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LNJ Logo JR日高本線が再び「廃線容認」の危機 沿線7町へFAXを!
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JR北海道が示した廃線提案に対し、この2月、沿線自治体で構成する日高町村会が多数決で「同意」を決めようとした日高本線。この際は、多くのみなさんに当研究会の呼びかけに応じていただき廃線同意を阻止しましたが、再び同様の危機が迫っています。池田拓・浦河町長が災害からの全面復旧を求める中、9月24日の日高町村会で再び採決の動きが出てきています。

9月3日、札幌で「日高本線など北の鉄路を守る集会」が呼びかけられ、緊急にもかかわらず100人の会場が埋まりました。この集会で、再び日高町村会加盟の沿線7町に対するFAX行動が呼びかけられていますので、再び協力をお願いします。

北海道内はもとより、道外からのFAX集中が何より大きな声になります。今回は、メッセージを記入しやすくなるよう、集会を呼びかけた道内7団体でメッセージ用紙を用意しました。こちらをご使用いただくと便利です。

・メッセージ用紙ダウンロード(PDF)
https://transportation.sakura.ne.jp/local/190924hidakafax.pdf

<文例〜長くなくてかまいません>

・池田拓・浦河町長宛て

最後まで全線維持をあきらめずにがんばっている町と町長に敬意を表します。住民の足を守るため、最後まで前線維持を掲げてがんばってください。

・その他の町長宛て

地元にとって生命線である日高本線の廃止を多数決で決めるようなことはやめるよう求めます。決定は7町一致で行われるべきであり、また各町が態度を決定する前に住民の意見を聞く場を設けるべきです。

なお、FAX番号と宛先は以下の通りです。

1.「激励FAX」宛先
・浦河町(池田拓町長)0146-22-1240

2.「多数決中止要請」FAX宛先

・日高町(大鷹千秋町長) 01456-2-5615

・平取町(川上満町長) 01457-2-2277

・新冠町(鳴海修司町長)0146-47-2497

・新ひだか町(大野克之町長)0146-43-3900

・様似町(坂下一幸町長)0146-36-2662

・えりも町(大西正紀村長)01466-2-3367

<参考>今年2月の緊急呼びかけ記事 JR日高本線が「廃線容認」の危機 沿線7町へFAXを!
http://www.labornetjp.org/news/2019/1551022737414zad25714

日高温泉がどれほど風光明媚ですばらしい路線かは、全面復旧を求めている浦河町の公式サイトに掲載の「日高本線たび日記」で紹介されています。

https://www.town.urakawa.hokkaido.jp/kurashi/news/tabinikki.html

最後に、9月3日の集会での私の発言内容を全文ご紹介します。

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 お疲れ様です。JR日高線を守る会です。

 いわゆる維持困難線区の中で、日高本線――あえて「本線」であることを私は強調したいと思いますが、いま最も切迫した情勢にあるのがこの日高本線です。廃線が提案されている鵡川〜様似で116km、苫小牧〜様似の全線だと146.5kmもあります。九州でいえば、福岡市(博多駅)〜長崎市(長崎駅)までが153.9kmですからほぼ同じ距離です。日高本線をなくすというのは、九州の人に向かって、福岡市から佐賀県を通って長崎まで、各駅停車の路線バスで行けというのと同じです。そんなやり方はまともな先進国の交通政策ではないということを、まず初めに強調したいと思います。

 2015年1月に不通になってから4年間以上経ち、静内高校など地元の学校では鉄道で通学した経験を持つ現役生徒がすでにいなくなっています。「列車が走らなくなると、優秀な生徒を集められなくなる。ますます地域の衰退に拍車がかかる」という校長先生の危惧が現実のものになりつつあります。鉄道で日帰りできた地域へ、代行バスでは泊まりがけになることで、行くのをあきらめた障がい者の方もいます。

 「たかが移動くらいで」というのは交通強者の発想です。先の参院選では、重度の障がいのある人でも、有権者の付託を受けて国会議員になれることが証明されました。「お前たちは少数派なのだから多数派の言うことを聞け」は民主主義ではありません。1人の弱者を守れない社会が一般市民を守ることができるとは私は思いません。多数派こそ1人の弱者に寄り添う社会、それを作ることができるかどうかが、今まさにこの日高沿線で試されているのです。沿線自治体協議会も、町村会やJRとの協議の場もすべて非公開。住民はおろか地元議員すら会場に入れないという密室状態で行われています。日高では民主主義が死につつあります。

 国鉄末期の特定地方交通線対策協議会では、自治体はもちろん、病院などの関係者、PTAなどの学校関係者も参加した場で話し合いが行われました。今の日高とは対照的です。協議が2年間まとまらなければ国鉄が勝手に廃止届を出してしまう。そんな時間的制約の中で、第三セクター鉄道、あるいはバス転換、各地でその地域の実情に見合う結論が出されました。83線区のうち約4割、38線区が第三セクター鉄道に転換した中で、国鉄分割民営化から32年経った今も廃止がわずか5線区だけというのは驚くべきことだと思います。第三セクター鉄道をみんなで支え、盛り上げ、存続させていこうという動きを作ることができたのも、みんなで徹底的に話し合い、民主的に導き出した結論だったからではないでしょうか。

 私たち、JR日高線を守る会は8月27日、日高町村会に申し入れをしました。私たちは町村会に結論を白紙委任したわけではない――申し入れ書にはそんな私たちの鉄路を守る決意が書き込まれています。浦河の池田町長は頑張っています。池田町長がいつまでも折れないから、バス転換を町村会で多数決で決めようという動きが毎回のように浮かんでは消えるというのが今の日高線をめぐる情勢です。多数決という暴挙を許してはなりません。もう一度繰り返しますが民主主義とは少数派が多数派に従うことではありません。最も困っている1人に寄り添うことが民主主義なのです。地動説を唱えているのは当時、世界でガリレオ1人でしたが、今、世界中の誰もが地動説が正しいことを知っています。100年後「やっぱりあなたたちのほうが正しかった」と言われるように頑張らなければいけない。そのためにも今が踏ん張りどころだと私は思っています。

 今日この集会で、日高沿線自治体に対するFAX行動などが提起されると聞いています。たとえ町村会で多数決による強行採決が行われたとしても悲観することはありません。整備新幹線の開業にあたって、並行在来線が第三セクター鉄道としてJRから切り離されるときも、沿線自治体の首長全員が同意書に印を押しています。整備新幹線建設に関する政府与党合意で『具体的なJRからの経営分離区間については、……沿線地方公共団体及びJRの同意を得て確定する』と決められているからです。九州新幹線長崎ルートでは、沿線自治体のうち鹿島市、江北町が在来線切り離しに「不同意」を表明したため、第三セクター鉄道として並行在来線を「厄介払い」しようとしたJR九州の野望を阻止しました。路線を廃止するときの地元同意の手続をどのようにすべきか定めた法律や文書はありません。法律上、地元同意は廃線の条件ではないからです。しかし、JRから第三セクター鉄道に変わるだけで、線路が残るときでさえ沿線自治体の首長全員が同意書に印鑑を押しています。線路が完全になくなってしまう廃線がこれより軽い手続でよいなどということは、常識的に考えてあり得ません。先日、地元が廃線に同意した札沼線沿線を見ても、沿線4町の町長全員が同意書に印鑑を押しています。ひとりでも印鑑を押さない首長がいれば地元同意とはならないと考えるべきです。池田町長をみんなで支え、盛り立てる。もう1人くらい廃線反対の首長を沿線に送り出す。そうすることで、廃線はいくらでも阻止できると私は考えます。町村会で採決されても、闘いはむしろこれからです。単に廃線を阻止するだけでは足りません。私は、死につつある日高の民主主義をこの闘いを通じて取り戻したいと思います。

 もうひとつ、重要な問題を指摘しておかなければなりません。今日の集会、冒頭からみなさん異口同音にバス、トラックなど大型車のドライバー不足の問題を指摘していますがそのことについてです。実は、今から11年も前の2008年、「輸送の安全向上のための優良な労働力(トラックドライバー)確保対策の検討」という報告書を、他ならぬ国交省自動車交通局貨物課が取りまとめています。運転手の低賃金、重労働に対し、このまま国が何の手も打たなければ2015年には全国でトラックドライバーが14万人も不足するという試算結果がこの報告書では示されています。国交省は少なくとも2008年段階で、いずれこのような事態が起きることを知っていたにもかかわらず何もしませんでした。トラック物流に新規参入しやすくする規制緩和をしたのは国です。その結果過当競争が起き、トラック運賃も、運送会社の売り上げも利益も、その結果としてドライバーの賃金も、すべてダダ下がりになっていくのを傍観したまま何もせず、指摘されたとおりにドライバー不足という結果を招いた国交省。一事が万事、その場しのぎ、その日暮らしで行き当たりばったりの交通政策しか取れなかったからこそJR北海道問題もこれだけ大きくなったのです。そんな怠惰の限りを尽くしてきた国交省に私たち道民が「お前たちの地元路線は廃線だ」などと言われる筋合いはこれっぽっちもない。我々に廃線などという前に国交省にこそ反省してもらいたいと思いますし、私は国交省の責任を追及すべきだと思います。

 日高本線、そして維持困難10路線13線区、残るすべての路線を守るため、私は最後のひとりになっても頑張り抜く決意です。今日この場にいらっしゃるみなさんも同じ決意を固められていることと思います。ともに頑張りましょう。

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公共交通の安全とローカル線問題を考える

☆★☆ 安全問題研究会 ☆★☆

 黒 鉄  好

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