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「国労つぶし総評つぶし社会党をつぶした」〜中曽根元首相の本当の「功績」

 中曽根元首相が11月29日、101歳で亡くなった。メディアはかれの「功績」を称えている。しかしかれが何をやったのか? その証拠映像がNHKテレビに残っている。2005年11月20日、中曽根氏はNHKテレビインタビュー(写真)でこう語っている。「国労は総評の中心だから、いずれこれを崩壊させなくてはならない。それで総理大臣になったときに国鉄の民有化を真剣にやった。みなさんのおかげで出来た。民有化に一番反対していた国労は崩壊した。そしたら総評が崩壊し、社会党が崩壊した。それは一念でやった」と。当時の左派労働運動(総評)をつぶし、社会党をつぶすことまで意図していたとあけすけに語っている。


*分割・民営化の過程で200人以上の国鉄労働者が自死に追いやられた

 総理大臣が労組法が禁じる「不当労働行為」という犯罪を堂々とやったのだ。「国家的不当労働行為」といわれた分割・民営化で1047人の国鉄労働者が解雇された。それから23年のたたかいを経て争議は「和解」に終わったが、その人たちの中曽根に対する怒りは沈殿している。分割・民営化は労働者だけでなく、同時に地方を切り捨てるものだった。ローカル線がずたずたにされた北海道ではとくにその被害は大きい。「戦後政治の総決算」を掲げ「新しい憲法を安置する」と語った中曽根元首相、その路線を引き継いでいるのが安倍首相である。そのことを忘れてはならない。(M)

↓以下は、レイバーネットの黒鉄好氏(北海道在住)が中曽根氏の死に関連して二人の元国労闘争団員にインタビューしたものである。

<元国労稚内闘争団・田中博さん(北見市)のコメント>
 その場限りのウソ、言い訳、ごまかしの「小粒政治家」ばかりになる中で、中曽根は、本気の信念をもって日本に初めて新自由主義を導入した。それに対して、私たちは政治的なことは何も考えず、日々を淡々と生きることに費やしていた部分もある。もっと政治について考えて日々を生きなければならないということを反面教師的に教えてくれた。その意味では敵方だった自分から見ても「大した奴」だ、と思っている。だが、国鉄分割民営化で北海道のローカル線はずたずたになった。中曽根元首相の功績と思っている人たちは、北海道のこの現実を見てほしい。

<元国労函館闘争団・佐々木勉さん(写真/長万部町)のコメント>
 

 中曽根の死についてコメントすることはないし、したくもない。北海道新幹線以外はすべてJRから切り捨て、民間企業か地元自治体でやれというのが国の方針。かれらは分割民営化の延長線上に(廃線を)位置づけ、意識的にやってきている。だから国鉄闘争の延長戦として闘うことが必要だし、闘う主体を作らなければならない。

*黒鉄好氏の感想
 田中博さんの中曽根評については、本気で言っているわけではない(=半分皮肉)と理解。お二方とも過去、ご自身が受けたことについては「今さら人前で話すのも」と気が引けている感じだった。だが、現在進行形のローカル線問題については前向きに考えていた。

参考映像(中曽根発言あり)
DVD『国鉄改革の真相』(ビデオプレス・18分)


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