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米国労働運動 : 労働組合はサンダース精神を必要としている
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〔解説〕現在、米国大統領選挙の予備選挙が行われており、「民主社会主義者」バーニー・サンダースが民主党候補の先頭にたっている。2月27日付けの記事でレイバーノーツとサンダースの関係を示しているので翻訳した。(レイバーネット日本国際部 山崎精一)
*毎月1日前後に「レイバーノーツ」誌の最新記事を紹介します。

労働組合はサンダース精神を必要としている

   ダン・ディマジオ(レイバーノーツ副編集長)


*2019年の全米電機ラジオ機械工労組UE大会で大統領選挙候補の推薦を受けるバーニー・サンダース

 現在の連邦議員でレイバーノーツ大会に招待されたり、レイバーノーツ誌を定期購読したことのある人は一人しかおらず、その人は現在大統領予備選挙の世論調査で民主党候補の首位に立っている。1993年のレイバーノーツ大会の冒頭で当時下院議員だったバーニー・サンダースは「労働者の権利法案」を提案した。その内容は、最低賃金の引上げ、賃下げなしの時短、軍事予算を削減して民生部門の雇用を増やす、組合組織化を容易にし、国民皆保険制度を作る、というものだった。

 サンダースは同じ主張を半世紀も繰り返している、「労働者の生活が苦しくなる一方で、少数の億万長者の手に富は集中しつつある」。この主張は労働運動の中で古くから唱えられてきた。1905年の世界産業労働者組合IWWの規約前文では「労働者階級と使用者階級は何も共通のものを持っていない」。この文書はサンダースが尊敬する、鉄道労組指導者で社会主義者のユージン・デブスによって署名されている。

 しかし、サンダースがこの主張を続けている間にも、多くの労働運動の指導者たちはこの主張を放棄したし、このような信念を一度も持たない者も多かった。そういう指導者たちは経営側と協調するための「創造的」な方法を追いかけたりしたが、労働者の力に依拠した運動を作ろうとすることはなかった。経営側との「パートナーシップ」を推し進め、成果給を受け入れ、「付加価値」を生む商品のように組合員資格を売り込むことによって組合指導部は経営の従順なパートナーの役割を受け入れた。その一部は今では億万長者を大統領候補として支持することさえ仄めかしている。

●革新的な先駆者

 サンダースの主張が勢いを得るのを見ていると興奮してくる。サンダース支持の労働組合には、ロサンゼルスの教職員、ニューハンプシャーの公務員、テキサスのホテル労働者、アイオワの食肉加工労働者の組合も含まれている。若者たちが引っ張っている環境問題運動体のサンライズ運動や刑事司法の正義を求めるドリーム・ディフェンダースなどがサンダース支持なのは言うまでもない。サンダース以外の候補を支持している労働組合もサンダース候補の選挙運動によって労働組合の課題に焦点が当たってきたことは認めなければならないだろう。

 その長い政治活動を通じて、サンダースは体制批判をすることにより前進してきた。無所属として市長に当選し、下院議員になり、現在は上院議員になっている。いつも成功してきたわけではない。1970年代を通じて小政党リバティー・ユニオンの上院議員候補として2パーセントの得票しか得られなかった。しかし、彼は決してその信念を捨てることはなかった。

●サンダースに見習え

 首尾一貫性。原則を妥協することなく厳しい時代を乗り切る。頑張り続ける。労働組合はこの精神を必要としている。そのことなしに労働運動は再建できない。労働組合の活動家たちはサンダースの体制批判に刺激を受け学ぶべきである。多くの組合では組合内部の体制批判が必要である。

 労働運動が生まれたのは危険を冒した人たちが存在したからである。組合本部より一般組合員の方が良い展望を持っているかも知れない。あなたの組合が必要としている指導者は現執行部の後釜ではないかも知れない。

 どの大統領候補を推していようと、4月のレイバーノーツ大会には参加してもらいたい。それぞれの組合の中で問われている革命を組織している何千もの活動家たちと出会おう。

【あとがき】
 この記事はレイバーノーツのスタッフの意見である。非営利団体としてのレイバーノーツは特定の議員候補者を推薦することはしない。この主張と異なる視点を歓迎する。


Created by staff01. Last modified on 2020-03-05 11:12:58 Copyright: Default

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