「コロナ切り」は許さない! /妊娠中に解雇された派遣社員 | |
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「コロナ切り」は許さない!〜妊娠中に解雇された派遣社員*「私たちを殺そうとしているのはコロナウイルスではなく国と企業だ」 4月20日月曜日、朝7時30分。愛知県清須市の三菱重工株式会社・枇杷島工場前に中尾カオリさん(写真)は立っていた。手には「生きさせろ!」「"コロナ切り"は許さない!」と日本語とポルトガル語で記されたプラカード。「私、働きたいんだよね。子ども3人いるし、まだ妊娠しているし。お金ないし」と訴えた。 中尾さんは日系ブラジル人。派遣会社・中部工業株式会社に無期雇用の派遣社員として雇用され、工場内にある丹羽興業株式会社・カーエアコン事業部枇杷島営業所で働いてきた。1歳、8歳、12歳の子どもたちを育てる母であり、現在妊娠中だ。2019年8月からこの工場内で働いてきた。2月18日に妊娠を告げると、新型コロナウイルス感染症の影響による「生産量減少の為」と一方的に通知され(2月28日付け「解雇予告通知書」)、3月31日付けで「解雇」となった。その直後から「早く部屋から出て行け」「ガスや電気を止める」など、会社の借り上げ団地から退去するよう執拗に迫られ、ユニオンみえに加入した。抗議行動は、中尾さんが働いていた三菱重工株式会社・枇杷島工場、派遣先の丹羽興業株式会社、派遣元の中部工業株式会社の3社に対して行なわれた。 三菱重工株式会社・枇杷島工場の入門担当職員は、「業務に支障を与える業務妨害だ。敷地内に入るな。お帰りください」と冷たいあしらい、要請書の受け取りも拒否。派遣先の丹羽興業株式会社も「私どもの雇用者じゃない。コロナ切りではない。どうぞお帰りください」といった応対だったが、要請書は受け取った。 派遣元の派遣会社・中部工業株式会社の営業所は「コロナウイルス感染症拡大のため、事務所を閉鎖」の貼り紙と共に、扉は閉ざされていた。のちに現れた副社長に対し「解雇撤回」「住居追い出しを行わない」「100%の休業補償」「出産に備えて法令通りの手続き」「直ちに団体交渉を行う」などをユニオンは要求した。副社長は「僕の判断では、決められない。社長の回答次第」と無責任な態度に終始した。 「私は日本が大好きだから。子どもの教育面も考え、日本で暮らしたいと思った」と語る中尾さんは、日本国籍を持つブラジル人。1997年に、15歳で初来日。10年ほど日本国内で働いた。その後はブラジルに戻るも仕事はなく、インターネットで中部工業株式会社の求人広告を見つけたという。広告には「お仕事たくさん。生活支援も充実」などと書いてあった。2019年、この職場で働くために家族全員で再来日したばかりだった。 労働組合・ユニオンみえの神部紅さんは「この3月以降、『コロナ切り』の労働相談が増えている。中でも外国人労働者、派遣社員、製造業からの相談が多い。中尾さんの事例は氷山の一角だ」と語った。(土屋トカチ) Created by staff01. Last modified on 2020-04-23 19:12:46 Copyright: Default |