋三首相は、新規感染者が「200人程度」に抑えられているとし、「確実に成果を挙げている」と述べました。肝心の「宣言」解除の基準については具体的に何も言わず(質問しない記者たちもどうかしていますが)、自己を正当化するのは、いかにも安倍氏らしい厚顔無恥で、怒りを禁じえません。

 安倍氏はなぜ「宣言」解除の基準を明言しない(できない)のか。感染の全体像をつかんでいないからです。感染の実態(不都合な真実)を隠しているからです。安倍政権や専門家会議が公式に発表している感染者数は氷山の一角にすぎず、膨大な感染者がすでに存在していると推測されています。

 岡田晴恵氏(白鷗大教授)は早くから、PCR検査を広範囲に実施し、陽性者の比率(陽性率)を明らかにして全体像を把握する必要性を強調していました。安倍政権はそうした指摘に耳を貸そうとしませんでしたが、4日、専門家会議はようやく陽性率を明らかにしました。

 それによると、2月中旬〜3月中旬=1〜8%、3月末=10%超、4月12日=15%超(最高)、平均=5・8%、といいます(5日のNHKニュース)。膨大な数ですが、これも政府の不十分な検査に基づくものです。

 岡田教授は、「東京の陽性率は10%より高いのではないか。(政府の)検査は数が絞られており、間口が狭い。生の数字を出す必要がある」(1日のNスタ=TBS系ニュース。写真中)と、安倍政権の調査方法・発表数字に強い疑念を示しています。

 山中伸弥氏(京大教授・ノーベル賞受賞)も、「(政府の)PCR検査の内容がなかなか見えてこない。新たな感染者を見つけるための検査がどれくらい増えているのか」と疑問を呈したうえで、「(政府の発表は)もしかしたら氷山の一角にすぎないのかもしれない」(1日NHK。写真右)と述べています。

 政府部内の専門家からも疑問の声が出されています。
 「何も対策をとらないと42万人が死亡」という衝撃的な試算を発表(4月15日の記者会見)した、厚労省対策チームの西浦博氏(北海道大教授)は、「実際の感染者数が、1日で検査できる上限を上回っている」とし、「現在確認されている感染者数は氷山の一角。実際は10倍以上」(4月26日付日経新聞)との見解を示し、検査態勢の拡充が必要だと述べています。

 「氷山の一角」にすぎないデータに基づく対策が無力であることはいうまでもありません。その責任がPCR検査を抑えてきた安倍首相にあることは明白です。
 安倍氏は4日の会見で、「医師の判断でPCR検査ができるようにとずっと言ってきた」などと述べましたが、大ウソです。市中の医師が検査を要請しても保健所を通じて国立感染症研究所の下に一元化して抑制してきました。その結果、多くの「検査難民」が出て重症化し、死亡者が増えたことは周知の事実です。

 不都合な真実を隠ぺいするのは、東電福島原発事故の被ばく、各種のデータ改ざん、資料廃棄など、安倍政権の常とう手段です。

 安倍氏は緊急事態宣言を延長したことについて「おわびする」と言いましたが、空疎な虚言はもうたくさん。安倍氏はコロナ対策の不手際の責任をとって直ちに退陣すべきです。



Created by sasaki. Last modified on 2020-05-05 07:44:06 Copyright: Default

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