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韓国サンケン労組を支援する会・11月5日第9回木曜行動報告
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●韓国サンケン労組を支援する会・11月5日第9回木曜行動報告

サンケン電気は偽装解散を撤回し、韓国サンケンの馬山工場を再開せよ!

 11月5日、天気快晴だが、朝夕の気温はだいぶ下がってきて、風も冷たくなった。韓国サンケン労組を支援する会の第9回木曜行動には、「馬山やソウルはもっと寒いだろう」と韓国の仲間の体調を気遣いながら、多くの市民・労働者が集まった。この日も、馬山で会社門前にテントを張って座込む仲間、ソウルで日本大使館への抗議行動などを展開する仲間とネットで繋ぎながら、埼玉県新座市内のサンケン電気本社前・志木駅南口・池袋駅東口の東京営業所前の3カ所で約1時間ずつ、抗議・アピール行動を展開した。各所で30人、30人、40人延べ100人が集まった!

≪7AMすぎ 新座市内のサンケン電気本社前:「会社の悪辣さを全て明らかにする」「必ず勝利する」≫

 鉄冊とロープで閉じられた本社の正門は、徒歩や自転車、バイク、車で出勤する社員が来るたびに警備員がロープを開いて招き入れる。横断幕、幟、プラカードを掲げて7時過ぎからアピール行動開始。出勤する社員、門前を通る市民には支援する会のニュース配布。最初に郵政ユニオンの仲間が「『サンケン電気のやり方はおかしい』の声を地域と職場から上げていこう」と呼びかけ。

 韓国サンケン労組の仲間からは、まず馬山にいるペク・ウンジュさんがアピール。「冬が迫り、馬山の気温も下がった。本社が新たに投資した天安市のEKEという会社を見学した。天安は馬山より田舎で小さい。そのEKEにサンケン電気は巨大な投資を予定している。韓国サンケンは自由貿易地域で税制上も優遇され莫大な利益を得ながら、労働者に還元しなかった。そして雑巾のように労働者を捨て去る。韓国サンケン廃業で韓国から撤退するのでなく別会社を作る。こんなことは許せない。企業として間違っている。組合潰しの廃業撤回を!韓国サンケンへの投資の再開を!私たちは必ず工場に戻る!」

 続いてソウルの日本大使館前で抗議行動を続けるキム・ウニョンさんがアピール。韓国の仲間はいつも発言の最初に本社周辺の住民へのおわび、行動参加者へのお礼と健康への気遣いを忘れない。「31年間韓国サンケンで働いてきたが、この廃業決定には抗議の声を上げざるを得ない。サンケン電気は韓国で1973年から47年間税制上も優遇され莫大な利益を得たが、その利益のほとんどを日本に持ち帰った。韓国で恩恵を受けてきたのだから、韓国の労働者のことも考えるべきではないか。サンケン電気は日本だけの企業でなくグローバル企業だ。3年前の会社としての約束はまもるべきではないか。別会社を作って韓国サンケン製品として輸出してきた。こんなことが許せるか。意図的に赤字を作り出しその責任を労働者に押しつけるのか。和田社長の決断が必要だ。決断しなければ日韓の外交的な問題に押し上げる。サンケン電気の悪辣さを全世界に明らかにする。 私たちは負けない。悪辣さを全て明らかにする。諦めないで必ず勝利する!」

 さらに韓国サンケン労組の仲間から発言が続き、行動参加者からも争議団連絡会議・埼玉市民の会からアピールがあった。終了間際に2名の警察官が現れたが、不当な介入をさせず、本社に向かってシュプレヒコールで約1時間の行動を閉め、志木駅に移動した。

≪9AM 東武東上線志木駅南口:「労働者には家族がいる。家族を苦しめる会社は許せない」≫

 電車の乗降客が行き交う志木駅南口。ここでも横断幕、幟、プラカードを掲げ、支援する会のニュースを配布しながらアピール。人通りも多く、立ち止まる人、ニュースを受け取る人、話しかけてくる人もいる。冒頭、東京労組の仲間から、サンケン電気による会社解散・組合つぶし攻撃と闘う韓国サンケン労組支援の訴え。

 韓国サンケン労組の仲間からは、まずヤン・ソンモさんが発言。「3年前に私たち労組と約束したことを、サンケン電気は、すべて踏みにじっている。3年間、私たちは賃金の凍結、休業要請にも応じてきた。けれどサンケン電気は原材料の供給をしなかった。累積赤字と言うが、韓国サンケンの赤字はサンケン電気本社が意図的に作り出した。別会社を作ってそこに原材料も供給してきた。労組潰しだけが目的の廃業だ。寒い中で、馬山の工場で、日本総領事館、ソウルの日本大使館前で声をあげている。サンケン電気本社に交渉を求めているが、和田社長は耳を貸さない!」「韓国サンケンは、47年間、韓国労働者に深い傷を与えてきた。私の子どもたちも、『きょうも座り込みで家に帰らないの?』と聞いてくる」―ここでヤン・ソンモさんは声を詰まらせて続けた。「韓国の労働者にも家族がいる。家族を苦しめ、人のみちを踏み外したサンケン電気本社を許せない。もう一度職場で働ける日が来るまで闘い続ける!」

 ソウルの日本大使館前のキムウニョンさんが続いた。「サンケン電気本社は悪い企業だ。労働者に賃金凍結・休業要請してきたその陰で、別会社に投資し韓国サンケンの製品を生産しヨーロッパに輸出してきた。懸命に働いてきた労働者に対して、どうしてこんな仕打ちができるのか。新型コロナでみんなが苦しんでいる時に、助け合って共に生きようとしてる時に、コロナを利用して組合潰しをしようとしている。労働者の生活を、家族の生活を踏みにじっている。韓国の労働法も、私たちとの労使協定も、多国籍企業が守るべきガイドラインにも違反している!」

 キム・ヒョンガンさんも訴えた。「会社は今回の事態について一切、 私たちとの話し合いに応じない。約束は守るのが日本の文化ではないのか!」

 行動に参加している日韓民衆連帯ネットワーク、埼玉市民の会からも発言。日韓ネットの仲間は「韓国の大資本LGグループとサンケン電気本社の利害の一致が、韓国サンケン清算の背景にある」と指摘し「日韓の資本が組んで闘う労組を潰す。これが今回の韓国サンケン廃業の本質ではないか。サンケン電気本社は『鬼』。『鬼滅の刃』は日韓連帯だ!」と韓国サンケン労組への支援を呼びかけた。

 埼玉市民の会の仲間は、「地域でチラシの戸別配布を始めた。市民から、サンケン電気本社への抗議電話も続いている。新座市内で支援の輪が広がっている!」と報告し、韓国サンケン労組の仲間を激励した。

≪11AM 池袋・東京事務所に要請:不誠実な対応に「本社への行動を強化せざるを得ない」と通告≫

 志木駅から池袋に移動。いつものように通訳含めて代表団5名が東京事務所のA氏と面会し韓国サンケン労組の仲間とネットを通じて直接やり取り。赤字の偽装、別会社での生産について問い質しても「交渉担当ではない」「答える立場にない」と、何も答えようとはしない。代表団は、「このような不誠実な対応では、本社への行動を強めざるを得ない」とA氏に申し渡した。

≪正午 池袋・東京事務所前:「和田社長は労働者の尊厳、涙、家族の苦しみを考えたことあるのか」≫

 サンケン電気東京事務所は藤久ビルの7階と8階にある。ビルの前の歩道に横断幕と幟、プラカードを掲げて昼休みアピール行動。ビル街の真っただ中にあるので、昼休みに昼食休憩に向かうサラリーマンなど行き交う人は多く、中にはチラシを受け取る人もいる。ここでは毎回、日本側の参加者のリレートークがメイン。埼玉市民の会の発言を皮切りに、JAL争議団、所沢労音、全国一般東京南部・上智大学解雇者、武蔵学園争議団、府中緊急派遣村労組などが次々とアピール。「韓国サンケン労組の仲間と共に闘い、職場に戻る!」「コロナで困窮している労働者がたくさんいるときに、コロナを利用して労働者を切り捨てる。こんなことはあってはならない!」

 ソウルの日本大使館前から韓国サンケン労組のキム・ウニョンさんが「スマホ越しにみなさんの顔を見て胸が一杯です!」と行動参加者に語り掛けると、拍手が沸き起こる。「人間はいつかは死ぬ。生きている時に何をするか、真価が問われる。和田社長はどんな人生を歩んで来たのか。有害物質を撒き散らし、労働者の尊厳を踏みにじっている。どこが幸せなのか?労働者の尊厳、労働者の涙、家族の苦しみを考えたことあるのか!」とサンケン電気への怒りをぶつける。「日本のみなさんの連帯と力は、韓国でも大き な反響を呼んでいる。この力で会社の攻撃を跳ね返したい!みなさんは私たちの希望です!」

 行動の最後に東京事務所のあるビルに向かってシュプレヒコールを浴びせて、この日の第9回木曜行動を終了した。


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