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「自粛」要請のなかで工事計画だけは強行!/5.11 辺野古「防衛省」抗議行動
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「自粛」要請のなかで工事計画だけは強行!〜5.11 辺野古「防衛省」抗議行動

 5月11日(月)、毎月定例で行っている辺野古新基地建設反対の防衛省抗議行動がありました。約80名が参加していました。沖縄から山城博治さんの電話での訴えがありました。

 「今辺野古の工事は感染者が出て止まっているが、近いうちにきっと再開するだろう。そうしたら私たちも座り込みを再開する」と話していました。辺野古の海の埋め立てにカヌーに乗っての抗議行動に参加した方の報告や、宮古島などへの自衛隊配備に反対している方からの「こんな時でも自衛隊は武闘訓練をしている」との報告などがありました。

 日韓民衆連帯全国ネットワークで、政府・防衛省への抗議申し入れを行いました。申し入れ書では「4月21日、沖縄防衛局が、辺野古新基地建設における大浦湾側の軟弱地盤の改良工事に関する設計概要変更申請を沖縄県に提出したことに強く抗議する。沖縄県を挙げてコロナ感染拡大防止対策を進めている中で、また日本政府は不要不急の行動は『自粛』しろと強要する中で、出されたことに強い怒りを覚える」と訴えています。以下、申し入れ書全文をご紹介します。(尾澤邦子)

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<抗議申し入れ書>

総理大臣 安倍晋三 様
防衛大臣 河野太郎 様

 4月21日、沖縄防衛局が、辺野古新基地建設における大浦湾側の軟弱地盤の改良工事に関する設計概要変更申請を沖縄県に提出したことに強く抗議する。
 沖縄県を挙げてコロナ感染拡大防止対策を進めている中で、また日本政府は不要不急の行動は「自粛」しろと強要する中で、出されたことに強い怒りを覚える。現在辺野古の埋め立て工事は、工事関係者の中に感染者が出たということで、工事は停止している。このような状況で、変更申請が一刻も先を争うことなのか。
 何より昨年行われた埋め立ての賛否を問う県民投票で、投票者の72%が反対を表示した民意に反するものである。
 設計変更申請の最大の問題点は、大浦湾の地質調査について多くの疑問が出されているにも関わらず、それを無視して申請したことである。

 防衛省は、マヨネーズ状の軟弱地盤が最深90mに達するという指摘に対して、最長750mも離れた3地点の調査から強度を推定し70m以深は「非常に硬い」と強弁している。しかも調査したデータがあったにも関わらず、最初はデータはないといい、次に業者が勝手にやったもので信頼性がないといい、最後には簡易な調査であるがデータがあることが判明するなど、調査データの隠蔽まで行っている。
 最深部の調査地点は、一番外側の護岸部分であり、そのデータを使って安定計算をやり直したところ強度が大幅に不足していることが判明、ケーソン護岸が崩壊するという結果が出た。これでは燃料や弾薬など危険物を扱う基地の危険性が更に高くなり、また税金の無駄使いである。
 辺野古調査団の調査では、大浦湾の埋め立て予定地には活断層が存在していると指摘していて、その危険性はますます明らかである。
 防衛省の技術検討会は、これまでも調査データが20か所も誤りがあったにもかかわらず、問題ないと設計変更についてお墨付きを与えている。しかし検討する専門家や学者たちは、政府関係機関に勤務していたり、工事に関係する企業から研究費の名目で金銭を受け取ったりした人が複数いるなどその公正性に疑いが出されている。
 この地盤改良工事は、海底に7万1千本もの杭を打ち込む大規模なものである。これほど大規模な地盤改良工事について、4月13日那覇地裁で出された判決でも指摘しているように、環境影響評価(アセスメント)のやり直しが必要だ。
 この地盤改良工事を含めた工期と工費について、防衛省は、当初の想定を大きく上回り工期は1.5倍の12年、工費は2.7倍の9300億円かかると明らかにしたが、果たしてこれで収まるのか大いに疑問だ。現在進められている埋め立て工事は、数%しか進んでおらず、地盤改良工事には様々な問題点が指摘され、台風などの気象条件などもあり順調に進む保証はない。従って普天間基地の返還は2022年から2030年に大きくずれこまざるをえない。河野防衛相は「一日も早い普天間基地の危険性除去」といっているが、10年以上も先延ばしにされる返還が「一日も早く」といえるのか。日本政府の言う「辺野古が唯一の選択枝」という政策は完全に破綻している。それでも「新基地建設」というのは、一部の政治家やゼネコンと米軍、アメリカの産軍複合体の利権のためである。
 また未着工の6件の護岸工事の契約を打ち切ったが、未着工にも関わらず6件で約302億8千万円もの費用が経費として業者に支払われたという税金の無駄使いを行っている。
 今コロナの世界的な流行の中で、日本でも緊急事態宣言が出され、感染拡大防止とそれに関連する対策のために、財政がひっ迫しているうえに、莫大な費用の支出を迫られている。不要不急な辺野古建設費用や軍事予算は削除し、コロナ対策にまわすべきである。人殺しの軍事基地建設ではなく、人々の命と生活に使うべきである。辺野古新基地建設を直ちに中止し、普天間基地を即時返還すべきである。

2020年5月11日
 日韓民衆連帯全国ネットワーク
 東京都台東区上野3-20-8小島ビルSBC4-15 TEL 070-6997-2546


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