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ブラック・ライブズ・マター!〜7月20日 全米160都市でストライキ


*紫は女性の人権色

 7月20日、ニューヨーク、ロサンゼルス、サンフランシスコ、デトロイト、フィラデルフィア、シカゴ、ボストンを含む160の都市でService Employees International Union(SEIU)という労働組合とM4BL(Movement for Black Lives)という人種差別に反対する大規模な市民団体連合が主導し、「黒人生活のためのストライキ」(Strike for Black Lives)を行った。


*サンフランシスコのポスター

 今回のストライキは、5月1日のメーデーに行われたストライキに始まり、6月19日のジューンティーンス、そして7月4日の独立記念日に続き、コロナ・ロックダウン以降の4回目のストライキとなった。参加者のプラカードには、「エッセンシャル・ワーカーのための正義」、「エッセンシャル・ワーカーもブラックライブズマターと共に」、そして「警察の予算を打ち切れ」などと書かれていた。一部の新聞では、今回のストライキには少なくとも2万人が参加したと報告している。

 「I can’t breathe...」絞り出すような声で息ができないと言ったジョージ・フロイド氏の言葉はアメリカ社会の貧困層に響き渡った。


*マサチューセッツの労組

 新型コロナウイルスの感染に怯える富裕層は郊外の別荘地へ避難したが、生計を維持するためにコロナ禍であろうが働かざるを得ない貧困層には避難するという選択肢はない。彼らの多くは女性や若者、黒人やラティニクス(=ヒスパニック)などの非白人であり、コロナ禍においても社会に必要不可欠なエッセンシャルワーカーと呼ばれる介護、運送業、食料品店などに就業し、低賃金、非正規雇用、ハイリスクの三重苦に首を絞められている。フィラデルフィア市のエッセンシャル・ワーカーの年収の中央値はわずか2万5千ドル(約270万円)。ジョージ・フロイド氏の「I can’t breathe」という言葉と貧困格差、人種差別、労働問題などに喘ぐ人々の苦しみが重なり、そのうねりはアメリカ社会に大きなデモの波を引き起こした。

 鉄道組合のAmalgamated Transit Union(ATU)のジョン・コスタ氏は「コロナのパンデミック、経済不況、そして根強い人種差別が巻き起こした嵐は、非白人労働者の人々の生活をこれほど危険な状況にさらしたことはなかった」と語った。また、「貧しい人々のキャンペーン」の代表であり牧師であるウィリアム・バーバーII氏は、「ストライク・フォー・ブラック・ライブ運動は元々警察の暴力に対する怒りから始まったが、労働者の生活を脅かすような劣悪な労働条件に抵抗する運動も含まれるようにになった」と述べている。


*メンフィス

 また、ジョージ・フロイド氏暴行死事件の波紋は海外にも広がりを見せた。韓国の運輸労働組合ではストライキに賛同する決議が可決された。彼らは拳を上げ、韓国語で「ブラック・ライブズ・マター」そして英語で「No Justice, No Peace」と声を上げてデモを行った。ブラジルでは、マクドナルドの労働者らがサンパウロ本部に集まりスタンディングを実施した。また、2,400万人が加盟する労働組合連盟の代表は、マクドナルドの構造的な人種差別を検事に訴えた。医療保険の整備、人種差別の撤廃、労働組合に加入する権利、労働環境の安全対策など、人間が生活する上で当然の権利が未だ認められないことへの不満と怒りは世界へも波及した。(愛知連帯ユニオン/ジョセフ・エサティ)


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