都知事選 : 準備不足で負けるべくして負けた
柴田武男
冷静に考えれば誰にでもこの結果は分かっていたはずです。
では、どうするのかということです。相手は現職の知事で、現職が負けた
ことのない都知事選です。政策で圧倒することが勝利の前提条件です。山本太郎さんが15
兆円の都債発行を公約として出来るというのならば、総務省自治財政局地方債課
に問い合わせして文章での回答を確保しておくべきでした。口頭でお墨付きを貰ったとし
ても、マスコミが取材すれば総務省は否定してしまいます。準備不足を感じます。宇都宮
けんじさんは東京五輪は専門家の意見を聞いて中止の判断というもので、立候補時点で中
止を明確化してません。これも中途半端ではなかったかと思います。宇都宮けんじさんの
政策は一番充実していましたが、給食の無償化についていくらかかるのか、その財源はと
いう議論が見当たりません。公契約条例作成も公約ですが、条例案は骨子としてもありま
せん。やはり準備不足を感じました。
一言で勝手に言えば、準備不足で負けるべくして負けたということになります。美濃部都
政が三期12年間都政を担えたのは、当時の時代の課題である福祉と公害対策を都政として
担ったからだと理解しています。何より、高度成長期で財政に余裕がありました。そして
、1973年の石油危機で日本経済が壁にぶつかって低成長になると、財政危機をバラマキ批
判として攻撃されてそれを超えられませんでした。今思えば、美濃部都政は高度成長期の
徒花とさえ括れます。今回は、石油危機、リーマンショックを超えるコロナ禍という危機
の時代です。これに対する処方箋をどう描くのか、それに成功した勢力が主導権を握りま
す。石油危機の時には、土光臨調です。筋肉質の日本を作る、増税なき財政再建、自分の
ことは自分でやる気概を、明確に社会像を示して新自由主義政策に邁進しました。現在の
日本社会の骨格はこの時の構想を実現化した結果です。これに対して、左派リベラルは無
防備でした。対抗する社会像を持てませんでしたし、提示できませんでした。個々の問題
に弥縫策を提示するのがやっとでした。
今回のポストコロナ禍社会像をどう提示できるのか。トランプ大統領は明快です。分断統
治です。敵と味方を峻別して、味方からの支持だけを頼りに社会運営することです。だか
ら反トランプデモは大歓迎なのです。敵と味方がはっきり対立して、ますます強力な支持
を得られます。彼の支持率はそんなに低落してません。安倍政権の社会統治構想は何か、
それを把握して対抗原理をどう構築するのか、それが問われてます。
◇FB投稿での選挙結果予想
小池候補の得票は現役の強みも合わせて獲得票は増えるでしょう。約350万票程度かと思
います。宇都宮けんじさんは、前回より競合候補者もあって80万票程度かと思います。山
本太郎さんは60万票です。本来の支持層からも反発されてます。そして、7月5日得票数確
定してみると、この結果です。
◇東京都知事選開票結果
当3661,371 小池 百合子 無現
844,151 宇都宮 健児 無新
657,277 山本 太郎 れ新
612,530 小野 泰輔 無新
178,784 桜井 誠 諸新
参考
CNNの世論調査では、トランプ大統領を支持していると答えた人の90%以上がトラン
プ氏に投票すると回答。トランプ大統領を支持しないと答えた人の90%以上が民主党か
らの指名を確実にしているバイデン前副大統領に投票すると答えている。
https://www.cnn.co.jp/usa/35155292.html
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Last modified on 2020-07-06 17:47:12
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